記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2017.07.17 ポストカード

今日、7月17日(月)は海の日ですね。いよいよ夏本番!という気持ちになります。

夏休みには旅行をなさる方も多いことと存じます。
旅の楽しみはいろいろありますが、私はお土産とともに自分用の思い出の品を買って帰ることを、楽しみのひとつにしています。訪れる場所によって買うものはさまざまですが、どこを訪れても必ず手に取ってしまうものがあります。その場所ならではのポストカードです。

旅先で風景写真や美術館の展示品ポストカードなどを買って帰っては、自宅のお決まりの場所に保管しています。たまに取り出して一枚一枚見返すと、旅先でのいろんなことを思い出して楽しいものです。それを使って誰かに便りを出すことはあまりないのですが、自分の楽しみのために買うことがやめられず、手元のカードは増えるばかり。

記念館のグッズショップでも、オリジナルポストカードを販売しています。伊丹映画のポスターや記念館の写真、伊丹さんが描いたイラストなど種類が豊富で、お好みに応じてお選びいただけます。

2017.0717_1.JPGグッズショップ・ポストカードコーナーの様子

 

2017.0717_2.JPGこちらはポストカードの一部
他にもさまざまなデザインがあります


お得なセット販売もあり、セットはオンラインショップでも取り扱っています。

2017.0717_3.JPGセット販売は4種類あります


記念館にいらっしゃった際には、ぜひお手に取ってみてください。きっとお気に入りの一枚がみつかることと存じます。


----<カフェ・タンポポからのおしらせ>----


7月より、記念館のカフェ・タンポポで期間限定メニュー「豆乳ブルーベリー」をスタートいたしました。

2017.0717_4.JPGブルーベリーのあざやかな色とほのかな酸味がさわやかなドリンクです。ぜひご賞味ください。


スタッフ: 淺野

2017.07.10 車の汚れ具合にもこだわりが!

先日、伊丹さんの愛車「ベントレー」の洗車をしたことを記念館便りにおいてご報告いたしました。(その時の記念館便りはこちらから)

hukitori2.JPG
これは伊丹十三記念館が開館して10年間で初の洗車であったわけですが、実は洗車を先延ばしにしてしまったのにはいくつかの理由がありました。
高級車であるということが一番の理由ですが、もう一つ、スタッフには気がかりなことがあったのです。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、実は伊丹さんは、車は汚れた状態が良い、と思っていたという情報があるのです。生涯ずっとそのような考えだったのかどうかはわかりませんが、そういう時期があったようです。
もしかしたら、伊丹ファンの中には洗車の記事をご覧になって「おや?洗車しちゃって大丈夫?」と思われた方もいらっしゃったかもしれませんね。

伊丹十三記念館のガイドブックの中でも、伊丹さんと仲の良かった写真家の浅井愼平さんが、伊丹さんは汚れたままの車が好きだったということを書いておられます。

伊丹さんのエッセイにも30代の頃乗っていたロータス・エランに関して以下のような記述があります。
「昨年の暮れには、ひと月ばかりガレージにいれっぱなしにしておいたから、実にいい具合に埃がつもって、その埃の上に猫の足あとなんかついて、ほとんど私の理想に近い、芸術的なよごれをみせるようになった。
私は、この埃の上に、指で絵を描こうと思った。そうだ!注連飾りの絵を描いて年始に出よう、と思った。」(「女たちよ!」より) 

この後、そのロータスを知らない間にどなたかに洗車されてしまったらしく、そのピカピカになった状態が気に入らなかった伊丹さんは、しばらく車に乗らなかったそうです。

そんなこともあり、何となく洗車をためらってしまったという訳です。
何かにつけてこだわりの強い人として有名な伊丹さんですが、車の汚れ具合にまでこだわりを持っていたとは!
しかし我々には伊丹さんの理想に近い「芸術的なよごれ」具合というのがわかりませんでしたので、この度手入れをさせて頂きました。伊丹さん、ピカピカのベントレーをお気に召していなかったら、ごめんなさい。

IMG_6121.JPGまた、車のことではありませんが、以前宮本館長から聞いた話で忘れられないエピソードがあります。以前記念館便りにも書いたことがあるのですが、湯河原に住んでいた頃、庭にあったみかんの木を植木屋さんが木にとって良い状態に剪定して下さったらしいのですが、その剪定を気に入らなかった伊丹さんが、しばらく家に帰って来なかったという話です。

それにしても、気に入らなければ車に乗らない、家に帰って来ない、なんて中々スゴイ話ですよね。しかし伊丹さんの話となると「伊丹さんらしい」とか「やっぱり天才は違う」とか、思ってしまうから不思議ですね。

スタッフ:川又

2017.07.03  『中村好文 集いの建築、円いの空間』

記念館便りをご覧の皆さま、こんにちは。
暑くなってきましたね。これからどんどん気温も高くなってくると思いますので、体調など崩されませんよう、くれぐれもお気をつけください!

さて、皆さまよくご存知の、伊丹十三記念館を設計してくださった建築家・中村好文さん。
その中村さんの作品集 『中村好文 集(つど)いの建築、円(まど)いの空間』が、TOTO出版さんより刊行されました。

IMG_6065 (300x200).jpg【記念館ショップ店頭でも取り扱いを始めました】

『中村好文 普通の住宅、普通の別荘』 『中村好文 小屋から家へ』(共にTOTO出版)に続くシリーズ3冊目のこの作品集は、中村さんがこれまで手掛けてこられた作品のうち、ミュージアムやカフェ、レストラン、ギャラリー等の16作品、また、多数開催された展覧会の中から厳選した9つの展覧会について紹介されています。

中村さん自身が描いたスケッチや文章が、写真家・雨宮秀也さんの美しい写真と一緒に掲載されているという読み応え・見応えたっぷりの1冊ですが、ミュージアム建築の作品のひとつとして、ここ伊丹十三記念館が紹介されているのです!
記念館に来たことがある方もそうでない方も建築の視点から記念館を楽しめて、より深く記念館について知ることができる内容になっています。また、この作品集の巻頭には、小説家・編集者としてご活躍中の松家仁之さんの寄稿文も掲載されています。松家さんは伊丹十三賞第1回受賞者・糸井重里さんの受賞記念トークショー第7回受賞者・新井敏記さんの受賞記念トークイベントで聞き手をつとめてくださった方でもありますので、イベントに参加された方や記念館便りをご覧くださっている皆さまの中には、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

ここ記念館には「中村好文さんの建築を見たくて来ました!」というお客様は本当にたくさんいらっしゃいますし、来館されたお客様から「素敵な建物ですね。どなたが設計されたのですか?」と尋ねられることもしばしばです。
ご興味のある方はぜひお手に取っていただき、中村さんの建築に浸ってみてくださいね。

IMG_6068 (300x200).jpg【本の帯にも回廊から中庭をのぞむ写真が載っています】

スタッフ:山岡

2017.06.26 常設展示を一部入れ替えました

梅雨入りしても雨のない日が多かった松山。
「空梅雨だと夏が大変ね......」と心配していましたが、ボチボチと梅雨らしくなってきました。しばらく雨が続きそうです。

雨の記念館、とってもイイんですよ。

20170626_1.jpg

中庭の緑がしっとりとなって、晴れている日の二倍も三倍も、寛いだ気分を濃厚に感じていただけると思います。雨の日こそ伊丹十三記念館へ!(とまで言ったら、お日様に悪いかもしれませんが......)

さて、館内のほうは、常設展示を一部入れ替えいたしました。

初展示の資料をいくつかご紹介させていただきます。

20170626_2.jpg伊丹十三のデザインワーク。
60年代のものから90年代のものまで
見比べていただけるようになりました。

20170626_3.jpg――「お洒落」という、いささかインチキ臭い言葉よりも、
身嗜みということを大切にしようではないか――
日本人とファッションに関する、あの名エッセイのイラストです。
文庫本を片手に、見比べていただくのも面白いかもしれません。

20170626_4.jpg『タンポポ』絵コンテと撮影台本。
カンタン美味しいレシピもご覧いただけます。

20170626_5.jpg絶版になっている映画撮影日記を
伊丹さんの直筆原稿でお読みいただけます。

新しい展示品の中には、収蔵庫ツアーでご紹介して、ご好評いただいたものもあります。いわば"試運転"を経た展示品です、ご期待くださいませ。

収蔵庫の中では間近に見られなかったものがつぶさにじっくりご覧いただけるようになりましたので、これまでにツアーにご参加くださった方も、ぜひまたお越しくださいね。

では、みなさまのご来館をお待ちしております。

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2018年3月までの長期企画、日本映画専門チャンネル「総力特集 伊丹十三の映画」で伊丹映画全10作が放送されています。
7月は、監督第9作『スーパーの女』(1996年)、監督第10作『マルタイの女』(1997年)。

伊丹映画をご自宅でお楽しみいただくチャンスです。視聴方法・スケジュールはチャンネルホームページでご確認ください!

記念館の常設展示室で行う「毎月十三日の十三時は記念館で伊丹十三の映画を観よう!」は、7月13日(木)、『マルサの女』(1987年)です。こちらもよろしくお願いいたします。

学芸員:中野

2017.06.19 商業デザイナー

エッセイ『ヨーロッパ退屈日記』(伊丹十三著)のあとがきに、伊丹さん21歳当時のこととして、こんなことが書かれています。

私は駆け出しの商業デザイナーであった。(中略)職人であった私に与えられる仕事は、主に、車内吊りのポスターと、目次のデザインであった。

――「B6判のためのあとがき」『ヨーロッパ退屈日記』


ご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、伊丹さんには「商業デザイナー」としての顔がありました。その仕事を、記念館の常設展示室で具体的にご覧いただけます。
たとえばこちら。雑誌『文藝春秋 漫画讀本』(1954年創刊/1970年休刊)の車内吊りポスターです。

2017.0619-1.JPGユニークなキャラクターが印象的な『漫画讀本』ポスター
伊丹さんが手がけた、さまざまなパターンを入れ替えながら展示しています


ご覧になったお客様から、「あのポスター、キャラクターが印象的で憶えています。伊丹さんのデザインだったんですね」とお声をかけていただいたことがあります。
他にも、伊丹さんが手がけた書籍の装幀や題字レタリングの仕事などを展示しており、商業デザイナーだったことをご存じない方からも、「伊丹さんらしいこだわりや遊び心を感じた」といったご感想をいただきます。

常設展示室には十三の名前にちなんだ13のコーナーがあり、商業デザイナーだけでなく、多彩な仕事ぶりや趣味についてご紹介しています。

2017.0619-2.jpg常設展示室の様子


つまり、伊丹さんには「13の顔」があるということで......まだ記念館にいらしたことのない方は、ぜひその13の顔をひとつひとつ想像なさってみてください。「映画監督」「俳優」「エッセイスト」――他にもいろんな顔があるんですよ。

伊丹さんの新たな一面に出会えることと存じますので、ぜひ一度記念館にいらしてみてくださいね。

スタッフ : 淺野