記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2025.11.17 『タンポポ』鑑賞と「展示室トーク」のご案内

記念館便りをご覧の皆さま、こんにちは。
いつの間にかすっかり秋めいてまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

さて、皆さまよくご存じの伊丹十三監督作品『タンポポ』。
1985年の11月に封切られましたので、今年2025年は『タンポポ』誕生からちょうど40年になります。

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『タンポポ』(1985年)

国内外問わず根強い人気を誇り、伊丹十三監督作品で特に好きな映画として『タンポポ』を挙げる方はたくさんいらっしゃいます。
先月来られた20代の男性も、つい最近観た『タンポポ』が「ものすごく面白かった!」そうです。『タンポポ』をきっかけにラーメン好きにもなり、映画の中で出てくる「正しいラーメンの食べ方」も試してみたのだとか。
日本のラーメンブームに拍車をかけた作品といわれていますが、影響力は今なお絶大なようですね。

ちなみに、「食べ物の映画を作りたかった」という伊丹さんが、なぜラーメンを題材に選んだのかについてはこんなふうに話しています。

「映画を作る上で一番大切なことは、観客を感情的に巻きこむことです。食べ物の映画を作るにしても、食通が世にも珍しい食べ物を漁るような話では人々の共感を得ることは難かしいでしょう。私がラーメンを題材に選んだのはラーメンなら誰でも参加できるからです。ラーメンの話なら誰でも自分のこととして一と膝乗り出すことができるからです。そして、一度観客が感情的に映画に参加してくれれば、私は映画の流れは観客に預け、自分は裏へ廻って自分の本当にやりたいこと、つまり映画らしい映画を作る、という遊びを遊ぶことができるのです」

※『タンポポ』のプログラムから引用


2025年も残り1か月半ほどになりましたが、「40周年を機に『タンポポ』を観てみよう!」という方にこの後の放送・上映についてご案内しますと――

まずは11月23日(日・祝)20時より、日本映画専門チャンネルで「これで見納め 24時間まるごと伊丹十三の映画4K」が放送されます。

伊丹十三監督作品全10作品が一挙放送され、『タンポポ』も11月23日(日・祝)22時20分から放送です。ご興味のある方はぜひ詳細をチェックしてみてください。

詳細はこちら

また、記念館での「毎月十三日の十三時は記念館で伊丹十三の映画を観よう!」では、次回12月13日(土)に『タンポポ』を上映予定です。

常設展示室に入ってすぐの42インチのモニターで、ベンチに座って気軽にご覧いただくスタイルです。ご自宅で観るのとはまた違う雰囲気で映画をお楽しみいただけますよ。

当日は記念館オリジナルのミニ解説をお渡しします。また、企画展示室には上記の伊丹さんのインタビューが載っている『タンポポ』のプログラムもございますので、映画をご覧になる前後に、合わせてご覧くださいね。

20251117.jpg『タンポポ』のプログラム(企画展示室でご覧いただけます)

そしてもうひとつ、今週末に開催予定のミニイベントについてご案内します!

当館の学芸員が " 伊丹十三記念館の展示の楽しみ方 " をお話しする「展示室トーク」を、下記の要領で行います。

初めて記念館にお越しの方はもちろん、以前ご来館くださったという方も大歓迎です!前回とは違った見方で展示をお楽しみいただけると思います。
「ちょっと聞いてみようかな」という方、ぜひお気軽にご参加くださいませ。

※※※※※ 「展示室トーク」開催要領 ※※※※※

◆日時:2025年11月22日(土)14時~(45分程度)
   30分程度のトークのあと、ご質問を承ります。


◆場所:常設展示室の館長挨拶・特報映像コーナー


◆参加費:無料  ※ご入館料が必要です。

 

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0093-1117.jpg常設展示室

スタッフ:山岡