記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2024.02.26 『知恵泉』再放送!

寒くないのをありがたいと思うこともあったけど、冬らしくない冬だったなぁ、もう春が来てしまうなぁ、と惜しく感じられる今日この頃。
それでも朝の冷たい空気に触れると、心身がサッパリと洗われるようで嬉しくなります。「新鮮な空気はごちそうだね~」と胸いっぱいに吸い込みいざ出勤! と、ほどなくして伊丹さん言うところの"ラ・モルヴ"(※)が両の鼻からツツツ......春に先んじてスギ花粉の季節が到来......皆様いかがお過ごしでしょうか。

※ ラ・モルヴ : 詳細は『再び女たちよ!』所収のエッセイ「鼻の構造」でどうぞ

2月6日(火)、13日(火)の2週にわたって放送されたNHK Eテレの『先人たちの底力 知恵泉(ちえいず)』、多くの方がご覧くださったことと存じますが、「しまった、放送も配信も見逃した!!」という方も少なくないと拝察いたします。

そんな見逃しさんに朗報、再放送のスケジュールが発表されました!!
メモのご用意を――いえ、今すぐ録画予約しましょう、リモコンのご用意を!!

先人たちの底力 知恵泉 伊丹十三 人を魅了するには
NHK Eテレ
前編:2024年3月2日(土)14:00~14:45
後編:2024年3月2日(土)14:45~15:30

前後編連続で週末に再放送されるのは『知恵泉』のスケジュールでは珍しいケースですね。
たくさんの方が伊丹さんの知恵と底力に触れて、活力にしてくださることを願っております。

20240226_shooting.jpg撮影班のみなさん。アレコレ話し合う場面あり、
阿吽の呼吸が発動する場面もあり、
プロの仕事は見ていて面白い!

ところで。
わたくし、記念館での館蔵品撮影のお手伝いのほか、ほんの少しだけインタビュー出演させていただいたのですが、自分の話しぶりたるや、何ともはや、な仕上がりでした。

収録の時には「私にしては落ち着いてお話しできているぞ~」と思っていたのに、放送された映像の中の自分の姿は、一言発するごとに謎の"頷き"を繰り返していて......まるで赤ベコ。
「誰に対する頷きなんだ!」とセルフ・ツッコミをした後、「あ、自信のなさが、頷きの動作になってあらわれているんだ......いわば、自分に対する確認というか......」と気付きました。自分を外側から観察するというのはなかなかに厳しい作業でありますが、話し方も大事ですね。精進します。

というわたくしの赤ベコぶりはさておき、『知恵泉』前後編を視聴しての感想――

ゲストのみなさんお一人お一人のお話に感銘を受けつつ、「みんなで伊丹さんについてワイワイ語っている様子を眺めるのは、やっぱり楽しいなあ、大好きだなぁ」と感じました。

『知恵泉』再放送、ぜひご視聴ください!
3月2日土曜日、NHK Eテレで14時スタートです!!

・・・・・・お知らせ・・・・・・

2024年2月26日(月)~3月1日(金)
空調工事のため臨時休館させていただきます。
何卒ご了承くださいますようお願い申しあげます。

学芸員:中野

2024.02.19 NHK Eテレ『先人たちの底力 知恵泉(ちえいず)』の反響など


記念館便りをご覧のみなさまこんにちは。
2月も終盤にさしかかり、ここのところ暖かい日が続いている松山です。


さて、皆さま、以前より記念館HPでも告知させていただいておりました2月6日(火)と2月13日(火)放送のNHK Eテレの教養番組『先人たちの底力 知恵泉(ちえいず)』をご覧いただけましたでしょうか。


「伊丹十三 人を魅了するには」と題し、2月6日(火)には「前編」、2月13日(火)には「後編」と、2週にわたって伊丹さんの特集が組まれました。

やはり記念館においても「知恵泉」の反響は大きく、6日の「前編」放送後の2月10日からの3連休は多くのお客様で賑わいました。



伊丹さんといえば何と言っても映画監督としての顔が一番有名であるかと思いますが、「前編」では映画監督になる前の仕事である「エッセイスト」や「テレビマン」時代の伊丹さんについて深く語られており、宮本信子館長のインタビュー盛りだくさんの「後編」とあわせて、ともに大変ディープな内容で見応えがありました。


番組を見逃した、という方、再放送や見逃し配信等でご覧いただけるようですので是非お調べください。



NHK Eテレ『先人たちの底力 知恵泉』
https://nhk.jp/chieizu
↑ 番組内容等詳細はこちらから。

一人でも多くの方にご覧いただきたい番組でしたので、是非番組HPをチェックしてみてください。


s-IMG_5846.jpg昨年植えたロウバイの花が咲き始めました



スタッフ:川又

2024.02.12 テレビマンとしての伊丹十三

あっという間に2月となり、寒さのやわらぐ日も出てまいりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

今週から来週にかけては暖かくなったり冷え込んだりと、寒暖差の激しい日々が予想されます。季節の変わり目に入ってまいりますので、皆さま何卒お身体を大事にお過ごしください。

 

さて、2月6日(火)に放送された、NHK Eテレの教育番組『先人たちの底力 知恵泉(ちえいず)』の伊丹さんの特集の前編、皆さまご覧くださいましたでしょうか。

 

"伊丹十三 人を魅了するには"をテーマに、今回放送された前編では、伊丹さんが映画監督になるまでに携わった、商業デザイナー、エッセイスト、俳優、テレビマンなどの仕事について紹介されました。

 

番組を見ていて、伊丹さんを知らない方や映画監督のお仕事だけを知っている方は、番組の中で紹介されている伊丹さんの様々なお仕事の経歴に興味が湧いたのでは...!と思いましたので、本日の記念館便りでは様々なお仕事のひとつ、テレビマンとしての伊丹さんについてご紹介をさせていただきます。

 

1971年、テレビマンユニオンが制作する人気テレビ番組『遠くへ行きたい』への出演を機に、テレビの面白さや可能性に惹かれた伊丹さんは『天皇の世紀』や『欧州から愛をこめて』、『古代への旅』など様々な番組に関わっていき、出演者としてだけではなく、制作スタッフとして番組作りにも携わりました。

そんな伊丹さんのテレビマンとしての活動。2024年現在は映像の全容を見ることは難しいですが、いくつかの媒体から番組の内容を知ることが出来ます。

テレビマンとしての伊丹さんをもっと知りたいという方はぜひ、これからご紹介する映像や書籍をご覧ください。

 

まずは、記念館の企画展示室にて上映しております、『遠くへ行きたい』より「伊丹十三・宮本信子の旧婚旅行」の映像です。こちらは企画展示『伊丹十三の「食べたり、呑んだり、作ったり。」』での上映のため、食に関する場面が取り上げられたダイジェスト版となっており、ドキュメンタリー番組の案内役をしている伊丹さんを約15分じっくり見ることが出来ます。ご来館の際にはぜひ、ご覧いただけますと幸いです。

 

s-IMG_5808.jpg企画展示室で上映されている『遠くへ行きたい』の映像

 

お次は、記念館のショップで販売をしているDVD『13の顔を持つ男』です。

このDVDは伊丹さんのテレビ番組の映像を収録しており、ダイジェスト版となっておりますが『遠くへ行きたい』や『天皇の世紀』の映像をご覧いただけます。

 

s-oyakodonburi.jpgDVDの映像

常設展示室でもご覧いただけます。

 

初めて出演した『遠くへ行きたい』の「親子丼珍道中」や「ズッコケ発明珍道中」の他、『先人たちの底力 知恵泉(ちえいず)』でも紹介のあった「天が近い村」も収録されています。

「天が近い村」は、婚姻の歌を撮るはずが、「お祝いの歌を撮るなら最初から結婚式を全部やってしまった方がいい」という村の人々の善意ではじまった本格的な結婚式の撮影となり、"撮影をしようとしたところ、番組のために村の人々が結婚式をしてくれたという"事実を、ドキュメンタリーとしてありのまま伝えた回です。

 

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「天が近い村」のエピソードにつきましては、第8回 伊丹十三賞 受賞記念で開催された、受賞者・是枝裕和さんと今野勉さんの対談、「是枝裕和×今野勉対談「伊丹十三とテレビ」」の採録でもご覧いただけます。

こちらの対談に登壇している今野勉さんは、『遠くへ行きたい』や『天皇の世紀』など様々な番組にディレクターとして関わっておられ、伊丹さんと共に番組を作られていました。そんな今野さんは昨年、テレビマン時代の伊丹さんに関する書籍、『テレビマン伊丹十三の冒険』を出版されています。

 

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制作に関する伊丹さんのエピソードを沢山知ることが出来ますので、合わせてご覧いただけますと幸いです。

 

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DVD『13の顔を持つ男』は、記念館のオンラインショップでもお取扱いがございますので、まだご覧になっていない方はぜひお買い求めください。

 

お次は、『伊丹十三選集 第1巻』です。こちらには、伊丹さんのエッセイの他に、ドキュメンタリー番組『伊丹十三の古代への旅』の番組内容の書きおこしが収録されております。1977年に放送された番組で、古代日本や古代アジアをテーマに、その分野の専門家に話を聞きに行くという内容です。『伊丹十三選集 第1巻』では「古代への旅」の中で全13話の番組の書きおこしが収録されております。

 

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 えーテレビで古代史をやってみろということになったわけです。古代史というのは非常に面白いのですけれども、テレビにするとなるとまるで自信がない。古代の遺跡や先生方の話だけで番組ができるんだろうか、その辺がよく分からんわけですねえ。従って今回は番組を作りつつ、とりあえず古代史とテレビの接点を探ってみたいと思うわけです。

(『伊丹十三選集 第1巻』より「古代への旅」)

 

映像ではご覧になれませんが、伊丹さんの聞き書きのスタイルを思わせる書きおこしの文章は大変読みごたえがございますので、ご覧いただけますと幸いです。

 

いかがでしょうか。今日では、伊丹さんの出演しているテレビ番組映像を全編視聴することは叶いませんが、面白い番組を作り続けた伊丹さんの足跡に触れる機会は沢山ございます。

『知恵泉』をご覧になり、映画監督以外のお仕事も気になった方がいらっしゃいましたら、ぜひ、書籍やDVD、そして記念館の展示で伊丹さんをもっと知っていただけますと幸いです。

 

明日、2月13日(火)は後編が放送されます。

予告編はこちらからご覧いただけます。来週は宮本信子館長のインタビューもございますので、ぜひご覧ください!

 

https://www.nhk.jp/p/chieizu/ts/R6Z2J4WP1Z/episode/te/J1MM41V5P3/

 

 

学芸員:橘

2024.02.05 必見!TV番組情報

記念館便りをご覧の皆さま、こんにちは。

本日2月5日は、ニ(2)コ(5)ニコの語呂合わせで「笑顔の日」だそうですね。
ということで、常設展示室入口で皆さまをお迎えする伊丹さんの、とびきりの笑顔の写真をどうぞ!

20240205-2.JPG単行本『伊丹十三の本』(新潮社)の表紙にもなっている写真です。
つられて顔がほころんでしまう、素敵な笑顔です

 

2月というと、他にも一昨日の節分、バレンタインデー、「建国記念の日」や「天皇誕生日」といった祝日などいろいろある月ですが――今年は特に、必見のTV番組があります!

記念館TOPページの告知欄や番組HPなどでご存知の方もいらっしゃると思いますが、NHK Eテレの教養番組『先人たちの底力 知恵泉(ちえいず)』で、伊丹さんが特集されることになりました!!

 

NHK Eテレ『先人たちの底力 知恵泉』
「伊丹十三 人を魅了するには 前編」
2月6日(火)午後10時~10時45分

 

https://nhk.jp/chieizu
番組内容等詳細はこちらから。予告動画も観られます。

『先人たちの底力 知恵泉』は、"歴史居酒屋「知恵泉」" で、現代人のいろいろな課題について歴史上の人物、先人たちの知恵と行動から解決のヒントを探っていくという番組です。

いよいよ明日に迫った初回放送は、司会はNHKアナウンサーの高井正智さん、スタジオご出演はタレントの伊集院光さん、女優の山田真歩さん、作家・編集者の松家仁之さんです。このプロフェッショナルな方々が伊丹さんについてどんなお話をしてくださるのか...今からとっても楽しみです!!

記念館も取材を受け、記念館関係者へのインタビューのほか、記念館の収蔵品などたくさん撮影していただきました。

皆さまぜひご覧ください!

スタッフ:山岡

2024.01.29 正月飾りをめぐるアレコレ

記念館のエントランスに掲げていた今年の正月飾りを1月7日いっぱいで下げ、先日、神社に納めてきました。

20240129_okazari.jpg
 
正月飾りの準備係と処分係を他のスタッフに頼りきりできてしまったこれまでを反省して、今回は自分から志願。

「毎年どういうところで買ってます?」と尋ねたら「ホームセンターとかにいっぱい並んでますよ」とのことだったので、12月に入ってからというもの、あっちの店こっちの店へ足を運んでお飾りコーナーを物色してまわり、年の瀬も押し詰まってきた頃にやっと決めたのですが、いやあ、色んな種類があるものなんですねぇ。

購入者目線で見てみると、実に多種多様で悩ましい――さらに正確に言うなら、「伊丹さんの記念館の正月飾りとして合格でしょう」と思えるものになかなか行き当たらない、「こんなにいっぱいあるのに!」ということには驚きました。

「プラスチックのミカンや松がついてる正月飾りなんて興ざめじゃない...?」
「謹賀新年とか迎春とか書いてあるのはいいんだけど、どれもこれもフォントがダッサいのはなぜなの!?」
年末、天山界隈のホームセンターやスーパーで怒りあるいは落胆のオーラを放出しまくっている中年女を見かけたという方、それは私であった可能性大、です。

そんなこんなしているうち
「時代のせいか景気のせいか今はあまり見かけなくなったけど、昭和の頃には一般のご家庭でも門松を飾るのが普通だったなぁ」
「自動車のフロントグリルに付けるお飾りとかも流行ったよねぇ」
などなど、懐かしい記憶がよみがえったりも――

そうそう、伊丹エッセイには「車の正月飾り」にまつわるこんなエピソードがございます。


 私が自分のロータス・エランを赤にしたのは、こいつなら赤でも目立たない、と思ったからでありますが、さらに念を入れるなら、この車はよごれっぱなしのほうがいい。埃や泥はもちろん、小さな引っかき傷や、軽いへこみも、そのままにしておいたほうがいい。
 私の分類では、こいつは、雨具や履物の部類に属する。仕立ておろしのレインコートや、ま新しい靴というのが、どうにも気恥ずかしいものであると同様、車も、ある程度薄よごれた感じのほうが、私には乗り心地がいい。
 ま、そういうわけで、私は自分のロータスを掃除しないことにしている。昨年の暮れには、ひと月ばかりガレージにいれっぱなしにしておいたから、実にいい工合に埃がつもって、その埃の上に猫の足あとなんかついて、ほとんど私の理想に近い、芸術的なよごれをみせるようになった。
 私は、この埃の上に、指で絵を描こうと思った。そうだ! 注連飾りの絵を描いて年始に出よう、と思った。

「猫の足あと」『女たちよ!』(文藝春秋1968年/新潮文庫2005年)より

さて、この伊丹十三の年始大作戦の結末やいかに――
エッセイ集『女たちよ!』でぜひお楽しみください。

"お正月×地方"で盛り上がるネタというと「お雑煮」がメジャーですが、正月飾りも地方によって様々な違いがあるようなので、出身地の異なる方との話題にしてみると面白いかもしれませんよ。

ちなみに、愛媛の正月飾りは、地域ごとに差はあるものの"輪っか・プラス・アルファ"タイプ。
我が故郷・岩手では、細く綯(な)った縄にお幣束・昆布・イワシの煮干しがついたものを、50~60cmに切った松の枝にくくり付けて、玄関の左右に飾るのが主流です。

というわけで、1月の下旬も下旬になりましたが、本年もどうぞよろしくお願い申しあげます。
暖冬には暖冬なりのしんどさがありますね、皆様くれぐれもご自愛くださいませ。

20240129_cicada.jpg中庭の桂の幹に季節外れのセミの抜け殻が...
夏からずっとくっついていたのでしょうか?
暖冬で最近ウッカリ羽化したとか...いやまさか...

学芸員:中野