こはご本人の弁を聞くのがいちばんです。
「『どうして猫が好きなの?』と、いわれても、それは困る。/私が猫を好きなのは、なにか理由があってその結果好きだというのではない。理由などあれこれ考えるより以前に、すでに好きだという事実が厳存しているのであって、いわば好きだから好きだ、とでもいうよりしようがなかろう」
「私は、猫のあの凛としたところと、あの救い難い無知みたいなところ、両方好きなのですね」
「そもそも私は生まれた時から猫と共に暮らしてきた。私の過ぎ去った人生を振り返ってみても、周囲に猫のいない時期というのが殆どない。各各の時期が、ああ、あれはあの猫の時分、ああ、あれはこの猫の時分という工合に、様様な猫たちのだれかれと直ちに一致する。/実に、私において、猫のいない人生は考えることもできぬのである」(以上すべて、伊丹十三『再び女たちよ!』より)
映画『お葬式』に猫が登場するシーンも、伊丹映画ならではの瞬間でした。
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