伊丹十三という人物 ― 伊丹十三とは

『お葬式』撮影時の一コマ1933年京都市生まれ。父親は映画監督の伊丹万作。本名・池内義弘。父の死を機に愛媛県松山市に転居。高校卒業後上京し、新東宝編集部を経て商業デザイナーに。
 ヨーロッパを旅行したあと、舞台芸術学院に学び26歳で大映に入社、「伊丹一三」の芸名で俳優になる。存在感のある俳優として活躍し、『北京の55日』『ロード・ジム』などの外国映画にも出演。
 1983年公開の『家族ゲーム』『細雪』でキネマ旬報助演男優賞を受賞。
 70年代には『遠くへ行きたい』などのドキュメンタリー番組を制作するほか、TVCFの名作にも数多く携わる。また、精神分析を軸にした雑誌『モノンクル』(フランス語で「僕のおじさん」の意)を創刊、編集長を務めた。
 51歳の時に『お葬式』で映画監督としてデビュー、高い評価を受け、日本アカデミー賞、キネマ旬報ベスト1など数多くの賞を受賞。以降『タンポポ』『マルサの女』『あげまん』『スーパーの女』など10作品を監督。
 名エッセイストとしても知られ、代表作に『ヨーロッパ退屈日記』『女たちよ!』『問いつめられたパパとママの本』『日本世間噺大系』など。

 翻訳やイラストも手がける一方、家事や子育てに関心が深く、料理の腕も一級だった。

 97年没。享年64。

少年・青年時代