記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2020.12.21 冬至

本日12月21日は冬至だそうです。
夏の間は19時過ぎまで明るさが残る松山の空も、近頃は18時の閉館時間を前にトップリと暮れるようになりました。

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日暮れが早いというだけでこんなにも気分が変わるものかと驚きますが、戸締りをして記念館を出ると、やけに物悲しい、うら寂しい、心細い気持ちになることもあり......そんなときは「家に着いたらあったかいものを食べてハッピーになってやる!」というのが、暗くて寒い帰り道の心の支えになりますね。

というわけで、この冬トライしてみたいと思っているホカホカ料理をひとつご紹介。
それは、伊丹エッセイではこのように書かれているのです――

 この間、菊正宗の工場からテレビ中継をするということがあり、その時、おみやげに大量の酒粕をいただいた。その酒粕を睨んでいるうちに、ふと、粕汁を作ってみたいという欲望がむらむらと沸き起こったのである。早速魚屋に電話して新巻きの頭を二つばかり取り寄せて調理にかかる。このとき、圧力鍋を使ったのが勝利の原因であった。私は玄米食者であるから当然圧力鍋を持っている。この圧力鍋で鮭の頭を三十分ほど煮て、粕汁へぶち込んだ。

 一口食べてみて、女房が「アレッ」と言った。私も「オッ」と叫んだ。うまいのである。まさに「ほっぺたが落ちそう」という味なのである。カンヅメの鮭のごとく新巻きの頭が骨までグサグサになっている。グサグサの骨と、とろりとした脂っこい皮! あとは「ウム」とか「エヘ」とか「オッホッホ」とか声にならぬ歓声をあげながら鍋一杯の粕汁を親子三人でむさぼるようにして平らげてしまった。

伊丹十三「正月料理」『ぼくの伯父さん』(つるとはな)より

――ねっ、試してみたくなりますでしょ?


忘年会なし、帰省なし、ションボリとお過ごしの方がたくさんいらっしゃることと思いますが、お家ごはんで「オッホッホ」と言えたら、それはそれで、いい年の瀬になるような気がいたします。

20201221_sakekasu.JPGシロザケの不漁で新巻鮭が手に入りにくくなっているので
エッセイとまったく同じにはできないかもしれない...と思いつつ
酒粕を2種類も購入するなど準備に余念のないわたくしであります(笑)

1年でもっとも夜が長い、ということは、今日を過ぎれば明るくあったかくなる一方、ということでもあります。
夜のあとは朝、冬のあとは春、それならば、災いのあとは福にちがいない! と期待して、2020年の記念館便りのしめくくりとさせていただきます。

みなさま、なおいっそうご自愛・ご用心いただきまして、よいお年をお迎えくださいますように。

学芸員:中野


<年末年始 休館・開館日のお知らせ>

2020年12月28日(月)~2021年1月1日(金)は休館いたします。
1月2日(土)3日(日)は開館時間を10時~17時(最終入館16時30分)とし、
1月4日(月)より通常開館いたします。

2020.12.14 

伊丹さんやその作品に影響を受けたんです、という方が、ここ記念館にはたくさん来られます。考え方であったり生活様式であったりとその内容は様々で、これまでもご紹介させていただいたことがありますが、ちょうど一月ほど前にもそんなお客様が来られました。

ご年配のその男性のお客様が影響を受けたというのは「車」です。
その方が30代の頃、伊丹さんが愛車のスポーツ・カーを走らせているのを実際にみたことがあり、それが本当に本当にカッコよかったのだそうです。そのカッコよさがどうしても忘れられず、「自分もあんなふうに車を走らせてみたい!」と、お金を貯めてご自分もスポーツ・カーを買われたのだとか! (実際に乗られていた時のお写真も見せていただきました。)

こんなお話をうかがう度に、伊丹さんという人物の、影響力の大きさを再認識させられます。

伊丹さんといえばロータス・エラン、MG-TFなど様々な車に乗り、1991年にイギリスのベントレーを購入しました。最後の愛車となったこのベントレーは、記念館敷地内にある車庫に展示されています。来館されたことがある方は、黒い車庫にどっしりとおさまり、お客様をお迎えしているベントレーを目にされたことと思います。

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そして、エッセイストでもあった伊丹さんは、車や運転法に関するエッセイをいくつも書いています。
上述の男性はそれらのエッセイも愛読されていて、『女たちよ!』(新潮文庫)に掲載されている「スポーツ・カーの正しい運転法」が一番のお気に入りだとか。伊丹さんの運転へのこだわりが感じられて、今でもよく読み返すそうですよ。
一部引用してご紹介させていただきますね。

 

 さて、いまさら申し上げることもあるまいが、自動車というものは危険物でもあります。これを扱うに当って、男たるもの、どんなに自分自身に厳しくあろうとも、厳しすぎるということはない。いわんや、いいかげんな気紛れや、でたらめは許せないのであります。
 たとえば、運転のさいの履物一つにしても、最も運転しやすい、正しい履物を選ぶべきである。底革の滑りやすい靴や、脱げやすい草履で運転することは断じて許せないのであります。
 これがすなわち「自動車の運転におけるヒューマニズム」というものである。
 そうして、われわれは、巧みに運転する前に、品格と節度のある運転を志そうではないか。
 交差点で自分の前が右折車なんかで塞がれると、すぐに隣の列へ割り込もうとする人がある。というよりもむしろ日本人の九十九パーセントまでが左様である。
 思うに車の運転とは、自分自身との絶え間のない闘いであります。人に迷惑をかけてはならぬ、ということは誰でも知っている。知っていながら割り込むというのは、これはすなわち自制心の欠如というものである。
 隣の列がどんどん流れてゆくと、もう矢も楯もたまらない。なんだか莫大に損をしているような気になってくる、
 つまりその瞬間なのだ、運転者の品性が決定するのは。こういう時に、甘んじてその場に踏みとどまっていられるだけの、強い意志の力と、人間としての品位を持つか持たないか。これが、よい運転者と悪い運転者との永遠の別れ道となるのである。

「スポーツ・カーの正しい運転法」『女たちよ!』(新潮文庫)より

『女たちよ!』にはほかにもいくつか車に関するエッセイが掲載されています。日常で車を利用している方など、「なるほど~」と思う箇所があるかもしれません。ご興味がある方はぜひ読んでみてくださいね。

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スタッフ:山岡

2020.12.07 映画館で映画を観た話


何年ぶりでしょうか。映画館で映画を観てきました。

観たのは『STAND BY ME ドラえもん2』です。
なぜならば、のび太君のおばあちゃんの声を当館の宮本信子館長が担当しているからです。

「あんたのお嫁さんを一目見たくなっちゃったねぇ」というおばあちゃんのセリフをCMでお聞きになった方も多いのではないでしょうか?

あのセリフだけで「ドラ泣き」できるくらいのインパクトがありましたが、実際映画館で全編を観たらそれはもうすごく感動しました。

のび太君の声の妻夫木聡さんが初日舞台挨拶で「おばあちゃんの声が素晴らしすぎて」とおっしゃっていましたが、本当におっしゃる通り!でした。

皆さんはもうご覧になりましたか?
まだご覧になっていない方は是非!


さて、本当に久しぶりの映画館だったのですが、映画館というのはもうロビーに行くだけでテンション上がりますね。


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以前に比べると家にいながら映画を観られる環境が整ってきて、
個人的にも家で映画を観ることが増えてきましたが、
やっぱり上映前にポップコーンを注文したり新作映画の予告編を見たりしている時のあのワクワク感は映画館でしか味わえない感覚だなと感じました。



コロナ禍の日々に鬱々とした部分もありましたが、すごく贅沢な時間を過ごせて大変良い気分転換になりました。
これからは積極的に映画館で映画を観たいと思います。



最後になりましたが、『STAND BY ME ドラえもん2』をまだご覧になっていない方はぜひ「映画館で」ご覧になってください。
おススメ致します。


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【画像:のび太君のおばあちゃんが繕った
クマのぬいぐるみが売店に売っていたので
記念に購入してみました。】






スタッフ:川又

2020.11.30 贈り物

帰省を控える方々を中心に、お歳暮向け商品の需要が高まっているそうです。
それとは逆に、帰省できない方々へご家族などが故郷の味を贈る"帰省暮(きせいぼ)"なんていう言葉も耳にしました。


この冬は、「会えない分、気持ちだけでも...」と贈り物に思いを込める方がたくさんいらっしゃることでしょうね。



記念館にも贈り物にまつわる展示がございまして――

まあお聞きや。
どうててこうてて、わしゃたまげたぞよ。
どがいにもこがいにもよいよいじゃが。
こんながねゃ、一六のタルト送ってきたんじゃが。
ほよほよ、あのよもだぎり言いよるんが、お前、
一六のタルトぞ。
わしゃもう、おっとろしいかぃ。

伊丹十三作・出演で1979年から愛媛県内で放映された、一六タルトのテレビCM「贈物篇」の語りです。

20201130_16cm_okurimono.png現在の企画展「おじさんのススメ シェアの達人・伊丹十三から若い人たちへ」で
松山弁・標準語訳の字幕付き(!)映像をご覧いただけます。

「まだまだ子供だと思っていた若者から、思いがけずタルトを贈られた親戚のおじさん」という設定なのかな、など想像がふくらみますが、「あいつも大人になったねぇ」というようなありきたりなことは言わずに「たまげた」「よいよいじゃ」「おっとろしい」と半分トボケた憎まれ口で表現しているのが、なんとも味なコマーシャルです。
一人芝居仕立てでありながら、長年にわたるあたたかい関係が、贈る人・贈られる人の間にあることが表現されていますよね。

※一六タルトCMの中でも「贈物篇」は『13の顔を持つ男』には収録されていませんので、ぜひ展示室でご覧ください。

それから、常設展示室「十二 CM作家」コーナーには、こんなものもあります。

20201130_seiyucm.JPG左:「アノネ、愛に関しては女の人は名人なわけよ。愛とは実践的にいうなら、
相手の立場に立つということだよね。相手のほしいものが判っちゃう」
右:「オイ、お前、しっかりやってこいよナ。
大体お前はちょっと気が弱くて引っ込み思案のところがあるけど、
自分のことをつまんないものだなんて思っちゃだめだぜ」

1970年代から80年代にかけて携わっていた、西友のCMシリーズの語りのメモで、お歳暮・商品券のCMのものです。

「女と愛とお歳暮選び」「商品券への激励」など、独特の切り口での宣伝となっていると同時に、「贈答とは何か」「お付き合いの神髄とは」を綴った小文としても読めてしまう、伊丹十三のコマーシャルの面白さを感じていただける資料です。

いつも通りの展示室でも、季節や社会情勢によって目に留まるものや心に残るものが変わるなあ、と殊に感じる今日この頃です。

あわただしい年の瀬を迎えるこれからの季節、「ちょっとひと息つきたいな」というとき、ぜひ記念館へいらしてください。お待ちしております。

学芸員:中野

2020.11.23 こんな「読書」はいかがでしょうか

記念館便りをご覧の皆さま、こんにちは。
中庭の桂は日に日に落葉し、葉っぱを楽しめるのもあと少しになりました。冬ももうすぐですね。



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さて、スポーツの秋、芸術の秋、食欲の秋...いろいろある「秋」を、「読書の秋」として過ごされている方も多いと思います。


ちょっと気分を変えて、こんな「読書」はいかがでしょうか――ということで今回ご紹介させていただきたいのが、伊丹さんが翻訳を手がけた『ポテト・ブック』です。



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マーナ・デイヴィス著、伊丹十三訳、トゥルーマン・カポウティ序

2014年11月に河出書房新社より復刊されました。


一見すると絵本のようなこの『ポテト・ブック』。
その名の通り、ポテトにまつわるあれこれがぎゅぎゅっと凝縮された、一冊まるごとポテトの本です。

伊丹さんの軽やかで味のある訳文で、ポテトの持つパワーやポテトの買い方、貯蔵法、ポテト料理の最初のステップ(ボイルする、蒸す、ベイクする、フライする)が紹介され、そのあとに90種類を超えるポテトを使った料理のレシピが続きます。
「ポテトの石鹸」「インチキ・フレンチ・フライ」「植木鉢のパン」――これらは『ポテト・ブック』で紹介されている料理の名前です。どんな料理なのか、ちょっと気になりませんか?
また、レシピだけでなく、ポテトの歴史やポテトを使ったゲーム、ポテト工芸や健康と美容に関する言い伝えなども載っています。多くのイラストレーターの方々によるユーモラスなイラストレーションも見ごたえがありますよ!

読んで、見て、作って......文庫本等と異なるこんな「読書」も、面白いのではないでしょうか。

「料理の本」ではあるけれど、ただそれだけではないこの『ポテト・ブック』。
伊丹さん自身、「訳者まえがき」でこんなふうに書いています。

 私はこの本を訳しながら、片っ端から作ってみましたよ。作っちゃぁ女房子供に食べさせた。これは楽しかったですね。ポテト料理というのは、安直でいながら、しかも想像力を刺戟するところがいいんです。つまり、今までせいぜい、じゃがいもの煮ころがしや、挽き肉とじゃがいもを甘辛く煮たやつや、マーケットのポテト・サラダや、肉屋で買ってくる冷えたコロッケや、どちらかといえば夢のない、いかにもお惣菜風の扱いでしかなかったポテトの彼方に、突如として、広広とした新大陸が出現したんです。ポテト料理とともに、牧畜文化が、大規模農業が、そして、それを生み出した生活のゆとりが、私の周辺に漂ってくると思われた......
 と、まあ、そんなわけで、私はこの「ポテト・ブック」を決してただの料理の本とは思ってないんです。いわば、アメリカ文化そのものが、自分の家の台所に出現した、というふうに感じるわけなんですね。この本自体が、私にとってはアメリカの旅なんです。


記念館ではショップ店頭で取り扱っていますので、ご興味のある方はぜひご覧くださいね。

スタッフ:山岡

2020.11.16 映画の前売券を購入した話



先日、初めて映画の前売券を購入致しました。


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1116-2-2.JPG【画像は前売券。裏面のQRコードで座席予約もできるそうです。】

11月20日公開の映画『STAND BY ME ドラえもん2』の前売券です。


実はこの『STAND BY ME ドラえもん2』には、みなさまご存知主人公・のび太君の「おばあちゃん」が重要な役どころで登場するのですが、今回そののび太のおばあちゃんの声を演じているのが、何を隠そう伊丹十三記念館の宮本信子館長なのであります。


という訳で日々更新されていくこの『STAND BY ME ドラえもん2』の公式サイトを日ごろからチェックしていたのですが、ある日「前売券を買うと特典でドラえもんのポストカードがもらえる」という情報を見つけ、今回人生初の前売券購入に踏み切ったという訳です。

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【特典のポストカード】



松山市近郊の方々はこの『STAND BY ME ドラえもん2』の前売券をこぞって購入されているようで、まず最寄りの映画館に直接買いに行ったのですが、前売券はあるけれど特典の在庫がないと言われたので諦め、その後近隣の映画館数件に電話をかけ、1セットだけ在庫があると回答下さった隣町の映画館まで買いに行ってきました。

みなさまの街の映画館にはもしかしたら在庫があるかも?
気になる方はぜひともお早めに!

さてこの『STAND BY ME ドラえもん2』の脚本・共同監督の山崎貴さんは、以前伊丹十三記念館にもご来館下さったことがあるのですが、実はお若いころに伊丹映画に携わったこともあるという経歴をお持ちの元「伊丹組」でいらっしゃるのです。

公式サイトで宮本館長も山崎貴監督もそのことに触れるコメントをしていらっしゃいましたのでそちらも是非ご覧頂きたいと思います。


そして映画公開日の20日には、テレビ朝日『徹子の部屋』に宮本館長が出演いたします。

『徹子の部屋』には何度も出演している宮本館長でありますが、今回もまた黒柳徹子さんと宮本館長の息の合ったトークが見られると思うとこちらも今からワクワクしています。


ますます20日が楽しみですね。



・・・・・・・・・・・・・

映画『STAND BY ME ドラえもん2』で、当館の宮本信子館長が「のび太のおばあちゃん」の声を演じます。
■ 映画『STAND BY ME ドラえもん2』 全国東宝系にて公開
■ 公開日:11月20日(金)



テレビ朝日『徹子の部屋』に宮本信子館長が出演いたします。
■ テレビ朝日『徹子の部屋』
■ 放送日時:11月20日(金)13:00~13:30予定 




スタッフ:川又

2020.11.09 生きた豆

マンネリ化著しい食生活にテコ入れするべく、最近、自分で調理したことがない野菜や魚を積極的に試してみることにしています。


「そういう目」でスーパーを物色していると嬉しい出会いがあるもので、先日は産直コーナーでこんなものを見つけました。

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一見、何の変哲もない落花生。袋の内側にうっすらと結露が見受けられたことから「これはもしや!」と思いました。
伊丹さんのエッセイに"沖永良部島で食べた塩茹でがうまかった"と書かれている、炒られていない、生の殻つき落花生です。

スーパーでも飲食店でもお目にかかったことがなかったので、南の島に行きでもしなければありつけないものだと思い込んでいました。生産している農家が愛媛県にあり、しかも生で出荷されていることにちょっと驚きつつ、商品棚の最後のひと袋、迷わずつかんでおりました。350円也。
相場がいくらか分かりませんが、伊丹さんがうまいと言った味、身をもって確認するためなら安いものです。

エッセイには、旅先の前橋のおでん屋で食べた炒り落花生がおいしかった、というエピソードに続けて、こんなことが綴られています。

 そうして――どうも妙なものですな――それ以来というもの、私は落花生の味にこだわるようになってしまった。
 それまで、私は落花生を、別段うまいともまずいとも思わず、なんとなく惰性で食べていたのが、今、突然うまいまずいの尺度を知ってみると、普通われわれが食べている落花生のなんと押しなべてまずいことか!

 その後、私は一度だけ落花生をうまいと思ったことがあった。
 この夏、沖縄のちょっと手前の、沖永良部という島へ行った。沖永良部では落花生を、炒らずに殻のまま塩茹でにして食べる。外の殻だけば剥くが、茶色の薄皮は食べてしまうのである。ちょっと渋味があって、これがなかなかよかった。ああ、やっぱり、落花生と言うのは生きている植物の実だったんだな、というのを久しぶりに思い出しながら、私は、大きな皿に山盛りになった落花生を際限もなく剥いては食べた。

伊丹十三「落花生」『ぼくの伯父さん』(つるとはな・2017年)より

どうです? 食べてみたいなあ、と思いますよね。

まあ、ウキウキで買って帰って検索し「茹で時間40分」と知ったときには、ちょっと気が遠くなりましたけれど......

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40分後、茹であがった落花生は、見た目にはあまり変化はないようでしたが、剥いてみると殻いっぱいに実が詰まっています。

お味のほうは、炒った落花生でおなじみの「知ってる味」でありながら、ムッチリとやわらかいのが不思議な感じで、他の豆類の煮たのよりはバナナやアケビに近いような、甘いなめらかさがありました。
ザルにあげてしばらく冷ましてからのほうが、塩気が殻の内側に馴染んで美味しくなるようです。20分ほど、といったところでしょうか。

手に入りさえすれば調理はまことに簡単、ただし、ありつくまでに小一時間。


そんな生落花生ではありますが、試してこそというもので、「ウーム確かに、"生きている植物の実"を食べている実感があるぞ」と頷きながら、私もまた、際限もなく剥いては食べ続けたのでありました。

ここでは一部のみ引用しましたが、「落花生」は導入の小噺も愉快なエッセイです。
ぼくの伯父さん』でぜひお読みください。

bokuoji.jpg記念館のグッズショップ、オンラインショップでも販売しております。
(生の落花生よりは簡単に入手できますね!)

====== おしらせ ======

毎月13日のお楽しみ「毎月十三日の十三時は記念館で伊丹十三の映画を観よう!」、今月の作品は『ミンボーの女』です。

11月13日(金)の13時、常設展示室でお待ちしております。

mimbo_s.jpgとある企業の民事介入暴力対策をモチーフに「人間の自由を脅かす者には立ち向かおう、
戦い方のコツをつかんでいれば怖くない!」と励まし教えてくれる作品です。

学芸員:中野

2020.11.02 伊丹さんの言葉

記念館便りをご覧の皆さま、こんにちは。秋も深まってきて、記念館入り口横のヤマボウシも色づき始めました。

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さて「読書の秋」ですね!特に10月27日から11月9日までは「読書週間」と呼ばれる期間ということもあり、読書にちなんだコーナーを設置したり、フェアを開催している書店さんも多いのではないでしょうか。
記念館便りをご覧の皆さまの中にも、この機会に伊丹さんの著書を読んでみよう、もしくは読み返してみようという方がいらっしゃるかもしれませんね。

そんな皆さまに、著書とあわせてぜひおすすめしたいのが伊丹十三記念館による公式bot「伊丹十三の言葉(伊丹十三記念館)」(@juzo_itam)です。

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「伊丹十三の言葉(伊丹十三記念館)」は、伊丹十三の著作から様々な事柄に関するユニークな言葉を1日3回ツイートしているものです。パソコンやスマートフォンから、ちょっとした空き時間を使って「伊丹さんの言葉」に触れることができるんですよ。
少しご紹介しますと――

正装する、ということは愉しいことである。社会の掟に、進んで身をまかせ、自らを縛する、というところに、一種の快い、引緊った安堵がある。タクシードを着て凛々しい快感を覚えぬ男があるだろうか。『ヨーロッパ退屈日記』(1965)

プロになるわけじゃないんだ。今からでも決して遅くはないよ。楽器を弾くということは愉しいことだよ。楽器は決して人を裏切らない。生涯の友だちだよ。そうして、楽器を弾くということは、楽譜を通じて、バッハやモーツァルトと直接つきあうということなんだよ。『女たちよ!』(1968)

伊丹さんが語りかけているようなこの「つぶやき」。
伊丹さんをよく知らないという方には、より気軽に伊丹さんを知るきっかけになりますし、すでに本を読んでいる方でも、書籍とはまた違った印象を受けると思います。皆さまにとって印象に残る言葉を探してみてください。

なお、伊丹十三記念館公式botには、伊丹十三の父・伊丹万作の著書からの「伊丹万作名言集(伊丹十三記念館)」(@mansaku_itami)もございます。ぜひ合わせてご覧くださいね。

スタッフ:山岡

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<<開館スケジュールのお知らせ>>

通常火曜日は休館日とさせていただいておりますが、

明日11月3日(火)は文化の日で祝日のため、開館いたします。
皆さまのご来館をお待ちしております!

※翌日11月4日(水)を臨時休館日とさせていただきます。



2020.10.26 消防訓練を行いました


先日、記念館を閉館した夕方から消防訓練を行いました。

伊丹十三記念館では年に一度程度のペースで消防訓練を行っています。
今回も実際に火事が起こったという設定で消防署に通報をしたり、水が入っている練習用の消火器を参加者全員が使ってみたりして非常に内容の濃い訓練ができました。

消火器や火災報知器の設置をお願いしている(株)セコムテクノサービスからは毎回担当の方が来て下さり、実際に火災現場や災害現場などでのご自身の体験やご自宅での防火防災対策等、火事や災害をリアルに感じ、意識が向上するトークをして下さいます。

そしてこの度、防火防災意識が向上した私は、この炎が鎮火しないうちにと、前々からホームセンターで見かける度に「重そうだしまあ今度でいいか~」といつも後回しにしていた、とあるものを購入致しました。
人生で初めて買いました。
皆さんのお宅にはありますか?ご覧ください、こちらです。


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そうです、消火器です。
近所のホームセンターで購入して玄関土間に置きました。



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訓練の最中、消火器の重要性についてセコムの方がお話下さっている間「どこに置こうか??コンロの下かな~」などとぼんやり考えていたところ、何か伝わったのでしょうか。すかさず「コンロの下になんか置いていたら、イザという時取り出せませんよ!」と大変的確なアドバイスが飛んできました。


ちなみに、もちろん伊丹十三記念館の館内にも消火器は設置しており、スタッフは皆消火器の位置をしっかり把握しています。



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イザという時がやって来ないに越したことはありませんが、備えあれば憂いなしとか、今後も訓練を重ねて知識を積み重ね意識を高め、一つずつ備えていきたいと思います。






スタッフ:川又

2020.10.19 天山(あまやま)お散歩ガイド

夏の間、「暑さをやりすごすことに専念」「運動は自重」などと言って、ぐうたらの限りを尽くしてしまいました。

すっかり秋らしくなった近頃は、後悔と反省の念を胸に、トコトコとウォーキングをしております。新米にサトイモ、糖質タップリの秋の味覚も存分に楽しみたいですものねぇ。


このところの記念館のお客様は、マイカーやレンタカーなど、お車でお越しになる方が以前にまして多いようです。

松山城や道後温泉といった観光の中心地から少し離れた記念館ゆえ、お車でのご来館がもっとも便利といえば便利ではありますが、せっかく松山郊外までおいでになったからには、ついでのお散歩はいかがでしょう。

 

 

20201019_amayamawalk1.JPG国道33号線・天山橋(あまやまばし)より撮影。
川付川(左)と小野川(右)の合流地点に記念館があります。

とりたてて珍しい自然に囲まれているわけではないのですけれど、記念館の周辺の川沿いをブラっとするだけでも、鯉が泳いでいたり、サギがたたずんでいたり、のどかな気分を堪能していただけます。

(たまに「どう見てもスッポン」としか思われない生物がカメにまじって甲羅干しをしているのを見かけますが、真偽を確かめたことはありません。『タンポポ』に"出演"したスッポンの子孫でしょうか...)

20201019_amayamawalk2.JPG土手にはコスモス。秋ですねぇ。

勾配のあるウォーキングコースや見晴らしのよいスポットがお好きな方には、天山神社がおすすめです。

20201019_amayamawalk3.JPG記念館から徒歩数分。住宅街の中に登り口があります。

(Googleマップなどでルート検索すると、こことは異なる

閉鎖中の登り口が表示されるようです。ご注意ください!!)

「おっ、拝殿が見えてきた」というあたりで左手に注目――

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――城山と松山のまちが見渡せます!

参道・境内の石碑や看板をお読みいただくと、お城や温泉だけではない松山の歴史にもふれられますので、ぜひお時間を長めにとっていらしてください。

20201019_amayamawalk6.JPG万葉集で有名な奈良の「天香久山」と天山とのご縁やいかに!?

かる~く汗をかく程度でも、体を動かすとサッパリと心地よくリフレッシュできますね。

体をあたためて免疫力アップ、冬に備えてまいりましょう。

学芸員:中野

2020.10.12 おすすめ「アイスドリンク」

記念館便りをご覧の皆さま、こんにちは。
だいぶ肌寒くなってきて、温かい飲み物がほしくなる季節がやってきましたね!カフェ・タンポポでも、9月の終わり頃から、ホットコーヒーをはじめとするホットドリンクをご注文いただくことが多くなってきました。

さてそんな秋冬の季節にも、このカフェで毎年変わらず人気な"アイスドリンク"があります。一年を通してたくさんの方からオーダーしていただく「愛媛みかんジュース飲み比べセット」です。

20201012-1.jpg愛媛みかんジュース飲み比べセット

カフェ・タンポポでご用意しているのは「愛媛みかん(温州みかん)」「清見タンゴール」「デコタンゴール」の3種類。それぞれのみかんの風味がそのまま味わえる、100%果汁のストレートジュースを飲み比べていただけます。

一度に3種類のみかんジュースを楽しめるこのセットは、旅行などで愛媛県外から来られた皆さまにはもちろん、愛媛県内の方にもたいへんご好評をいただいています。それぞれのみかんを味わったことがある方も、「一度に比べる」という機会は多くないようで、愛媛のお客様から「こんなに違いがあるんですね~」とお声をいただくことも少なくありません。

空調のきいた展示室でじっくり展示をご覧になったあとは、すっきりと飲める愛媛みかんジュースをぜひお試しくださいね。

また、このみかんジュースをたっぷり味わいたい!という方は、単品でもオーダーいただけます。ロンググラスでお出ししますので、ごくごくとお楽しみください。小さいお子さんにもどうぞ。

20201012-2.jpg愛媛みかんジュース単品

スタッフ:山岡

2020.10.05 伊丹十三の紹介する「スパゲッティの中で最も簡単なもの」とは?



世の中にはたくさんの種類のスパゲッティのレシピがありますが、『最も簡単なスパゲッティ』とは何かご存知ですか?


伊丹十三が自身のエッセイ『女たちよ!』の中で、数あるスパゲッティの中で最も簡単なものとして紹介しているのは「スパゲッティ・アル・ブーロ」です。

ちなみにブーロとはバターのことでつまり「バター・スパゲッティ」のことだそうです。



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『女たちよ!』はオンラインショップにて好評販売中。
こちらをクリック→ 『女たちよ!




最も簡単とは、一体どれくらい簡単なのでしょうか。
女たちよ!』の「スパゲッティのおいしい召し上り方」で伊丹さんが作り方を教えてくれていますので、ここで簡単にご紹介をさせて頂きます。


一 イタリー製のスパゲッティを買う。


一 なるべく大きな容れ物で大量のお湯を沸す。


一 塩を一摑み入れる。


一 煮えたぎっているお湯の中へスパゲッティを長いままで入れる。


一 アル・デンテに茹でる。


一 手早くお湯を切る。


一 バターを、湯気の立っているスパゲッティの中へほうりこんで手早くかきまわす。


一 あらかじめ熱しておいた銘銘の皿に取り分ける。


一 食べるさいには、チーズを粉状にしたものを存分にふりかけて食べるが、このチーズはパルミジャーノというチーズを自分でおろすのがよい。



ということです。

確かに簡単!

ちなみに麺をアル・デンテに茹でる方法に関しては、こちらも伊丹さんのエッセイ『ヨーロッパ退屈日記』の「スパゲッティの正しい調理法」も読んでみて下さい。



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『ヨーロッパ退屈日記』はオンラインショップにて好評販売中。
こちらをクリック→ 『ヨーロッパ退屈日記





という訳で、「冷蔵庫にパルミジャーノ、常備しているわ」という方がいらっしゃいましたら、早速作ってみてください。
伊丹さんは『女たちよ!』や『ヨーロッパ退屈日記』の中で、このアル・ブーロのアレンジレシピも教えてくれていますよ。
是非お読み頂き、チャレンジしてみて下さい。



スタッフ:川又

2020.09.28 『あげまん』と特報のご紹介

暑さ寒さも彼岸まで、とはよく言ったもので、やっと秋らしくなってきました。


毎月十三日の十三時は記念館で伊丹十三の映画を観よう!」、10月の作品は"イタミ式恋愛映画"こと『あげまん』(1990年)です。

「十三日の十三時~」と銘打ちつつ、13日が休館日の火曜に当たる月には翌14日に開催しております。来月は10月14日(水)が開催日となりますのでご注意ください。

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絢爛豪華な芸者の世界を舞台に描かれるのは、日本における「男と女」の関係性。
「男は女房を母親にして自分の不快を解決してくれる打出の小槌として扱う一方、女は夫を坊や扱いにすると気分がいい」――佐々木孝次さんとの共著『快の打ち出の小槌』(1980年、朝日出版社)などの例もあるように、この問題は監督デビュー以前からのテーマでした。

なんだかドロっとしたお話になりそうなテーマですが、これを一大エンタテインメントに仕立て上げるのが伊丹映画。

宮本館長と津川雅彦さんの名演技(監督曰く「絶好調のマストロヤンニとジャンヌ・モローで映画撮ってる気分でした」)が織りなす男と女の恋模様、豪華キャスト陣の存在感、たっぷりと堪能できる作品です。

10月14日(水)13時、常設展示室でお待ちしております!

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常設展示室での伊丹映画本編のご紹介は月一度ですが、「特報」映像は毎日ご覧いただけます。

映画館で上映が始まる前、今後の公開作の宣伝、すなわち予告編が流れますよね。その中でも、予告編の素材となる本編映像がまだないうちから告知を開始するためのものを「特報」と言います。
イメージカットや静止画に「タイトル」「メインスタッフとメインキャスト」「封切日」がバーンと出る、というふうに、短くシンプルなのが一般的な特報の作りなんですが、伊丹映画の特報では「監督自らが"出演"して、観客に語りかけながら最新作のテーマやツボを紹介する」という、大胆にして何とも伊丹十三らしい手法が用いられていました。

たとえば、『あげまん』の場合は――

ageman_tokuho1.pngこんにちは伊丹十三です。
今日はOLのマツノヨシコさんを芸者さんにしてみようと思います。

 
ageman_tokuho2.pngまず、羽二重をかぶせて白塗りのお化粧に紅をさし、

 
 
ageman_tokuho3.pngageman_tokuho4.png引き着を着せ帯は柳に結び、
高島田をのっけて芸者さんのできあがり
――やはり日本の伝統の女はよいなぁ!

 
ageman_tokuho5.png次回作『あげまん』は、芸者の世界を描く純愛物語でございます。
(ヨシコさんに)アナタも出るか
(ヨシコさん)ハイ!

伊丹映画の特報はBlu-ray(単品各4,700円+税 / BOXセット2種各23,000円+税)にも収録されていますので、お家でのご鑑賞の際には特典映像もぜひぜひご覧ください。

BOXセットⅠ・Ⅱ封入の「特典ディスク」ではなく、各作品のディスクのコンテンツとしてその作品の特報映像が収録されています。

ちなみに......監督が出演する『あげまん』特報は2種類作られていて、上記のものは3~9月、別バージョンのほうは10~2月に常設展示室でご覧いただけます。(『あげまん』Blu-rayには両方とも収録されています。)

特報映像を見ていると、宣伝にも工夫を凝らして楽しんだ、伊丹十三の監督ぶりが伝わってきます。どうぞお見逃しなく!

学芸員:中野

2020.09.21 原画もお楽しみください

記念館便りをご覧の皆さま、こんにちは。まだ暑い日が続いていますが、朝晩には少し肌寒さを感じるようになりました。夏の疲れが出始める頃ですので、皆さま、どうぞご自愛くださいね。

さて記念館に来られるお客様には、伊丹エッセイを読んだことがあるという方がたくさんおられます。
多くの方々に親しまれ、読まれ続けている伊丹さんのエッセイですが、その文章だけでなく、添えられたイラストもいい!という方がたくさんいらっしゃいます。

0921.jpg『女たちよ!』(新潮文庫)掲載の「二日酔いの虫」より

どことなくユーモラスなイラスト、緻密なイラスト等々。
ご存じの方が多いと思いますが、エッセイをより味わい深くする伊丹エッセイの挿絵は、イラストレーターとしても活躍した伊丹さん自身が描いたものが多くあります。伊丹エッセイを読むと、エッセイストとイラストレーター、両方の伊丹さんを一緒に味わえてしまうんですね。

ここ記念館には、そのイラストの原画がいくつか展示されています。伊丹さんは裏返した原稿用紙にイラストを描くことが多かったそうで、そんな原画ならではの感じもご覧いただけます。印刷されて書籍の中で文章と一緒に楽しむイラストと、また違った印象を持たれるのではないでしょうか?
記念館にお越しの際は、ぜひ原画もご堪能ください!

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常設展示室(六)イラストレーターのコーナー
(※2020年9月時点の展示です)

そして原画を楽しまれたら、グッズショップでマグネットや缶バッジ、ゴム印、Tシャツなど、伊丹さんのイラストを使用したグッズもご覧ください。もちろん記念館のオリジナル商品です!オンラインショップでもお求めいただけますので、ご興味のある方はチェックしてみてくださいね。

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オンラインショップはコチラをクリック

スタッフ:山岡

2020.09.14 しそとちりめんじゃこのサンドウィッチを作ってみました!


ある日のお昼休み。

私はお腹が減ったので伊丹十三記念館の南を流れる小野川を渡ったところにあるスーパーマーケット「セブンスター石井店」にお買い物に行きました。

買って来たのは、まずマヨネーズ。

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ちりめんじゃこにパン。


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そして決め手はコレです。しその葉っぱです。


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パンにマヨネーズを塗り、


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しそとちりめんじゃこをのせて、さあ出来上がり!


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はい、美味しいです。

この美味しさを、記念館便りをご覧の皆様にご報告いたします!




・・・という訳で、この度、先月「記念館便り」にてご紹介させて頂いた伊丹さん出演の「味の素マヨネーズ」のコマーシャルに登場する「サンドウィッチ」を実際に作ってみたところ、大変美味しかったので、伊丹さんのコマーシャル風にご報告させて頂きました。

マヨネーズとしそとちりめんじゃこ。
この組み合わせ。
それは美味しいに決まっています。



皆様も機会がありましたら作ってみて下さい。
そして繰り返しになりますが、伊丹さん作のこの『味の素マヨネーズ サンドウィッチ編(1985)』のコマーシャルもDVD『13の顔を持つ男』や記念館の常設展示室にて是非ご覧下さい。



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【写真はショップのDVD『13の顔を持つ男』売り場。
『13の顔を持つ男』には、味の素だけでなく一六タルト、西友、
ツムラなど、
伊丹さん制作のCMの数々が収録されています。】




0914cm.JPG【写真は常設展示室 十二「CM作家」のコーナー。
CM映像に加え、絵コンテやメモ、
ナレーション原稿等を展示しています。



スタッフ:川又

 

 

 

2020.09.07 『松山百点』掲載のご案内

『松山百点』2020年錦秋号で伊丹万作・伊丹十三・記念館についてご紹介いただきました。10ページもの大特集です!

伊丹十三との出会いから記念館設立までを語った玉置館長代行のインタビューも、2ページにギッシリ凝縮されています。記念館リピーターの方、まだの方、どちら様もぜひぜひお読みくださいませ。

20200907_hyakuten.JPG年6回、隔月(奇数月)発行です。

『松山百点』はA6判64ページの小冊子なんですが、松山や愛媛の町の歴史、偉人伝、産業、伝統工芸、おいしいもの、それらに携わっている方々のお話などなど、文化情報がギュッと詰まっていて、わたくし実は、毎号、愛読しております。(「送りたいね!松山のポストカード」のページがこのところのお気に入りです)

特集テーマが実に多彩でして、最近のものを挙げてみますと――

「お茶」「砥部焼」「地域の大学」「古道具屋」「鯉のぼり」「松山鮓」「とべ動物園」「夏祭り」

全国的に知られている名物・名所だけでなく、日常生活でおなじみのものも取り上げられていますよねぇ。「へえ、そうだったの~」と感心しながら読み終えると、「今度あのお店にいってみよう」「あの界隈は時々行くから次はちょっと寄り道してみよう」と、街歩きしたくなるんです。

表紙に「松山の伝統と文化の再発見」とあるとおり、松山の方が"わが町"への興味・理解を深めるのにうってつけの冊子であると同時に、「観光スポットをたくさん廻るよりも、ゆっくり歩いて町全体の空気や地元の人の生活を感じるほうが好きだな」という旅行者の方にも、大いにご参考になると思います。

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さて、この、気軽に手に取りフムフムと読める『松山百点』。どうすれば手に入るかと言いますと......なんと無料なんです!

発行元・松山百店会に加入しているお店や市役所・観光案内所・文化施設など(詳しくはこちら)で配布されていますので、見つけたら1冊もらっておきましょう。
何しろA6判ですから、かさばるものではありません。カバンに入れておけばさえ、電車やバスの中、何かの待ち時間、ティーブレイクのお供に、あるいはゴロゴロしながら、いつでもどこでもサッと取り出してフムフムできます。

ウェブ版ではバックナンバーも公開されています。
2020年錦秋号をお楽しみいただいた後は、ご興味のあるジャンルの記事を探してみてください。

20200907_yukuakiya.JPG― 行く秋や 手をひろげたる 栗のいが ―
『松山百点』でご紹介いただいた「伊丹万作の手作りかるた」は
企画展示室で秋の句の札8組をご覧いただけます。

学芸員:中野

2020.08.31 手書きのメッセージ

最近、テレビ番組やニュース記事などで、手書きの手紙や(絵)葉書を送る方が増えていると目にしました。

手書きの文字はそれだけでオリジナルですし、使用するペンや貼る切手、選んだ便箋や葉書のデザインからも、書いた人の人柄や表情が伝わってきますよね。そこに、気軽な対面でのやり取りが難しくなってしまっている現状も加わって、手書きのメッセージを送ろうと思う方が多くなっているのだそうです。デザインを選んで、書いて、投函して、配達されて――と時間を要しますが、確かに、送る側にも送られる側にも、手軽にメッセージを送りあえるメールやSNSとはまた違った楽しみがある気がします。
この便りをご覧の皆さまの中にも、この夏、手書きの暑中お見舞いや残暑お見舞いを送ってみた、もしくは受け取らたという方がいらっしゃるのではないでしょうか。

さてそんな手書きのメッセージを送るグッズとして、記念館ではポストカードと一筆箋があります。
 
 
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 ポストカード売り場
 
一例ですが、以前ショップで、「友人にすすめられて観た映画『タンポポ』が面白かったので、これに感想とか書いて送ります!」と仰って『タンポポ』の映画ポスターをプリントしたポストカードを買われたお客様がいらっしゃいました。早速その場でメッセージを書き込んでおられましたが、そんなポストカードを受け取るのも楽しそうですね!
 
映画ポスターや伊丹さんの写真、描いたイラストなどデザインをいろいろ取り揃えていますので、ご自分の気に入った、また、相手の方の反応を想像しながら選んだポストカードで、手書きのメッセージを送ってみるのはいかがでしょうか。 
 
また、可愛らしいタンポポがプリントされている一筆箋は、ちょっとした一言を伝えるのにおすすめです。優しい手触りのアラベール紙を使っており、厚手の紙ということもあって2つ折りにしてカードとしてもお使いいただけます。
同じくタンポポ柄の封筒もございますので、ぜひ日常でやり取りする物や書類に添えてみてください。
 
 
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 一筆箋と封筒
 
どちらもオンラインショップで取り扱っていますので、ご興味のある方はチェックしてみてくださいね。
 
スタッフ:山岡

2020.08.24 味の素マヨネーズを使った簡単レシピをご紹介します


本日は、夏にぴったりのとある簡単レシピをご紹介します。


「まずマヨネーズ、ちりめんじゃこにパン。そしてなんと言っても決め手はコレです。しその葉っぱね。
パンにマヨネーズを塗り、しそとちりめんじゃこを手巻きにしてパクリ。」


簡単!


これは実は伊丹さんが出演していた「味の素マヨネーズ」のコマーシャルの一部です。


 

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【「味の素マヨネーズ サンドウィッチ編」(1985年)】

 


伊丹さんがお友達と長電話をしながらこの手巻き風サンドウィッチを作り上げるという設定のコマーシャルで、電話しながらあちこちに移動し、この料理を片手でちゃちゃっと作り上げ、最後に「電話の向こうの友人は私のこの快挙にまだ気が付いていない。」と締めくくります。



電話をしながらできるぐらい簡単手軽に美味しそうな料理を紹介されると「じゃあ作ってみようかしら」から「じゃあ味の素マヨネーズを買ってこようかしら」となりますよね。



このCMは記念館の常設展示室でもご覧いただけますし、DVD「13の顔を持つ男」にも収録されています。機会がありましたら是非ご覧下さい。撮影は数々のCMの舞台となった湯河原の住まいです。


そして、しそとちりめんじゃこのサンドウィッチも是非作ってみて下さい。

 

スタッフ:川又

2020.08.17 冷蔵庫と伊丹十三

先日、自宅のエアコンがウンともスンとも言わなくなりました。本体に貼られたラベルを見ますと「98年製」。まあ、天寿をまっとうしたと言えるでしょうか。

20200817_cicada.JPGちょうどその頃、記念館の庭ではセミの羽化ブームが
最盛期を迎えておりました。この写真の中だけで8匹分の抜け殻!

日に日に勢いを増す猛暑に弱り果てながら、何とはなしに部屋を見渡しますと、我ながら物持ちがいいと申しますか、単なる無精の積み重ねと申しますか、エアコンに負けず劣らずの年代物家電がそこここに。学生時代に買ったり貰ったりして、そのまま使い続けてきたものばかり。
「壊れてないから買い替える理由がない」と、未だにブラウン管テレビが現役だったりもするのですが、エアコンの次は、一番長く付き合ってきた冷蔵庫が寿命を迎えそうな気がしています。
あれは1997年の春......大阪日本橋のでんでんタウンにわざわざ出かけて行って、悩みに悩んで買ったんだったなぁ......

冷蔵庫といえば、70年代、ナショナルの冷蔵庫のCMに伊丹さんが出演していました。
その「語り」が面白いので、ちょっとご紹介します。

エー、明治5年、横浜の中川屋嘉兵衛という肉屋さんが、富士山から氷を運ぼうと決心した。

一体なぜそんなことを思い立ったかと申しますと、つまり、明治になって日本人は急に肉を食べ始めたわけです。ところがネ、肉というのはすぐに腐るでしょう? 肉を保存するためにはどうしても氷が必要である。

ところが、氷というのは当時はなかなかの貴重品で、驚くべし、何とアメリカのボストンから輸入していたというんだからたまげてしまう。
ボストンから、と口で言うのは易しいですけれども、ボストンから大西洋を渡って喜望峰をまわりインド洋を越えてやってくるというのだから、これはただごとではない。

そこで、中川屋嘉兵衛は富士山の氷に目をつけたわけです。富士山の氷穴から切り出した天然の氷を、馬の背中にのっけて一路横浜へ到着。さあ、開けてみよう!
......大失敗。

その後、中川屋嘉兵衛は函館五稜郭の氷を運び出すことに成功。
めでたく氷会社を開くわけですが、ものを冷やして貯蔵する、たったこれだけのことにも並々ならぬ苦闘の歴史があったのであります。

そして今、ナショナルのビッグ。
これはもうあなた、自分の家に富士山が一個あるのと同じヨ。

ナショナル冷凍冷蔵庫ビッグTV-CM「冷蔵庫のルーツ」篇
(1977年・テレビマンユニオン制作)より書き起こし

これは、アメリカの大ヒットドラマ『ルーツ』の日本放送に合わせて制作された、特別版の長編CMなんだそうです。ドラマに合わせてCMタイトルも「冷蔵庫のルーツ」。"再現ドキュメンタリー"仕立ての映像に実況風の語りを重ねる伊丹十三お得意の手法が冴え、ACC CMフェスティバルの秀作賞を受賞しました。

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常設展示室「十二 CM作家」のコーナーには、映像とともに、このCMのための制作メモを展示しています。完成形のCM映像とメモの違いを見比べたりすると、伊丹さんの工夫ぶりなども想像されて、いっそうお楽しみいただけると思います。
ぜひご注目ください。

まだしばらくは暑い日が続くことと思われますが、ヒグラシやツクツクホーシの声も聞こえてくるようになりました。あと一息、適宜涼みながら過ごしていきましょうね。(※我が家のエアコンは大家さんの思し召しにより新品に交換されました)

記念館限定販売のDVD『13の顔を持つ男-伊丹十三の肖像』(税込3,300円)には、ナショナル冷蔵庫のシリーズ以外にも、遊び心あふれるCM映像が多数収録されています。伊丹十三の愉快なCMを何度もご覧になりたい方、ご遠方で来館の難しい方、どうぞご検討くださいませ。

学芸員:中野

2020.08.10 ゴム印

記念館便りをご覧の皆さま、こんにちは。
各地で梅雨明けしてから暑さも本格的になってきました。外出されるときはもちろん、屋内でも、くれぐれもお気を付けてお過ごしください。

さて、皆さまはふだん、ゴム印やスタンプを使いますでしょうか。

私は主に仕事で使用することが多く、そのため「ゴム印、スタンプは紙(紙製のもの)に押す」というイメージを持っていたのですが、世間では紙以外に布やプラスチック、金属、木材などなど、いろいろなところにゴム印やスタンプが押せるスタンプ台やインクがあるそうですね。
記念館のショップでもゴム印を販売していて、お買い上げくださるお客様から、例えば保育園に通うお子様のお弁当箱やハンカチ、プラスチック製の空き容器、小さな花瓶などにスタンプを押してみます、というお話をうかがったことがあります。

手紙や葉書、手帳、メモ、封筒のとじ目などに押すという使い方も重宝しますが、紙以外のものに押せると使い方の幅がさらに広がりますよね。すでに実践なさっているという方も多いと思いますが、「へぇ、そういう使い方もあるのね」と思われた方は、いろいろなゴム印やスタンプを、いろいろなところに押してみるのも面白いかもしれません。

記念館で取り扱っているゴム印は、デザインが10種類、サイズ違いを含めると12種類あり、伊丹さんが描いたイラストなど「伊丹十三記念館ならでは」の柄が揃っています。日常で使うちょっとしたものに、記念館のゴム印でワンポイント加えるのはいかがでしょうか?

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記念館ショップは入口から入ってすぐのところにあり、お近くを通られた際のお買い物だけのご利用も大歓迎です!また、オンラインショップでも取り扱っていますので、ご興味のある方はぜひチェックしてみてください。

スタッフ:山岡

2020.08.03 伊丹さんの子供時代の研究や日記などをご覧下さい


 先週末から松山では多くの小学校が夏休みに突入したようです。


 毎年夏休みの自由研究の課題等に伊丹さんを選ばれる児童さんや学生さんも多い様子で、鉛筆を片手に真剣に展示をご覧下さる方々をお見かけする季節となって参りました。


 さて、夏休みの課題に取り掛かる皆さまに是非ともご覧頂きたいのが、伊丹さん自身の子供時代の研究や日記や観察ノート等の数々です。
 常設展示室の「一 池内岳彦」のコーナーには「え、これ、小学●年生の時のもの??」と驚くような内容の品々が並んでいます。
 「伊丹十三記念館ガイドブック」にも小学2年生の時の「朝顔日記」をはじめとする子供時代の研究や日記などを一部掲載しています。

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【伊丹十三記念館ガイドブック 朝顔日記の最終ページと裏表紙の画像。

最後のページまで美しく仕上げているところが印象的です。】

 

 これらを見ると、伊丹さんが賢い子供であったということはもちろんですがそれに加えて、ノートはきちんと整理されていてとても見やすく、装丁なども美しくされていることにも驚きます。
 几帳面な性格が見て取れるところと、最初から最後までムラなく全体的にバランス良く仕上がっているところもとても印象的です。


 ご覧いただくと伊丹さんに触発されてより良い課題が出来上がるかと思いますので、ご来館の際には「一 池内岳彦」のコーナーをお見逃しなくご覧下さい。

 

スタッフ:川又

2020.07.27 Tシャツ

7月も終わりに近づき、松山では日を追って暑さが本格的になっています。皆さまがお住まいの地域はいかがでしょうか。

暑さ厳しい夏の必須アイテムといえば、Tシャツ。毎年夏に新調なさる方も多いことと存じます。
記念館のグッズショップでは、オリジナルTシャツを販売しております。

20200727_1.JPGグッズショップ Tシャツコーナー


伊丹さんが描いたイラストをプリントしており、デザイン・カラーなど宮本館長がこだわって作った商品です。男女問わず幅広い年齢のお客さまからご好評いただいているんですよ。たとえば、こちら――

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伊丹エッセイの中でもよく知られる「二日酔の虫」(『女たちよ!』収録)の挿絵をプリントしています。「二日酔の虫」は、文章とともに挿絵が印象に残っているというお客様も多く、「このイラストのTシャツがあってうれしいです」とお声をかけていただいたこともあります。

今年2月に販売を開始した、こんなデザインのTシャツもあります。

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エッセイ「ネコノ眼ハナゼ光ルノ?」(『問いつめられたパパとママの本』収録)の挿絵をプリントしたものです。3匹の猫の表情が、とてもいいですよね。生地のカラーがネイビー(濃紺)で、白や黒と同じように着まわしやすいのもポイントです。

オリジナルTシャツに使用しているイラストは、他に「スパゲッティの正しい食べ方」(『ヨーロッパ退屈日記』収録)があります。イラストごとにカラー展開が異なりますので、店頭でお手に取ってみてくださいね。

今年も猛暑になりそうです。皆さま、くれぐれもご自愛くださいませ。

スタッフ:淺野

2020.07.20 "十三"日は映画の日です!

梅雨明けを待たず蝉の声が聞かれる松山です。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

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伊丹十三の脚本監督作品を常設展示室でご覧いただける「毎月十三日の十三時は記念館で伊丹十三の映画を観よう!」、今年も開催しております。

先日7月13日(月)には『マルサの女』(1987年)をお目にかけました。

開催日には、あらすじ・スタッフ・キャスト・公開データなどをまとめたミニ解説(A4二ツ折り)をお作りして、ご来館くださったお客様にお配りしているのですが――

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展示室に関連資料が出ているときは、こんなご紹介も載せています。

20200720_marusa_commentary.jpg『マルサの女』ミニ解説(20年7月13日配布分)

『マルサの女』の撮影台本に関する部分を書き出してみましょう。

撮影から完成まで伊丹十三が使用した台本を常設展「十三 映画監督」に展示中。カット割りに関する書き込みが多数見られる、パチンコ屋訪問の場面のページをご覧いただけます。このシーンでは、順光と逆光を利用して税務調査官と脱税者の攻防が巧みに表現されていますが、「優位に立っている者を逆光で/劣勢なほうを順光で捉える」という方法は、撮影当日の朝、寝床の中で考え付いた妙案だったのだそうです。

「優位に立っている者が逆光」ということに、一瞬「ん?」と感じられると思うのですが、この場面を本編で見てみますと、光を背負って(光源のある側に立って)いる姿や、顔が暗く表情が読み取れないことが、たしかに「優位」の表現になっているのです。

次に、実際の展示資料、すなわち「伊丹十三が現場で使用した台本の実物」をご覧いただきますと、

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カメラ・俳優の配置図などとともに「逆光」「順光」という書き込みが見られます。
キャラクターの力関係とその展開を視覚的にあらわすためのものだったと分かって見ると「なるほどなぁ~」となりますね。

せっかく記念館で伊丹映画をご鑑賞いただくからには、展示と併せてご覧いただくことで楽しみがいっそう深まるようでなければ、と心掛けております。映画本編の前、後にも、展示室で関連資料をご覧いただくお時間を確保して、ぜひゆっくりとお越しください。

「毎月十三日の十三時は記念館で伊丹十三の映画を観よう!」は5月と8月以外の毎月13日、13日が火曜日にあたる場合は翌14日水曜日に開催しています。

次回は、マルサも敵もグレードアップのシリーズ第2弾、板倉亮子と仲間たちが巨大脱税組織に挑む『マルサの女2』(1988年)。

8月は開催がございませんので、9月13日(日)、ミニ解説を作ってお待ちしております。さて、どんな情報を盛り込みましょうか!

学芸員:中野

2020.07.13 ブルーベリーのメニュー

記念館便りをご覧の皆さま、こんにちは。

6月20日に営業を再開させていただいたカフェタンポポで、この度、「豆乳ブルーベリー」を開始いたしました。

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ブルーベリーのさわやかな酸味・甘味と、豆乳のまろやかさが相性よくミックスされたドリンクです。上にはミントの葉っぱをのせてお出ししています。
毎年この時期から期間を限定してご提供しており、世代を問わず多くの方にご好評いただいている人気のメニューです。

そして今回は、ブルーベリーつながりでもう一つ。
季節のケーキが「イチゴのタルト」から「ブルーベリーのタルト」にバトンタッチいたしました!

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ブルーベリーの藍色が見た目にもさわやかなタルトです。
季節のケーキは召し上がっていただく時期によって種類が変わりますので、ブルーベリーがお好きな方はこのタイミングにいかがでしょうか。

上記でご紹介した以外に、オリジナルしょうがシロップを使った「ジンジャーペリエ」や「ゆずジンジャーペリエ」も、さっぱりとした後味で暑い季節には特におすすめですよ。

展示をじっくりご覧いただいた後のひと休みにどうぞ。

スタッフ:山岡

2020.07.06 伊丹家の育児の基本方針とは?

先日、ネットニュースで「幼少期に親に嘘をつかれて育った子供は、大人になると社会的適応が困難になる可能性」という記事を見かけました。
親が子供に言うことを聞かせるために嘘をついていると、成人後も悪影響を受け続ける可能性があるという研究結果について書かれた記事です。


子供に言うことを聞かせるために、小さな嘘をつくというのは割とよくある話だと思うのですが、この研究によりますとそれは子供にとって将来的には大変よろしくないことのようです。親の嘘をつく不正直な行動が、子供の信頼を損なうことになるということです。


私はこの記事を読んで真っ先に、「問いつめられたパパとママの本」のあとがきを思い出しました。このあとがきには、伊丹家では子供に「絶対に嘘をつかぬ」という方針をもって育児をしていたということが書かれていたからです。きっと「問いつめられたパパとママの本」を読んだことがある方の中には、同じことを思い出された方も多いのではないではないかと思います。


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「問いつめられたパパとママの本」はオンラインショップでも取り扱いをしております。

こちらをクリック→  問いつめられたパパとママの本

あとがきを一部ご紹介いたします。



「たとえば、私のところへ子供連れで遊びにくる親たちというのが、見ていると相当子供に嘘をつくんです。実に、つかなくてもいいような、下らない嘘を連発する。
たとえば子供が電話機で遊ぶ。初めは親は面白がって眺めております。けれども、やがて子供が受話器を外したりダイヤルを弄ったりし始めると、やはり、子供から電話を取り上げざるをえなくなるでしょう、こういう時に嘘が出るわけなんです。できるだけ摩擦を避けたいという、日本人特有の心情なのか、自分が憎まれ役をやりたくないという気の弱さなのか、
「ホーラ、電話はもうおしまいね、ツトムクン、ホーラ、電話もう壊れちゃった。ハイ電話もう聞こえなくなっちゃったから、あっちへポイしちゃいましょう」
こういう嘘を、何の疑いもなくつるつるといっちゃう。なんで本当のことをいわないのか。親が真剣になって説明すれば、子供は、理屈は判らぬまでも、親の真剣さに何事かを感じるだろうじゃないですか、それが親子というもんじゃないですか。コミュニケイションを信じよう。いや、コミュニケイションを信じざるをえないという、人間のありようそのものを素直に認識し、これをもってわが家の基本方針としよう。」

『問いつめられたパパとママの本』(中央公論新社)あとがき

 

この「親が真剣になって説明すれば、子供は、理屈は判らぬまでも、親の真剣さに何事かを感じるだろうじゃないですか」という部分がなんだかすごく説得力がありませんか? この真剣になって説明する労力と時間を省くために、親は子供に嘘をついてしまうんですよね。


また
「そもそも、絶対に嘘をつかぬ、と親が自ら思い定めることによって、子供に対する態度が真摯ならざるをえぬところに追いこまれるという、この副次的効果がまた馬鹿にできない。」

『問いつめられたパパとママの本』(中央公論新社)あとがき

 

とも言っています。


目先の自分の利益にとらわれて子供に嘘をつくことのデメリットと、子供に真摯な態度で向き合うことの重要さを、伊丹さんは40年以上も前にわかっていたのですね。
このあとがきは皆様にできれば全文読んで頂きたいと思います。お時間がおありの際に、是非どうぞ。


スタッフ:川又

2020.06.29 手拭いとともに

ここ数か月、意識して手を洗うようになりました。
感染症対策として正しい手順で行う衛生的手洗いの重要性を知り、「こまめに丁寧に」を意識しながら洗っています。基本的な感染症対策を続けていくことは大切ですよね。

こまめな手洗いが習慣になってから、あらためて気づいたのが手拭いの使い勝手の良さです。かさばりませんし、洗濯に強く乾くスピードが速いので梅雨どきでも安心して使えます。
一時マスクが品薄だった頃には手拭いでマスクを作れると知り、なるほど!と膝を打ちました。
手拭いは色や柄が豊富で遊び心あるデザインのものも多く、使うほど風合いが増して愛着が沸くのも魅力ですね。実用性が高いだけでなく暮らしに彩りをそえてくれる、うれしいアイテムです。

ちなみに、わたしが使っている手拭いの中でお気に入りのひとつが、こちらの空色の記念館オリジナル手拭いです。

2020.0629_01.jpg空色捺染手拭い


使い勝手がよいのに加えて、さわやかな空色がパッと心を明るくしてくれる点も、とても気に入っています。

記念館のオリジナル手拭いには、空色以外に「黒色捺染」「白色ピンク柄捺染」のカラーバリエーションがあり、オンラインショップでもお求めいただけます。

2020.0629_02.JPG20200629_03.JPGお気に入りの手拭いたちとともに、これからもこまめな手洗いを続けたいとおもいます。

スタッフ:淺野

2020.06.22 カフェ・タンポポの営業と十三饅頭の販売を再開しました

皆様、大変長らくお待たせいたしました。
6月20日(土)、2ヵ月ぶりにカフェ・タンポポの営業を再開いたしました。

20200622_cafe.JPGお客様同士の間隔確保のため、当面の間
お使いいただけるお席を減らしての営業となります。
何卒ご了承くださいませ。

ミュージアムって、ずっと立ちっぱなしだったり、脳にいろんな刺激を受けたりするので、結構くたびれるんですよね。そして、たいていの施設で、順路の中の「少し休憩したいなぁ~」と感じるあたりに、うまい具合にカフェが配置されているものなんですよねぇ。まるで峠の茶屋のように。

我らが"峠の茶屋"カフェ・タンポポは、常設展示室・企画展示室をご覧いただいた後のナイスなタイミングで出現します。

20200622_chocolatecake.JPGご来館の記念に「伊丹十三記念館の形」のケーキ(税込330円)などいかがでしょうか。
小さめですが、チョコレートたっぷりの贅沢なお味です。

カフェ・タンポポは入館者専用ですので、ゆったりとお過ごしいただけます。
展示をご覧いただいた後のひと休みに(展示室ご入室前でも途中でも!)、ぜひご利用ください。


また、記念館限定販売の「十三饅頭」(7個入り・税込756円)も、同じく6月20日(土)より入荷・販売を再開しております。

開館以来の看板商品ですから、ひさしぶりに店頭に並んだ姿を見て「お帰り!」と声をかけたくなりました。

20200622_manju.JPG四国名菓・一六タルトでお馴染みの一六本舗さんによる
甘さ控えめのこし餡入りの茶饅頭です。
記念館の建築をイメージしたパッケージもお土産に最適!

カフェ・タンポポは入館者専用ですが、グッズショップでのお買い物はご入館でない方もお楽しみいただけます。
記念館にしかない十三饅頭、自分用の嬉しいおやつに、遠方のお友達へのちょっとした贈り物に――改めまして、これからもどうぞよろしくお願い申しあげます。オンラインショップでもお求めいただけます!

 

学芸員:中野

2020.06.15 4711オーデコロン

記念館便りをご覧の皆さま、こんにちは。
梅雨の時期になりましたね。気温も湿度も高くなってきましたので、日々、くれぐれもお体に気をつけてお過ごしください。

さて暑い季節、お客様が手に取られることが特に多くなる記念館ショップ商品の一つに、「4711オーデコロン」があります。

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4711オーデコロンは「オーデコロン」の名前の由来になったといわれる、世界で最も歴史のあるオーデコロンです。
1792年にドイツのケルンで「不思議な水」として誕生して「オーデコロン(ケルンの水)」の名で世界中に広まり、200年以上経った今もなお、世代や性別を問わず多くの方々に愛されています。
皆さまの中にも、実際に使われたことがあるという方がたくさんいらっしゃると思いますが、伊丹さんもこのオーデコロンを愛用していたんですよ。

 

記念館ショップで販売しているのはスプレータイプの「4711オーデコロン ナチュラルスプレー 60ml」です。つけたての香りはすっきり爽やかなシトラス。日常使いはもちろん、仕事や勉強の合間に気持ちをリフレッシュしたいときなどにおすすめですし、また、寝る前のリラックスタイムに使われる方もいらっしゃるそうです。

 

 

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ご自分用、プレゼント用として1年を通じてご好評いただいている商品ですが、暑い時期には「爽やかな香りで気分転換をしたい!」とより多くのお客様がお買い求めくださいます。
その香りを体感いただけるよう店頭ではテスターをご用意していますので、ご来館の際はぜひお試しください!



スタッフ:山岡

2020.06.08 植木の剪定

新型コロナウイルス感染拡大防止のための臨時休館中、記念館の植木の剪定作業を行いました。

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伊丹十三記念館には、桂、ヤマザクラ、ヤマボウシ、トサミズキ、ユキヤナギといろいろな種類の植木を植えているのですが、この度、そのすべての木々を剪定していただきました。
以前記念館の外壁の塗装をして頂いた時にも感じたのですが、現場の仕事を目の当たりにするとスケールの大きさとスピード感に圧倒されます。


 

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あっという間に全ての木々は刈り込まれ、さっぱり整いました。 



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先週の記念館便りでもお伝えしておりますが、ヤマボウシが本当にきれいな時期で、剪定されて落ちていた枝があまりに美しく、植木屋さんにお願いして貰って帰りました。

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最後に、肥料も仕込んでいただき、終了です。


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こちらは、正面のヤマザクラです。左が剪定前、右が剪定後です。随分すっきりしたのがお分かりいただけますでしょうか。

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このようにその時々にできることをしながら、植木もスタッフも準備万端でみなさまをお待ちしています。


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 ご来館の際にはきれいに剪定された木々もぜひご覧下さい。

 

 

スタッフ:川又

2020.06.01 『伊丹十三の映画』

この春、新作映画の公開延期や映画館休業といったニュースを何度か目にしました。
こういった状況ですから、映画館に足を運ぶ代わりに、これまでに公開された映画を自宅でご覧になった方も多いのではないでしょうか。伊丹映画をチョイスなさった方もいらっしゃることと存じます。

印象深い映画を観たあとは、その映画や監督にまつわる関連書籍などを読みたくなりませんか。そんなときにおすすめしたいのが、『伊丹十三の映画』(新潮社/「考える人」編集部 編/2007年)です。

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『伊丹十三の映画』には、出演俳優・関係者・スタッフなど、伊丹映画に関わった方々が当時を思い出しながら伊丹十三や伊丹映画について語ったインタビュー(総勢43名)が収められています。
監督自身のロングインタビュー(書籍『「お葬式」日記』に収録されたものの再録)もお読みいただけますよ。インタビューの中には、こんなことばがあります。


"われわれは映画を半分しか作れない。そして、残りの半分の完成を観客の配慮にゆだねるため、観客の自由に対して映画を作る、ということです。"


一度読むと忘れられないことばです。
読み応えのある一冊ですので、映画とあわせてぜひお手に取ってみてください。
伊丹十三記念館のオンラインショップでも取り扱っております。



記念館の庭では、ヤマボウシの花が咲きました。
外出時に目に入る樹木や花のうつくしさに、これまで以上に心動かされますね。

20200601_2.JPG20200601_3.JPG皆さま、どうぞご自愛専一にお過ごしくださいませ。

スタッフ:淺野

2020.05.25 おうちで伊丹十三・応用編

5月も下旬となりました。

例年ならば、3月から5月かけては行楽にもってこいの季節。どなた様も、春の日差しや初夏の風を全身に浴びたい気持ちをグッとこらえ、お出かけを我慢して、ご自宅でお過ごしになられたことでしょう。
GW前からしばらくの間、「おうち時間」なんていう言葉がSNSのトレンドワードになったりもしましたが、「今後もお出かけは見送ろう、おうち時間継続」という方はまだ多いことと思います。

でも「伊丹さんの本は全部読んだ、映画も全部見ちゃったよ!どうすればいいの?」という方、あるいは、「今は、本を手に取ってページをめくったり、2時間ばかり映画を見続けたりするだけの心の余裕は持てなくて...」という方も少なからずいらっしゃるはず――

そんなときは「伊丹エッセイに出てくる作品にふれてみる」という楽しみかたはいかがでしょうか。

本日は「音楽」、特に「バッハ」をお勧めしたいと思います。

20200525_2musicmania.JPG常設展示室「二 音楽愛好家」のコーナー。展示されている
レコードの中には、もちろんバッハもございます。

ヨーロッパ退屈日記』(1965年)収録のエッセイ「最終楽章」に、松山で過ごした高校時代の音楽体験を綴ったこんな一節があります。

その頃、町にアメリカ文化センターというものがあった。アメリカの図書やレコードを無料で貸し出してくれる。わたくしはバッハ気違いの友人と二人で、気に入ったレコードを数十枚一挙に借り出してしまった。期限は七日間であったが、七日目ごとに返しにいって、その場でまた借り出してしまうから、これらの数十枚のレコードはわたくしがこの町を去るまでの二年間、常に手元にあったのである。
(中略)
 バッハ気違いの友人は蓄音機を持たなかったから時を選ばずにわたくしの下宿に出現してレコードをかけるのであった。
 ある日、わたくしがうたた寝をしていると夢の中でいとも精妙な弦楽の響きが聴こえてくる。これはまさしく天上の音楽である、とわたくしは思った。
枕もとにバッハ気違いが坐りこんでバッハを聴いていたのである。わたくしが目を醒ましたのを見ると、彼は、その長い指で蓄音機を軽く叩いて拍子をとりながら「やあ」といった。
 シャコンヌの中のアルペジオが今や高く高く鳴りわたり、窓辺には、彼の持ってきたらしい百合の花が、化学実験に使うフラスコに挿して活けてあった。窓の外の空はあくまでも澄み、透きとおった風が部屋一杯に渦巻いていた。

「最終楽章」『ヨーロッパ退屈日記』(新潮文庫)より

「いとも精妙な弦楽の響き」「まさしく天上の音楽」と評されている「シャコンヌ」は、5つの曲からなる「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ ニ短調 第2番(BWV1004)」の中の1曲です。これを聴いておりますと、心が鎮まり、整い、静かなまま高まってゆくのを感じます。


何かしながらの気分転換にもなります(音楽のいいところですね~)し、エッセイの中の伊丹少年と同じくうたた寝しながら聴くのも最高(至福のひととき!)、古今東西のヴァイオリニストの演奏を聴き比べたりすると、なおいっそう楽しめます。

20200525_6illustrator.JPG臨時休館の間に、常設展示の一部入れ替えを行いました。
「最終楽章」の挿絵原画もご覧いただけます。

先に挙げたエッセイ「最終楽章」の続きでは、バッハの曲は、ほかに

  • 無伴奏ヴァイオリン奏鳴曲の二番のパルティタのアルマンド、ジーグ(BWV1004)
  • ヴァイオリン協奏曲ホ長調(BWV 1042)
  • 二つのヴァイオリンのための協奏曲(BWV1043)

が登場しています。

伊丹さんと一緒にレコードを聴く気分で、ぜひぜひお試しくださいませ。

心の落ち着かぬ情勢は長く続きそうですが、このたびの新型コロナウイルスはあの手この手で変異していくものだそうですから、人間もあの手この手でリラックス&リフレッシュして、心を強く豊かに保ち、免疫力を高めて過ごしてまいりましょう。

そして、「安心してお出かけできるようになったぞ」と思えるときが来ましたら、きっと伊丹十三記念館へお越しください。スタッフ一同、ずっとお待ちしております!

学芸員:中野

2020.05.18 エッセイのレシピ

2020年5月15日、伊丹十三記念館は開館13周年を迎えました。
2007年のオープン以来、支えてくださった多くのお客様や関係者の方々に、心より御礼申し上げます。
これからも、伊丹十三記念館をどうぞよろしくお願いいたします。

宮本信子館長より、開館13周年記念のメッセージ

しばらくお休みしておりました記念館便りも再開させていただくこととなりました。
伊丹さんのこと、記念館の最新の情報や近況、日々のちょっとしたこと等々を皆さまにお伝えしていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

0518-1.png現在の中庭の桂。新緑のきれいな季節になりました

さてここ記念館に来られるお客様から、エッセイスト・伊丹さんの著書を読み、書いていることを真似してみた・試してみたというお話をよくうかがいます。
これまでもいくつかご紹介してまいりましたが、以前、特に「料理」のレシピを試しているという中学生の女の子が来館されたことがありました。
「料理通」の顔も持っていた伊丹さんのエッセイには、料理やそのレシピを紹介しているものが数多くあります。お母さんの愛読書である『女たちよ!』(新潮文庫)を読み、お母さんと一緒にそのレシピをいろいろと作ってみたそうで、以下2つが「大のお気に入り」なのだと話されていました。作り方の部分を、『女たちよ!』からご紹介しますね。
ひとつはカルボナーラです。エッセイ「深夜の客」より引用しますと――

 スパゲッティを大きな鍋で、できるだけ大量のお湯で茹でる。スパゲッティはすかっとした歯ざわりが身上であるから決して茹ですぎてはならない。
 ベーコンを小さく切って、ベーコンが油と分離してかりかりになるまで炒め、これを油ごとあらかじめ暖めた大きな鉢に入れる。一人一個くらいの割りで卵をとき、その中に胡椒挽きで黒胡椒をがりがり挽いて入れる。
 さて、これで準備完了、仕上げは瞬間的である。すなわち、スパゲッティのお湯を手早く切り、まだ熱くて湯気の出てるやつを、ベーコンを入れた鉢にどっとあけ、卵をざぶりとかけてかきまわす、これでよい。
 卵が少なすぎると卵がそぼろ風に固まってうまくないから注意を要する。
 食べる時にはパルミジャーノというチーズを、スパゲッティが見えなくなるくらい振りかけて召し上れ。

もうひとつは「スパゲッティの裏に伏兵あり」に紹介されている「ズッパ・ディ・ヴェルドーラという、すなわち野菜スープ」です。

 

 

まず、野菜を賽の目に切る。野菜はじゃがいも、人参、玉葱、それにセロリを使う。スープ鍋で、細かく切ったベーコンを炒め、これに野菜を加えてざっとかきまわし、野菜が軟くならぬうちに水を加え、塩胡椒し、あとはとろとろと煮込むだけのことである。ただし、野菜の形がなくなってしまうまで煮てはよくない。やはりじゃがいもや人参の小さな賽の目がごろごろしていないとおもしろくないのである。
 どうも例によって簡単すぎて恥ずかしいような料理であるが、味は私が保証する。パルミジャーノというチーズをおろしたものを大匙三、四杯も振って食べるのであるが、熱くてよし冷くてよし、朝食によし、深夜飲みあきて、ちょっとひと休みという時によし、保存はきくし、こんな便利なものはない。

 

0518-2.png『女たちよ!』(新潮文庫)

ご興味のある方はぜひ挑戦してみてください。

スタッフ:山岡

2020.05.15 開館13周年!

 

 

5月15日・伊丹十三記念館は

 

13周年を迎えました!

 

 


          5月15日は伊丹十三の誕生日です。

          もし、生きていたら、なんと、伊丹十三87歳!

 

          13日から開館できると聞き、嬉しかったです。

          残念ですが、私は東京から動けません。

 

          いつもなら受付に立ち、お客様をお迎えする楽しさを

          今年は我慢するしかありません。

 

          日常の...特別はなくてもいい。

          何でもない普通の生活が、いかに大切であるかを思います。

          今が最悪で、あとは皆で力を合わせていけば

          必ず取り戻せますもの!私は信じています。

 

          そんな事とは別に、中庭の桂の木や庭の草々が...

          いつもと同じで~~頼もしい!

 

          私は不在ですが...その日を待ちます。楽しみに!

          是非、お逢い致しましょうね!

 

          どうぞ、5月の青い空の下を、記念館の中庭で

          お過ごし下さいませ~~気持ちいいです!

          スタッフ一同、お待ち申し上げます。

 

          最後に。皆様、お身体御自愛下さいませ。

          転ばないように~~又~~!

 

                                   感謝
                                   宮本信子

                    

2020.04.20 記念館便りの更新につきまして

4月20日(月)、27日(月)、5月4日(月)、5月11日(月)は「記念館便り」の更新をお休みさせていただきます。

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2020.04.13 春の伊丹十三記念館


季節はすっかり春ですね。

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記念館の庭でもこの一月ほどで多くの植物が色づき始めました。
ここ数日では、ヤマボウシが一気に芽吹き始めました。


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朝水遣りをした時に見て、その後お昼ごろに見ると、その短い時間で葉が大きくなっていることもあります。


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受付から見える建物正面北側の桂も見事です。


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桂の葉は形が丸っこいところもかわいらしく、色が鮮やかな黄緑色なところも綺麗です。


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葉の厚みが薄くて葉に透明感があり、風に揺れる涼しげな様子には目を奪われます。


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ヤマボウシの後ろにあるユキヤナギは、開館以来一切スタッフの手を煩わせないトラブル皆無の植物で、毎年安定して元気です。


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元気すぎて、建物正面南側の桂の木の根元や...


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建物南側の山桜の根元や...


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トサミズキの中にも...


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なんとアスファルトと敷石の間にまで!


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可愛い見た目とは裏腹な生命力に驚きそして感心します。

タンポポも館内のいたるところで咲き始めました。


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ご来館の際にはぜひご覧下さい。



スタッフ:川又

2020.04.06 おすすめの文具

新年度になりましたね。
これまでとは違う環境で新生活をはじめた方もいらっしゃることと存じます。
また、環境は変わらずとも、年度の目標を立てたり身の回りのものを新調したりして、新たな気持ちで今年度をスタートさせた方も多いのではないでしょうか。

わたしは、毎年この時期になると、日々使用する文具を新しく買い替えて気分転換したくなります。というわけで、今回は記念館のグッズショップから、おすすめの文具をご紹介させていただきますね。



まずはこちら、クリアファイルです。

20200406_1.JPG書類や資料が増えることの多いこの時期、仕分け整理のためのクリアファイルはいつも以上に必要になりますよね。
記念館で販売しているクリアファイルは全4種類(A4サイズ2種、A5サイズ2種)あり、伊丹さんが描いたイラストや文字をプリントしています。A5サイズのクリアファイルは、持ち運びに便利というお声をよくいただきます。

つづいて、一筆箋です。

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一筆箋とセットでご利用いただける封筒もあります


年度替わりの頃は、ちょっとしたお届けものや差し入れなど、物の受け渡しをすることがありますよね。そんなときに活躍するのが、気軽にひとこと書き添えられる一筆箋。

記念館の一筆箋は、映画『タンポポ』に登場したイラストを使用しており、ご好評いただいております。厚手の紙を使用しており、書き心地もいいんですよ。



クリアファイルと一筆箋は、店頭販売に加えてオンラインショップでも取り扱っております。ぜひチェックしてみてくださいね。

スタッフ:淺野

2020.03.30 伊丹十三訳「ピサロ」

新しい本のご紹介です。

伊丹十三が翻訳した戯曲が収録された『ピーター・シェーファーⅠ ピサロ/アマデウス』がハヤカワ演劇文庫から刊行されました。

ピサロ役・山崎努さん、インカ王アタウアルパ役・渡辺謙さんで1985年に上演(日本初演)された舞台「ピサロ」(伊丹十三訳・原題The Royal Hunt of the Sun)と、シェーファー自身の脚色で映画化されアカデミー賞を数々受賞したことでも有名な「アマデウス」(倉橋健氏・甲斐萬里江氏訳)を合わせた1冊です。

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さて、この「ピサロ」、山崎努さんからの依頼で伊丹十三が翻訳することになったのだそうですが――

通常、外国の芝居を上演する際には、翻訳家が翻訳したものを、実際に舞台で俳優が喋る台詞にするために全面的に手を入れるらしいのだが、そのような無駄を省くために、初めから喋れる台詞として訳してくれということであった。なるほど! そのような仕事に、私はまさに適している。日本で一人、とはいわぬが、十人の中には間違いなく入る自信がある。私は喜んで引き受けた(訳者あとがきより)

※日本初演時、原題どおり『ザ・ロイヤル・ハント・オブ・ザ・サン』の題名で刊行された訳書(1985年・劇書房発行、構想社発売)のあとがきで、ハヤカワ演劇文庫にも収録されています。

――といういきさつがあったのだそうです。

時期としては監督デビュー作の『お葬式』と第2作『タンポポ』の間にあたり、それ以前には、俳優として演じ、文章を書き、翻訳も手掛ける、という経験を積んできたことから、腕を振るうにもってこいの仕事だったわけですね。

また、異文化の出会い・衝突・葛藤による歴史の転換に興味を持ち続けた伊丹十三ゆえ、題材の点でも、強く心惹かれる作品だったことでしょう。

文庫の帯にもあるように、「ピサロ」はこのたび、日本初演時にアタウアルパを演じた渡辺謙さんをピサロ役に、新装PARCO劇場のオープニング・シリーズ 第1弾として35年ぶりに再演されています。

誰にでも「ぜひ劇場に足を運んでご覧ください」と申しあげられないのが残念でならない近頃の状況ではありますが、劇場で、ハヤカワ演劇文庫で、ひとりでも多くの方がこの作品にふれてくださることを願っております。

伊丹十三の訳書は他にも

  • マーナ・デイヴィス『ポテト・ブック』(1976年・ブックマン社)
  • ウィリアム・サローヤン『パパ・ユーア クレイジー』(1979年・ワーク・ショップガルダ発行、れんが書房発売)
  • マイク・マグレディ『主夫と生活』(1983年・学陽書房)
  • ジャンヌ・ハンソン『中年を悟るとき』(1996年・飛鳥新書)

とあり、『ポテト・ブック』は河出書房新社から、『主夫と生活』はアノニマ・スタジオから復刊されています。

『ポテト・ブック』『主夫と生活』は記念館のグッズショップで扱っていますので、ご来館の際にはお手に取ってみてください。

学芸員:中野

2020.03.23 期間限定メニューはじめます

記念館便りをご覧の皆さま、こんにちは。
3月の中旬頃から、記念館の敷地にあるユキヤナギ、トサミズキなどが開花し、一気に春めいてまいりました。
中庭でもヒメツルニチニチソウが紫の花をぽつぽつと咲かせています。

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ヒメツルニチニチソウ

さて、そんな春の記念館から期間限定メニューのお知らせです。
カフェ・タンポポにおきまして、今年も「豆乳イチゴ」をスタートいたしました!

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豆乳イチゴ。ミントの葉っぱをのせています

愛媛県産のイチゴと豆乳をミックスした、可愛らしいピンク色のアイスドリンクです。
口当たりの良いさっぱりとした甘さが特徴で、世代を問わずご好評をいただいている人気メニューです!

通年のメニューではありませんが、2014年から毎年この時期にご提供していることもあって、何年かぶりに再来館くださったお客様から「前に飲んだ『豆乳イチゴ』が美味しかったので今日も飲みます!」と再度のご注文をいただくこともあるんですよ。

この時期おすすめのドリンクですので、記念館にお越しの際はぜひお試しくださいませ!

スタッフ:山岡

2020.03.16 巣ごもりの準備

 

気軽に外出ができない日々が続いていますがいかがお過ごしでしょうか。


最近見た記事では「巣ごもり消費」なるものが好調なのだそうです。
世の中の皆さんは食品やらDVDやら学習教材やら、自宅で有意義な時間を過ごすために色々と考えて準備をされているのですね。


私も少し前まで巣ごもりという程でもないのですが家で長く時間を過ごす日々を送っていました。
そんな毎日の中で動画配信サービスを使って映画を観ることも多くあったのですが、最初のうちは興味がある映画を1本、1本探して観ていたものの、何せ時間を持て余していたのでだんだんと自分の中で何かとテーマ作ってまとめて作品を観るようになっていきました。


例えば、とある女優さんが電撃結婚をされた際には勝手に一人で「○○○(←その女優さんの名前)祭り」なるものを開催して、その期間はその女優さんが出演している作品をひたすら探して観続ける、という感じです。


一度観たことのある映画も久しぶりに観てみると前と違って観えたり、自分からは特に観ようとしなかった作品がすごく面白くて気に入ったりして、「巣ごもり」を結構楽しんで過ごすことができたと思っています。


というわけで提案なのですが皆様もこのタイミングを利用して伊丹十三ざんまいの「伊丹十三祭り」を開催してみませんか?
伊丹さんの映画はブルーレイで販売もされていますし、本もたくさんあります。
自宅にいながらもこれらを簡単に手に入れられる時代ですよね。

bbox.jpg【Blu-rayはボックスでいかがですか?特典も豪華ですよ】

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【伊丹十三選集全3巻もおススメです】

 


伊丹さんざんまいの日々は人生においてそれはそれは濃く、実りのある時間になることと思います。


厳しい状況は続きますが、ポジティブに気持ちを変換していきたいですね。




伊丹十三の本もたくさんのオンラインショップは こちら から

 

 

 スタッフ川又

2020.03.09 印象深い文章

ささやかな場面を描いているのに、なぜか心に残って、ふとしたときに思い出す――そういう文章がありますよね。
伊丹さんのエッセイにも印象深い文章はたくさんありますが、わたしにとって「ささやかな場面を描いているのに、ふと思い出して読み返したくなるもの」のひとつが、こちらです。一部引用します。


" 石鹼に関する記憶をさらに溯(さかのぼ)れば、子供の頃の玩具(がんぐ)にセルロイドの舟というものがあった。あれはグリコのおまけだったかな。小指の先ほどの、小さなセルロイドの舟の玩具があった。
 鮮やかな空色や桃色のセルロイドの板を野球のホーム・プレートを長くした形に切って、尖(とが)ったほうが舳先(へさき)である。これに黄色のセルロイドで簡単な煙突や艦橋がついていた。この舟は樹(き)の脂(やに)で走った。舟尾に桜の木の脂をちょっぴりつけて水に浮かべると、脂が水の中へ弾(はじ)けるように溶けてゆく、その勢いで走るのであった。長い夏の昼下りを、四歳の私はセルロイドの舟で遊んで飽きるところがなかった。脂がなくなったときには、洗濯石鹼の小片をつける。舟の速力はとても桜の脂には及ばなかったが、それでも舟はよく走った。脂や石鹼が溶けて、水面が玉虫色に光る黄昏(たそがれ)の大海原を舟は走り廻るのであった。"

「石鹼についての覚え書」『女たちよ!』(1968年)より


読み返すたびに、鮮やかな描写に引き込まれ、まるで自分が体験したことであるかのような感覚につつまれます。印象深い文章を繰り返し読むのは、はじめての文章を読むのと同じように楽しい時間ですよね。

記念館にいらっしゃるお客様からも、「伊丹さんのエッセイの、あの一節が忘れられなくて」と、お話を聴かせていただくことがあります。皆さま、生き生きとした表情で語ってくださいます。
記念館のグッズショップでは伊丹さんの書籍も販売しておりますので、ご来館の際には、お手に取ってみてください。はじめての文章、なつかしい文章、それぞれにお楽しみいただけることと存じます。

20200309_01.jpgグッズショップ 書籍コーナー
オンラインショップでも一部の書籍を取り扱っています


また、常設展示室の「五 エッセイスト」コーナーでは、伊丹さんのエッセイストとしての顔をご紹介しています。

20200309_02.jpg常設展示室「五 エッセイスト」コーナー


直筆原稿などを展示していますので、こちらもぜひご覧くださいませ。

スタッフ:淺野

2020.03.02 音の映画

たしか、スキー場のリフトに父と並んで乗っていたときのことでした。

突然、父がおどけた調子で「カラマツザワ~」と言ったのです。何ごとかと尋ねましたら「昔見た映画をフと思い出してサ」とのこと。

なんでも、落葉松沢(からまつざわ)という信州の山の中の小さな駅が舞台の映画で、その駅はちょうどこんな景色のところにあり、主演の森繁久彌さんが駅長役。汽車が来るたびに駅長が「カラマツザワ~カラマツザワ~」と言うのをタヌキが覚えて、そっくりに真似するシーンがあるのだ、題名は『山鳩の駅』だったかなぁ、と。

父の「カラマツザワ~」があまりにも愉快だったので見てみたく思い、それ以来、"森繁さんが駅長役でタヌキに真似される『山鳩の駅』とかいうらしい映画"を探し求めてまいりました。
20年近くが経ちましたでしょうか、行き当たることができずあきらめかけていたのですが、つい最近、何気なーく開いた日本映画専門チャンネルの番組表に『山鳩』と発見。待てば甘露の何とやら、ですねぇ。

果たして、「森繁さんとタヌキの種を超えた交流を描いたハートウォーミング・コメディ」は私の相当に誤った思い込みだったことが発覚したうえ、タヌキ(ムジナ)の声真似は作中に一度しかなく父の記憶の妙に驚くことになりましたが、ほのぼのとやさしく美しく、しみじみとした味わいのよい映画を、父のおかげで見ることができました。(監督・丸山誠治さん、脚色・井手俊郎さん、1957年の東宝作品でした。)

そんな父の血を引いてか、私も映画のセリフが不意に口をついて出てきてしまうタチで、伊丹映画で例を挙げますと、そうですね......一番多いのは「クイナです」かな。

静かな生活』(1995)で山崎努さんが演じた、パパのセリフです。

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「障害をもって生まれ6歳まで言葉をしゃべらなかった息子が、実は鳥の声のレコードを聞き覚えていて、軽井沢の森の中で聞こえたクイナの鳴き声に反応して初めて発した言葉」として語られます。

川べりなんかを歩いているとき、緑の木々の間から鳥の声が聞こえてきただけで(鳥の種類によらず)このシーンが思い出され、山崎さんの声をなるべく真似て「クイナです」と言いたくなるのですね。

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『静かな生活』には山崎さん以外にも素敵なお声を持つ方が多く出演していて、大江光さん作曲の澄んだ音楽とともに「音」が心に残ります。映画を見る楽しみに音というものがいかに深くかかわっているか、よく分かる作品です。

毎月十三日の十三時は記念館で伊丹十三の映画を観よう!」、今月はそんな『静かな生活』をご紹介いたします。

3月13日(金)13時にご来館くださいましたら、常設展示室でご覧いただけます。
ぜひ耳を澄ませてお楽しみくださいませ。

学芸員:中野

2020.02.24 新Tシャツのご案内

このたび伊丹十三記念館グッズショップに、新Tシャツが加わりました。

すでに販売中の白、黒、赤のTシャツとはちょっと違う色――初めてのネイビーTシャツの登場です!

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ネイビー(濃紺)色のTシャツに、濃い緑の線で猫のイラストがプリントされています。

イラストは、伊丹さんの著書『問いつめられたパパとママの本』にあるエッセイ「ネコノ眼ハナゼ光ルノ?」の挿絵となっている猫を3匹並べました。ご存じの方も多いと思いますが、この挿絵は伊丹さんが描いたものです。
TシャツはDALUC製。肌触りの良い薄手のコットンを使用しており、やわらかい着心地です。

もちろん、Tシャツ本体、色、デザインなどなど、宮本館長がこだわって作った " 宮本館長プロデュース商品 " です!!

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宮本館長のコメント!

 

特にこれからTシャツの活躍する時期ですね!ぜひ一枚いかがでしょうか。

スタッフ:山岡

2020.02.17 「中身が一緒」と言えば・・・

先日、久しぶりに映画「モテキ」を観ました。 


1月に記念館便りでご紹介させて頂いた愛媛国際映画祭「ラジオ公開シンポジウム~生き続ける『伊丹十三』イズム~」を聞いた日の夜中のことです。


というのも映画監督の大根仁さんがこのシンポジウムでご自身の監督作品「モテキ」の話をされており、突然、無性に次の休みまで待てないくらい「モテキ」が観たくなったからです。(ちなみに後日ドラマも全話観ました)


テンポが良くて、音楽も良くて、とにかくとても面白くて、もしもまだ観たことがないという方がいらっしゃいましたらぜひご覧頂きたいと思います。



さて、大根監督はご自身のことを「伊丹っ子」とおっしゃる程、若いころから伊丹さんに憧れて、
大きな影響を受けていらっしゃるのだそうです。



シンポジウムでおっしゃっていたのですが、映画「マルサの女」の企画から完成までを詳細に記した伊丹さんの著書『「マルサの女」日記』をなんと5冊もお持ちだそうです。

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「中身は全部一緒なんですけどね(笑)」と最後に付け足していらしたのが印象的でした。



そうそう、伊丹十三記念館で「中身が一緒」と言えば・・・



伊丹十三記念館ガイドブックは表紙が2種類あるのですが、中身は一緒です。 

 

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一つは伊丹さんの顔写真を使ったもので、もう一つは伊丹さんのイラストを配置したものです。


雰囲気は違いますがどちらもいい感じです。

ご購入される際にはお好みのほうをお選び下さいませ。


大根監督のように「伊丹っ子」のお客様の中には2種類とも購入される方もいらっしゃいますよ。



宜しければチェックしてみて下さい。



伊丹十三記念館 ガイドブック のご購入は  

 

こちらから ↓ ↓ ↓

『伊丹十三記念館ガイドブック』(表紙 イラスト)

『伊丹十三記念館ガイドブック』(表紙 写真)



スタッフ:川又

2020.02.10 春の気配

1月半ば頃から、スーパーの野菜売り場などで、ときおり菜花(ナバナ・食用菜の花)を目にするようになりました。「もう菜花が出ているのか、早いなぁ」と思っていたのですが、2月に入り、より頻繁に見かけるように。菜花が旬を迎えるということは、春が近づいているということですね。
季節のめぐりは早いなぁと思いつつ、寒さつづく毎日の中で春を感じられることがうれしく、たまに購入して風味をたのしんでいます。

野菜売り場に並ぶ菜花は花が咲く前のものですが、身近に自生する菜の花は、あざやかな黄色の花を咲かせてわたしたちの目を楽しませてくれますね。
先月の記念館便りでもお伝えした記念館前の川沿いに咲く菜の花は、数が増えて、いっそう華やかになりました。寒い日に菜の花の黄色を目にすると、気持ちが明るくなります。

20200210_1.JPG記念館敷地内の樹木たちも、春に向けて少しずつ準備をはじめているようです。
そのようすを、少しご紹介いたします。

20200210_2.JPGユキヤナギ


こちらは、白い花が愛らしいユキヤナギ。陽がよくあたるところから、徐々に咲きはじめています。

20200210_3.JPGトサミズキ


つづいて、トサミズキ。わずかに芽がふくらんでいるのがわかります。


20200210_4.JPGカツラ


さいごに、カツラ。こちらはまだまだのようですね。それでも、徐々に枝先が赤くなりはじめています。

記念館にいらした際には、刻々と移りゆく樹々の姿も、ぜひお楽しみください。


スタッフ : 淺野

2020.02.03 椿

立春を前に、併設小企画「伊丹万作の人と仕事」に展示している"かるた"の入れ替えを行いました。

このかるた、元は、『子供トナリグミカルタ』といいまして、1942年に発売された市販の玩具で、名前から容易に察せられるとおり、「ツクレ ツヨイ ダイトウア」「ススムニッポン ケンセツ ニッポン」などの標語で少年少女たちを軍国主義に染め上げようというものでした。
小学生だった伊丹十三がそんなかるたを買ってきて遊んでいるのを見た父・万作は、「何ということだ、これではいけない」と許しがたく耐えがたく思ったのでしょう。

あまたある松尾芭蕉の俳句から「いろは」ではじまる47句を選りすぐり、『子供トナリグミカルタ』の札を裏返して、読み札・絵札を全部自分で描いた......という、完全手作りの1点モノにして、万作の人柄をよくあらわす品なのであります。

伊丹万作についてはこちらのページもご覧ください。

karuta_c.jpgすべての札の両面を複製し、壁面に並べています。
伊丹万作の手作りかるた(上2段)と『子供トナリグミカルタ』(下2段)。
("入れ替え"たのは、このコーナーの展示台に入れている"実物"です。)

俳句をもとに作られているだけあって、季節の風物・風景が描かれているのを楽しくご覧いただける品(さすが元挿絵画家!)でもありますから、暦に応じた季語の札を8組ずつピックアップして、お目にかけています。

展示する札を決めるときは「絵札のモチーフの種類(風景・人・動物・虫など)」「色味」といった見た目のバランスを重視してきましたが、今年の春は、お花ばかり選んでみました。

20200203_karuta_spring.JPG右上から「いろは」順に
龍門の 花や上戸の 土産にせむ / るすに来て 梅さへよその 垣根かな /
よく見れば なづな花さく 垣根かな / 両の手に 桃と桜や 草の餅 /
園ひろき 徳ありてこそ ふきのとう / 落ちざまに 水こぼしけり 花椿 /
くたぶれて 宿かるころや 藤の花 / 山路来て 何やらゆかし すみれ草 /

「春の花」と言っても、まだ寒いうちから咲くものもあれば、暑くなりはじめる頃に咲くものもあり、表情豊かな展示になっています。

今の時季にぴったりなのは、


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やはり椿でしょうか。

ちなみに、松山市の花もヤブツバキ。1971年に市花に制定されました。


ごく簡単に申しますと「聖徳太子が道後温泉を訪れたとき(596年)、温泉のすばらしさを讃えて作ったと言われる碑文の中に、温泉の周りに椿が生い茂って赤い花が咲き、見事な景観だったことが記されていた(らしい)」というのが由来なのだそうです。

ご遠方からいらっしゃる方は、松山のあちこちで椿の木・花をお見かけになったり、 "椿""つばき""キャメリア"のつくお店の名前・施設名、椿の意匠のお菓子やお土産品が多いことにお気づきになったりして、「おや?」となることと思いますが、そういうわけなのでございます。

そして、お足元に注目していただきますと、こんなものも――

20200203_manhole_2.jpg松山のマンホール蓋(彩色バージョン)です。
紅白の椿の周りにあしらわれているのは伊予絣の井桁文様。
松山市中央公園の野球場「坊っちゃんスタジアム」前で撮影しました。

聞くところによれば「"ご当地絵柄"のマンホールの蓋を探して、写真に撮るのを旅の習慣にしている」という方が少なからずいらっしゃるんだそうですね。(調べてみると、全国津々浦々、まことに様々な絵柄の蓋があり、各自治体が"マンホールカード"なるものを配布しているとか。)

椿の名所は日本各地にありますが、記念館、松山でも椿いろいろ、ぜひお楽しみください。

学芸員:中野

2020.01.27 記念館の2月の予定

記念館便りをご覧の皆さま、こんにちは。

つい先日お正月を迎えたと思っていたら、気が付くと1月の最終週になっていました。
暖冬ということもあってか、記念館の近くを流れる川の土手には、早くもちらほらと菜の花が咲き始めています。

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さて、2月に火曜日が祝日にあたっていることもあり、開館スケジュール等についてお客様からお問い合わせをいただきますので、本日は2月の記念館の主な予定をお知らせします。

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2月11日(火・祝)...開館

2月12日(水)...振替休館

2月13日(木)...毎月十三日の十三時は記念館で伊丹十三の映画を観よう!
       『大病人』(1993年) 上映

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通常、記念館は火曜日を休館日としていますが、火曜日が祝日の場合はその日を開館して翌日の水曜日を振替休館日とさせていただいています。

今年の2月は11日の火曜日が建国記念の日で祝日となっていますので、11日は普段どおり10時~18時(最終入館17時30分まで)で開館いたします。翌日12日はお休みさせていただきますので、ご旅行などで「伊丹十三記念館に行こう!」とお考えくださっている方は何卒ご注意くださいね。
記念館サイトにある開館カレンダーもご覧ください。

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また、お休み明けの13日は、恒例の「毎月十三日の十三時は記念館で伊丹十三の映画を観よう!」の日です。
この日は「十三」時より、常設展示室にある42インチのモニターで『大病人』を上映いたします!

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企画展示室でご覧いただける、映画パンフレットのスクラップブックです

記念館にお越しくださった方の多くから、ご感想として「伊丹さんの映画を(もう一度)観たくなりました」ということをよくうかがいます。
ご自宅でのんびりと映画鑑賞...に加えまして、少し気分を変えて伊丹十三記念館でご鑑賞、というのはいかがでしょうか?

皆さまのご来館をスタッフ一同お待ちしております。

スタッフ:山岡

2020.01.20 愛媛国際映画祭

1月17日に開幕した 愛媛国際映画祭 ですが、愛媛県内の市町村で愛媛県にゆかりのある映画の上映や様々なイベントが行われているようです。

一昨日の1月18日には松山市内の映画館において伊丹さんの監督作品 「タンポポ」 の上映が行われました。


上映前には舞台挨拶があり、主人公「タンポポ」を演じる、当館の宮本信子館長と・・・

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「白服の男」を演じる役所広司さんがご登壇されたということです。


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実は役所広司さんは舞台挨拶の前に、伊丹十三記念館にもご来館くださいました。

グッズショップにて 「二日酔いの虫」のTシャツ を購入されたのですが、なんと翌日1月19日に行われた伊丹さんの魅力について語る「ラジオ公開シンポジウム~生き続ける『伊丹十三』イズム~」 に、そのTシャツをお召しになって登場されたということです。


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まさか役所さんにこのTシャツを着ていただける日が来るとは思いませんでした。感慨深いです。

さて、この番組なのですが、伊丹十三記念館に勤めているとか伊丹さんに詳しいとか関係なく、物凄く面白かったです。

まさかこの真面目なテーマの番組で爆笑することになるとは(しかも何度も)思いもしませんでしたが、それにつきましては又の機会に・・・


ちなみにこの番組は「radiko」でお聞き頂けます。

 



こちらをクリック ↓

radiko「ラジオ公開シンポジウム~生き続ける『伊丹十三』イズム~」




愛媛国際映画祭は2月2日まで開催されているそうです。詳しくはHPをチェックしてみてくださいませ。


こちらをクリック  ↓

愛媛国際映画祭


スタッフ:川又

2020.01.13 手土産

皆さま、2020年のはじまりをどのようにお過ごしになられましたか。
年末年始のお休みを利用して帰省し、ご親戚やご友人との集まりに参加なさった方も多いことと存じます。そんな、年に何度かやってくる帰省シーズンに少し悩んでしまうのが、手土産選びではないでしょうか。
手土産は、相手の方が喜ぶもの、自分がほんとうによいとおもうものを選びたいですよね。そのために、日々の暮らしの中で「これはいい!」と感じた品々を、手土産の選択肢として心に留めておくという方もいらっしゃることと存じます。

そこで、おすすめの手土産としてひとつご紹介したいのが、伊丹十三記念館のグッズショップで販売している「十三饅頭」です。

200113_01.JPG十三饅頭

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1箱7個入り/756円(税込)


まず、お菓子の手土産で最も大切なのは味ですよね。
十三饅頭は甘さ控えめのこし餡入りで、まろやかな味わい。そして、お茶請けにちょうどよい大きさです。記念館の入館者様専用カフェ・タンポポでもお召し上がりいただけまして、コーヒーや紅茶、いろいろな飲み物に合うとご好評いただいております。味や大きさに宮本信子館長のこだわりが詰まった、記念館限定販売の人気商品です。

そんな十三饅頭は、四国名菓・一六タルトなどのお菓子で知られる一六本舗さん製造の商品です。記念館で十三饅頭を購入なさるお客様の中には、「一六本舗さんのお菓子なら、ぜひ食べてみたくて」というお客様も多くいらっしゃいます。
ちなみに、CM作家でもあった伊丹さんは、一六タルトのコマーシャル映像を手がけていたことがあります。現在記念館で開催中の企画展では、「伊丹十三による正調松山弁シリーズ 一六タルトCMセレクション 1979-1990」として、伊丹さんが手がけたCM映像から厳選した7本をご紹介しています。伊丹さん自身が出演し、古い松山弁で語るという内容で、一度見ると忘れられないCMです。

つづいて、十三饅頭のパッケージをご覧ください。シックで目を引きます。

200113_03.JPG黒い帯状の部分は、伊丹十三記念館の外壁(焼き杉を使用)をイメージしています。四角にくりぬいてあるのは、記念館の中庭を模しているんですね。
また、箱の中は個包装になっていますので、配りやすく食べやすい。その点も手土産向きです。そして、お饅頭を個包装から取り出したときにパッと目に入るのが「十三」の文字。

200113_04.JPG温もりを感じるこの文字は、伊丹さんの自筆文字を焼き印にしたものです。こういうこだわりがあると、贈る側も楽しくなりますよね。話もはずむことと存じます。

ということで、手土産の選択肢のひとつとして十三饅頭はいかがでしょうか。
記念館のグッズショップで販売しておりますので、お立ち寄りの際は是非お手に取ってみてください。

スタッフ : 淺野

2020.01.06 「十三」回目のお正月!

寒中お見舞い申しあげます。
全国的な暖冬傾向とはいえ、寒の入りともなりますと、それなりに冷え込んでくるものですね。

令和最初のお正月、皆様いかがお過ごしでしたでしょうか。

わたくしはと申しますと、訳あって帰省せず、松山での年越しを初めて経験いたしました。

岩手の両親と過ごすことができず残念ではありましたが「例年ならば昼前に故郷を発って松山に戻ってくる慌ただしい元日、今年はせっかく松山で過ごすんだから、初詣にでも行ってみようかな!」とプラス思考で捉えまして、玉置館長代行おすすめの伊佐爾波(いさにわ)神社にお詣りしてきました。

20200106_isaniwa_ishidan.jpg路面電車の道後温泉駅を背にして右方向に
参道と鳥居と石段、鮮やかな朱色の楼門が見えています。
駅から徒歩5分程度だったでしょうか。
石段は見た目よりは楽に上れたので、
道後エリアへ観光にいらっしゃる方はぜひ!

20200106_isaniwa_roumon.jpgこの楼門の奥に八幡造り(はちまんづくり)の本殿があり、
整った八幡造りは全国的にも大変に貴重なものなんだそうです。
社殿全体が国の重要文化財に指定されています。
色彩といい形といい、ゴージャスですよねぇ。

家族と友人知人と記念館スタッフの健康を念入りに祈願し、勝手に「みんなの代表」気分でおみくじを引きましたら、バッチリ大吉で幸先よし!(みんなーやったよーー!!)

気分をよくして伊佐爾波神社近くの湯神社にもお詣りし、その裏手の「空の散歩道」から道後の町をながめ、伊丹さんとご縁の深い一六本舗さん(道後店)でお正月限定の花びら餅をゲットして、あちこちのお店を覗きつつ商店街をのんびり歩き、駅前の道後製陶社さんで砥部焼・中田窯のお茶碗を買い......

20200106_hanabiramochi.jpg一六本舗さんの花びら餅は1月5日までの限定品でした。
甘くても軽やかで、蜜漬けごぼうのほろ苦さが効いていて
3個ぐらいペロっといけそうです! 早くも来年が待ち遠しい......

小旅行をしたような満足感を胸に帰宅し、ほんのりと楽しいお正月になりました。

松山に慣れきったつもりで観光地的な場所にはついついご無沙汰してしまっていましたが、ときどきは足を運んで、古いもの・新しいもの・初めてのものを見てまわったり、お気に入りの場所を再訪したりして、遠方から記念館へいらっしゃるお客様に色々おすすめできるよう、勉強しておきますね。

20200106_dogostampcard.jpg「パネル設置スポットをめぐって道後の歴史を学び
10個10色のスタンプを集めると≪道後温泉鳥瞰図≫が完成する」
というスタンプラリーにもユル~くチャレンジ。
コンプリートできなかったので近いうちにまた行かなくては!

さて、2020年。
2007年に開館した記念館にとって、「十三」回目のお正月でした。

20200106_shogatsukazari.jpg小ぶりでカラフルなかわいめのお飾りで
1月2日より開館いたしました!

そして、伊丹十三の誕生日であり開館記念日でもある5月15日には「十三」周年を迎えます。

大切な節目の年、スタッフ一同なおいっそう励んでまいりますので、本年も、伊丹作品と記念館をご愛顧くださいますよう、どうぞよろしくお願い申しあげます。

学芸員:中野

2020.01.02 館長・宮本信子から新年のご挨拶

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今年もよろしくお願い申し上げます。

年があけて、私は松山に参ります!
愛媛国際映画祭に参加する為です。
そこで皆様にお逢いできたら嬉しいです。


今年こそ少しでも明るく、
少しでも希望が見える年になりますように...。


毎日毎日の積み重ねを大切にして、
記念館スタッフと一緒に
お客様をお迎えしたいと思っております。


御来館をスタッフ一同お待ち申し上げます。

 

              館長 宮本信子