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館を設計した建築家、中村好文の魅力が最も発揮されている場所の一つだと言えるかもしれません。展示を見た後に、ゆっくりとベンチに座って風に吹かれてみてください。中庭は、一日のうちでも陽の当たり方によって色合いが変化し、雨が降ってもまた違った風景が立ち上ります。それを囲んで廻らされた回廊は、どこか非日常の空間を思い起こさせます。
ただ展示を見ることだけが記念館の目的なのではなくて、建物全体が居心地の良い空間であることが我々のコンセプトです。展示を見ていただくのと同様に中庭という空間も是非楽しんで見てください。日常から離れて落ち着いた気分を味わえる場所であること。のんびりしているうちに、あっという間に時間が過ぎてしまったという方も少なくありません。
クローバーに覆われた庭の中に立っている桂の木は、一株なのに根元から二つに分かれた双幹の形をなしています。ちょうど伊丹十三と宮本信子の夫婦を象徴したようで、当館のシンボルとも言えるものです。
中庭の様子
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記念館の展示・建物