記念館の展示・建物 ― 常設展
展示(10)「猫好き」
12345678910111213

「猫好き」ここはご本人の弁を聞くのがいちばんです。
 「『どうして猫が好きなの?』と、いわれても、それは困る。/私が猫を好きなのは、なにか理由があってその結果好きだというのではない。理由などあれこれ考えるより以前に、すでに好きだという事実が厳存しているのであって、いわば好きだから好きだ、とでもいうよりしようがなかろう」
 「私は、猫のあの凛としたところと、あの救い難い無知みたいなところ、両方好きなのですね」
 「そもそも私は生まれた時から猫と共に暮らしてきた。私の過ぎ去った人生を振り返ってみても、周囲に猫のいない時期というのが殆どない。各各の時期が、ああ、あれはあの猫の時分、ああ、あれはこの猫の時分という工合に、様様な猫たちのだれかれと直ちに一致する。/実に、私において、猫のいない人生は考えることもできぬのである」(以上すべて、伊丹十三『再び女たちよ!』より)
 映画『お葬式』に猫が登場するシーンも、伊丹映画ならではの瞬間でした。

コガネ丸

 飼い猫「コガネ丸」の寝姿を描いた絵。
 コガネ丸は伊丹十三のエッセイにたびたび登場し、「名犬ごっこ」「コロリ」などの芸を披露したり、来客にかかりきりになっている伊丹に腹を立て、ヴァイオリンケースに粗相する姿などが書かれていました。

コガネ丸
画像を拡大

ニャンキン

 飼い猫「ニャンキン」の絵。
 最後の飼い猫となったニャンキンは絶好のモデルだったらしく、鉛筆、筆ペン、パソコンのペイントツール、顔彩など、様々な手法で描かれています。また、自身で描いたニャンキンのイラストをアイロンプリントし、オリジナルのTシャツを自作していたことも。

ニャンキン
画像を拡大