こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2009.12.28 2009年から2010年へ
皆様 こんにちは
早いもので今年も残すところ、あと4日となりました。
記念館は本日28日が仕事納めとなります。
行く年2009年を振り返りますと世間では流行語大賞となった「政権交代」が大きかったですね。
ちなみにこの流行語大賞では1987年に「マルサ」が新語部門金賞を受賞しております。
記念館としては第1回伊丹十三賞受賞者、糸井重里さんのトークショーを松山にて開催したこと、
また、10月には来館者数が2007年5月の開館から8万人を越え、県内・県外・海外からも多くのお客さまにいらしていただきました。
宮本館長考案の十三饅頭は全国的に広まりつつありますが、記念館の中にありますCafeタンポポも口コミで広がり、
「みかんの飲み比べができるんですよね?」
など、嬉しいお声をいただいております。
来る2010年、記念館はさらにパワーアップしていきます。第2回伊丹十三賞(映像・ビジュアル部門)の発表もあります。そして、3周年も迎える年となりますので、お客様の目線に立ってさらに創意と工夫を重ねていきたいと思います。
2010年は1月2日(土)10時より開館いたします。
年始はどこへいこうかな?とお悩み中の方はぜひ松山へ、
伊丹十三記念館へお立ち寄りください。
「13の顔を持つ男
伊丹十三」がお待ちしております。
記念館だよりをご愛読くださっている皆さま、
ご来館いただきましたお客様、
輝かしい新年を元気にお迎えになられますことをお祈りし、
いま一度、心からお礼を申しあげます。
今年1年、本当にありがとうございました。
スタッフ:種岡
写真左上:大人気メニュー「チーズケーキ・記念館の形をしたチョコレートケーキ・十三饅頭」
写真右上:愛媛県内にありそうでないと評判の「愛媛みかんジュース3種飲みくらべ」
写真右下:笑顔でお迎えしております。「13の顔を持つ男
伊丹十三」
2009.12.20 1986年11月26日、花月園競輪場でのこと
年が明けてひと月経てば、愛媛にやって来て丸2年になります。
愛媛で出会ったことばのなかで、いちばんのお気に入りは「チャンガラ」。ブッ散らかった状態を指すことばで、「ごちゃごちゃ」した感じと「ひっくり返した」ような感じが音でよく表されていると思います。なにせ、初めて聞いたときから「『チャンガラ』?何それ?」という疑問も抱かずに、すんなりと理解できましたから。
2009年も残すところ10日。私の机の上はまさしく「チャンガラ」です。年末の大掃除ということで、スタッフで手分けしてあちこちの清掃・整理に着手していますが、机の上だけは手をつける気になれません。これを片付けたら、同じぐらいに「チャンガラ」な私の人生も少しは片付くかなぁ...机が先か人生が先か...と考えると、永遠に片付かないような気分になってしまい途方にくれています。(余計なことを考えずに黙々と片付ければいいのに。)みなさまは、つつがなく年の瀬をお過ごしでしょうか?
ところで、横浜市鶴見区にある花月園競輪場での競輪が今年度いっぱいで廃止になるそうです。今月のはじめにニュースで知りました。花月園競輪場といえば『マルサの女』(1987年)のクライマックスのロケ地です。
マルサのガサ入れで権藤(山崎努)の脱税が明らかになった6ヶ月後、権藤が亮子(宮本信子)を訪問、誰もいない競輪場の観客席で隠し口座のありかを告げて去る...シーン123から125のロケが花月園競輪場で行われたのは1986年11月26日。曇ってはいるものの地平線近くの空は晴れていて、いい画が撮れそうな予感に伊丹監督も興奮したようです。
ロケ地に向かう車の中から東の空を遠望するに、地平線の空、やや赤味を帯び、雲の切れ工合がまことに面白い。車の中で走り出したいくらいに気がせく。(『「マルサの女」日記』より)
というわけで、メインスタンドの最上段から、海沿いの工業地帯が見える東側の遠景をバックにふたりが会話するシーンが撮影されました。薄紅色から青みがかったグレーへの雲のグラデーションがきれいです。
昼の休憩を取っている頃から東の空が暗くなり、今度は西の空が好調に。権藤との会話の亮子のリアクションや、権藤が血で暗誦番号をハンカチに書きつけるところは、この西の空を背景に撮影されました。
そして、権藤が去り、亮子がひとりで見つめる、凄みのある色と光の背景も西の空です。
この頃西の空ただならぬ気配。雲割れ、ビーム生じてたたずまい朝の空をはるかに上廻る。チャンスは今だ。自然現象に待ったはない。直ちに、亮子と権藤のわかれにとりかかる。(同じく『「マルサの女」日記』より)
その日その時に花月園競輪場付近で起こった自然現象と、それに瞬時に反応したスタッフのみなさんの力量、それから宮本さんと山崎さんの演技によってできたすばらしい映像には、何度観ても引き込まれます。本多俊之さんのハードでミステリアスなテーマ曲も、この映画のしめくくりを盛り上げています。
これらの数シーンの撮影で精魂尽きた伊丹監督は、帰宅するなり棒のように倒れて、そのまま2時間ほど眠ってしまったとか...そんなエピソードも頷けるほど、強烈な衝撃と余韻を残す幕切れです。
『マルサの女』ラストシーンのロケハン資料、撮影予定表、伊丹監督による絵コンテは、企画展「メイキング・オブ『マルサの女』」でご覧いただけます。
学芸員:中野
2009.12.14 愛媛県松山市東石井1丁目にある2つの建物
記念館だよりをご覧のみなさんこんにちは。
年末でお忙しい時期かと思いますが、いかがお過ごしでしょうか?
先日伊丹十三記念館にとある大手の住宅メーカーの方が取材に来られました。
その会社の社内報に記念館を載せて下さるそうです。
みなさんご存知のとおり伊丹十三記念館を設計をされたのは建築家の中村好文さんです。
記念館には全国各地から中村さんの建築を見に来られる方が多くいらっしゃいます。
・一眼レフカメラを持っていらっしゃる。
・なかなか建物の中に入って来られず、外観の写真を熱心に撮っていらっしゃる。
・ご来館されるなり壁や柱などに触れる。
・展示室にお入りになるよりも先に受付や中庭などでお写真を撮られる。
・メジャーを取り出し、中庭のベンチの長さなどを計られる。
といった特徴を持っていらっしゃる方が多く、すぐに建築のお仕事をされている方であるとわかります。
話はちょっと逸れますが、私は建物を建てる仕事に大変憧れがあります。
「ものを作る仕事」自体に憧れがあるのですが、その中でも家を作る仕事をされている方には、特にいいな?羨ましいな?と思います。
自分の仕事が形になるっていいですよね。
ちなみに、伊丹十三記念館の隣には松山名菓「一六タルト」で有名な「一六本舗」をはじめとする「ITMグループ」の本社ビルがあります。この建物を設計されたのは、こちらも大変有名な建築家でいらっしゃる伊東豊雄さんです。
先日熱心に記念館の建築をご覧になっていた50歳代くらいの男性のグループがいらっしゃいました。
建築のお仕事をされている方だったのだと思いますが、このITMグループの本社ビルの話をすると「えっ!!伊東豊雄!!どこどこ??」とみなさん揃って記念館から駆け出していかれました。
大人になって駆け出すほど興味が湧くことがあるってステキなことですね。
それが自分の仕事に関することであるのなら、なおさらです。
スタッフ:川又
写真:ITMグループ 本社ビル
2009.12.07 夜泣き
みなさんこんにちは!お元気ですか?木山です。以前、『鯛めし』の事を記念館だよりに紹介したら、何人かのお客様に「あのお店はどこですか?」と聞かれ、ある方はプリントアウトまでして持ってきてくださって、ひとり言のように書いていたけど、読んでくれている人がいるんだぁ?と感動しました。今、読んでくださっているあなた、本当にありがとうございます。
早いもので、産休を終え、仕事復帰して5ヶ月が過ぎ、娘も1歳5ヶ月になろうとしています。赤ちゃんの頃は、あまり夜泣きもせず、なんて親孝行な子だ、なんておもっていたのですが、いつの頃からか夜泣きがはじまり、それがなかなか治まらず、母子共に寝不足の日々が続きました。
「何か原因があるのかな?」「どうやったらなおるのかな?」と考えながらも、「まぁ、いつかは落ち着くだろう」と思っていたところ、ふと、伊丹さんがエッセイの中で子育てについて書いてたなと思い出し読み返してみました。 『女たちよ!男たちよ!子供たちよ!』(1979年 文藝春秋社)は育児について色々かかれており、とても読みやすく、私の好きな1冊でもあります。子供ができてから読むとますます興味深かったり、なるほどと思ったり、それでいて思わずふきだしてしまうようなおもしろい内容になっています。 ちょうど、「夜泣き」という題名のエッセイがあり、次男の万平さんの夜泣きに伊丹さんが悩まされていた事が書かれていますが、これがまさに娘と同じなのです。
まだ話すことのできない娘は、「泣く」という行為で何かを訴えてきているのですが、夜中に起こされた私はモウロウとしながら、オムツを替えたり、ミルクをあげたり、抱っこしてみたり、しかし「違うよ?」と言わんばかりに、更に大きく泣き、ジタバタします。うちの娘は座ったままの抱っこでは納得せず、ちゃんと立ってゆ?らゆ?らと揺らしてやらないと泣きわめきます。気に入らないと近くにある物を放り投げて、怒りをアピールします。 そんな時、伊丹さんの「夜泣き」を読み返し、ハッとしました。
私は、突然、何かが判ったように思った。(中略)「つまり、コミュニケイションの不足だったのだ。(中略)マンペンの、さまざまな内容を持ったであろう訴えが「夜泣き」という一つの言葉によって引っくくられた瞬間、さまざまな訴えとして見えなくなり、訴えが見えぬ以上、泣き叫ぶマンペンは、ただ「夜泣きするマンペン」にしか過ぎず、この「夜泣きするマンペン」が親の否定的な態度ーマンペンを疎んじ、マンペンから逃げ、マンペンに対して心を閉ざしてしまうような心のあり方を引き出し、この心のあり方が更にマンペンの不安を増幅し従ってマンペンはますます泣き叫び、泣き叫ぶがゆえに親には更にそれが訴えとして見えにくくなる、という悪循環に陥っていたのではないかー
『女たちよ!男たちよ!子供たちよ!』より
その後伊丹さんは夫婦で話し合い、毎日長男の万作さんを寝かせてから一時間、万平さんとお話をすると決め、それを日課にしたそうです。すると、驚くことにその日から万平さんの夜泣きはとまったそうです。
思えば、仕事復帰して、真剣に娘と向き合っていなかったなと。かまってあげる時間が減った分、一緒にいる時間は精一杯内容の濃い時間にしなくてはと、休みの日はいろんなところに行って、一緒にいろんなことを感じたり、保育園の帰り道は「今日は何してあそんだの?」「今日は何が食べたい?」などと一方通行ですが、たくさん話しかけたり、歌を歌ったりコミュニケーションを増やしています。そんな日が続き、毎晩3,4回起きていたのが、今は1,2回に減り徐々になおってきているのかなといった感じです。 これからも伊丹流子育てを参考に、コミュニケーションを増やしながら、自分らしく子育てに励み子供と一緒に成長していけたらなと思っています。
『女たちよ!男たちよ!子供たちよ!』は現在は絶版になっていますが、当館オリジナルの「伊丹十三記念館ガイドブック」の中で、内容の一部を紹介しています。
スタッフ:木山
2009.11.23 道後寄席
急に冬めいてまいりましたがみなさんお元気でお過ごしでしょうか?行って来ました「道後寄席」!今日はその時の模様を少しお伝えしたいと思います。
去る11月15日(日)に道後にある松山市立子規記念博物館で『新・道後寄席 ?日本の青春?』第三夜が開催されました。この日宮本館長はゲストとしてお招きを受けており子規記念博物館の名誉館長でいらっしゃる天野祐吉さんと対談をいたしました。改めてチラシを見てみますとこの日のお話のタイトルは「ああ言えばこう言う」です。スタッフ同士「どんな話が飛び出すのかね?」とわぁわぁ言いながら夕方 記念館を閉めた後、大急ぎで会場へ向かいました。
会場である子規記念博物館に到着してみますと、いつもは重厚な雰囲気のロビーに寄席の雰囲気を醸し出す出演者の名前が刷り込まれたいろとりどりの幟が並んでいます。スタッフの皆さんは法被姿(!)や伊予絣の制服姿でお客様を出迎えておられます。今回は「お客さん」としてうかがった子規記念博物館ですがつい先日、伊丹十三記念館でも糸井さんの講演会を終えたばかりだったこともあり、主催者である松山市立子規記念博物館の関係者のみなさんのスムーズであたたかい心配りのある仕事ぶりに目を見張りました。
対談時間は1時間30分とありましたが、話に聞き入るうち時間はあっという間に経ってしまいました。二人のお話は「館長トーク」にとどまらず、天野さんの軽妙なリードによってぐんぐん広がってゆきます。その中で館長が継続してやっている習い事の話も飛び出しました。宮本館長は、「いろいろやってみて『向いてる!』と思ったものはずーっと続けている」そうです。続いている習い事の中の一つである「小唄」は「お料理番組の司会でご一緒した円楽さんに紹介してもらって始めた」そうです。その後しばらくして円楽さんに会った時「まだ小唄をやってるのかい。」と言われたとか。きっかけもびっくりですがそれ以来、子育ての間も毎日ちょっとずつ時間を工面し練習を続け、今も小唄を続けている館長に同じ女性として「かっこいい!」と思いました。ちなみに小唄は、ジャズとも通じるところがあるそうで、これは小唄とジャズの間を自由に行き来する宮本館長ならではの感覚ですね。天野さんは、「博物館や記念館というのは、『学びの場』であるよりは『遊びの場』であることがだいじだと思うんですよ。子規記念博物館と伊丹十三記念館とで松山を面白くしていきましょうヨ」というスケールの大きな話も飛び出し、なんだかうれしくなりました。
スタッフ:多胡
●松山市立子規記念博物主催『新・道後寄席 ?日本の青春?』
http://www.sikihakutomonokai.jp/05_yose/yose/yose21.html
2009.11.16 伊丹映画の光
「すっかり秋ですね」と口では言いながら、天気の良い日中には半袖姿で街をゆく、季節感ゼロの東北育ちです。先日、一緒に歩いていた友人に「こんなに人が大勢いるのに、半袖なんアンタだけやで!」と言われました。だって暑いんですもの...
そんな私が記念館の寒がり代表・川又さんと並ぶと、同じ国の同じ季節に生活しているふたりとは思えない奇妙な光景...というのは、もはや秋の風物詩になりつつあります。
暑からず寒からず(あくまでも、私にとっては、です)の気温ゆえに、ということもありますが、秋の日差しは眺めていて飽きることがない、ということからも、秋はいい季節だなぁ、と思います。(春の日差しもステキなんですが、眠気を誘われていけません。)夏のように何もかもがカッと照りつけられるのではなく、ものの輪郭がさっと発光するような、光の粒子の揺らめきが見えるような景色にはついつい目を奪われます。今日も中庭や前庭の木々が...あっ、仕事中仕事中...。
そんな秋の日差しから思い出されるのは、『マルサの女』(1987年公開)のシーン107。権藤の自宅にガサ入れに入った板倉亮子(宮本信子)が、家を飛び出した権藤のひとり息子・太郎くん(山下大介)を追いかけて行って、ススキの原っぱを歩く場面です。
少しシナリオを引用してみましょう。
二人ぶらぶら歩く。
亮子「このへん、まだ田舎の感じが残ってていいわね」
太郎「父さんと昔よくここでキャッチボールした」
亮子「そう—懐かしい?」
太郎「ウン、あの頃が一番良かった。
母さんも元気だったし、父さんも今みたいじゃなかったし」
どうです?思い出しましたか?
ススキの穂とふたりの髪がきらきらと逆光に映えて、お父さんへの思いを吐露する太郎くんと亮子の友情に似たしみじみとした関係を引き立たせているこのシーンは、1986年12月5日に撮影されました。
当初は11月27日に撮影されるはずだったのですが、その日はあいにくの曇天。「画がへたってしまう」とカメラマンの前田米造さんと照明の桂昭夫さんからストップがかかったために、12月5日に延期されたのだそうです。そして見事快晴。伊丹十三はこのシーンを「脚本的に弱いところ」と考えていたそうですが、心に残る美しい画になっていますし、映画が光の芸術であることがよく分かります。決して余裕のあるわけではない撮影スケジュールの中でも止めてくれた前田さんと桂さんに、伊丹監督はどんなにか感謝したことでしょう。
さて、今日(16日)は、マルサの女こと館長・宮本信子が記念館に来て、お客様をお迎えしております。みなさま、どうぞお越しになって、館の感想など宮本に直接お聞かせください。
写真上:見よ、このボリュームの差を!川又さんの上着(モコモコ)と私の上着(ペラペラ) / 写真下:「伊丹十三普及部長」の中学生・花ちゃんとお話する館長
学芸員:中野
2009.11.09 うぬぼれかがみ
記念館だよりをご覧の皆さんこんにちは。秋晴れの心地良い日々が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?
ところで皆さん『ほぼ日刊イトイ新聞』「伊丹十三特集」の中の、建築家の中村好文さんのコンテンツ内のコラム、「ようおいでたなもし 松山」はもうご覧になられましたか?
記念館スタッフがそれぞれ記念館周辺のオススメスポットを紹介しているこのコラムには、ほぼ日のスタッフさんが描いて下さった記念館スタッフの似顔絵がついています。それにしてもこの似顔絵、それぞれのスタッフにそっくり!
自分の似顔絵だけは似ていないなー、と思っていたのですが、周りの反応を見ているとやっぱり似ているようで・・・「自分のイメージしている自分」と「他人から見た自分」とはかけ離れていたんですね!
伊丹十三のエッセイに、まさしくこんな今の私に向けて言っている様な話がありましたのでご紹介します。
「鏡というものは、なかなか油断のできない代物であると思う。人を欺く、のである。つまり、人は鏡を客観的なものと思っている。鏡に映し出された己の姿を客観的なものと思っている。ハッハ、とんでもない。
中略 自分に都合の悪いところは、なんとなくぼやけて印象が薄くなり、自分のいいところ、気に入っているところだけが、殊更に誇張されて心に映る。
中略 しかも、相手が鏡であるから、その自分勝手な像を、いかにも充分に客観的な像であるかのように思い込むのである。」(『再び女たちよ!』 「うぬぼれかがみ」)
耳が痛いのですが・・・冷静な分析力はさすが伊丹十三・・・
『再び女たちよ!』や『日本世間噺大系』には、こんなふうに物事の核心をズバリ教えてくれる話や、こうなんとも言えないところを突っついてくる話が詰まっています。機会があったら是非読んでみて下さいね。
スタッフ:川又
2009.11.02 館長出勤
10月29日(木)・30日(金)と2日間、宮本信子館長が出勤致しました。月に1回ほどのペースで出勤していた館長でしたが、この夏は舞台「眉山」出演の為忙しく、今回は5ヶ月ぶりの出勤となりました。お客様もスタッフも心待ちにしていましたが、一番楽しみにしていたのは館長なのではないでしょうか?お客様と接するイキイキとした館長を見てそう思いました。今回は写真で、館長出勤の様子をお伝え致します。
館長、笑顔でお出迎え。
「ようこそ、いらっしゃいました?」
「え?!本物?!」
みなさん驚いてらっしゃいました。
展示室に入る前にお客様とお話で盛り上がっています。館長の周りは笑顔がいっぱい!
お客様も大喜びです。
記念館のシンボルツリーの「桂」の木について、館長直々に説明。お客様も熱心に聞き入ってました。
桂の木の葉っぱは今の時期、キャラメルのようなわたがしのような甘?い香りがしています。
出勤時にはかかさず、グッズの打合せをしています。
グッズにはとても力が入ってます。
決して、手をぬきません。
そんなこんなで、あっという間に2日間は終了致しました。館長はじっとしていられないようで、接客に、打ち合わせにと常に動き回っていました。おかげで、お客様のうれしそうな笑顔をたくさん見る事ができて、楽しい2日間でした。
次回は、11月15日に、松山市立子規記念博物館で行われる道後寄席出演の為来松予定です。翌日、16日には記念館に出勤致しますので、ぜひ、ご来館くださいませ。宮本館長はじめ、スタッフ一同心よりお待ち申し上げています。
2009.10.26 どんな秋?
10月も半ばを過ぎぐっと秋らしくなりました。みなさんはどのような秋を過ごしていらっしゃいますか。私の秋は、ほぼ日の「ようおいでたなもし 松山」の取材にはじまり、糸井さんの講演会、そして食欲の秋!と言ったところでしょうか。ここ何年かのマイブームを眺めてみると"発酵"というキーワードで繋がります。実際に作ってみているのは味噌やパン、キムチやヨーグルトです。みなさんがよくご存知の烏龍茶や紅茶、日本酒、納豆なども発酵食品の仲間で、「素材」と「麹や酵母・微生物」と「時間」が協力し合っておいしくなります。私が発酵食品に惹かれるのは、「麹や酵母・微生物」と「時間」を組み合わせることで、単体の「素材」からは味わえないおいしさが生まれるからです。
伊丹十三記念館は、先日10月23日に開館以来の入館者数が8万人を突破しました。来てくださったお客様お一人おひとりに改めて「ありがとうございます」という思いでいっぱいです。そして私自身、今ここにいられることを本当に嬉しく思います。
日々の仕事の中、生活の場で最近つくづく感じるのは、出会いの不思議さや出会いを通じて集まった人がそれぞれの持ち味を生かして動いたときに生まれる「発酵」のような力です。この力は一人ではとうてい為し得ないことを為し遂げたり、生み出したりすることを日々肌で感じています。はじめに伊丹十三という人がいて、宮本信子館長がいて、玉置泰館長代行がいて、松山に(!)伊丹十三記念館が出来ました。考えてみると本当に不思議で面白いことです。伊丹さんがやっておられた映画作りの最中にも「発酵」というか、「化学反応」がいろんな瞬間に起こっていたのではないでしょうか。
先日の講演会で糸井重里さんがおっしゃった「僥倖のかたまり」とは、「今、私が感じているこういう感じのこと」もきっと当てはまるんじゃないかなと思っているこのごろです。
スタッフ:多胡
●
館長・宮本信子が記念館に参ります。
ぜひ記念館に遊びにいらしてください!!
10月29日(木)14時頃?16時30分頃
10月30日(金)11時頃?15時頃
11月16日(月)11時頃?15時頃
(※当日の状況により滞在時間が
変更になることがありますのでご了承ください)
写真:左は、水遣りの最中にぴょこんと出てきたアマガエル。もうそろそろ冬眠の準備を始める時期では?とヒトゴトながら気になります。
2009.10.19 第1回伊丹十三賞 糸井重里氏によるトークショー
2009年10月14日(水)第1回伊丹十三賞 受賞記念講演会糸井重里氏によるトークショーが開催されました。
今回はこの講演会についてお届けします。
会場は松山市総合コミュニティーセンター・キャメリアホール。
定員900名のところ1,656名の方からご応募いただきました。
ご応募頂いた皆様、ありがとうございました。
開場時間は18時15分だったのですが、外では長蛇の列がはじまっており、
スタッフもお客様の「いまか、いまか」という表情に焦りを感じつつ、定刻通り18時15分開場いたしました。
舞台上には革張りでエンジ色の3人掛けのソファー、1人掛けのソファー、机が準備されました。実はこのソファーと机は館長室にある伊丹さんが愛用していたものを持ち込みました。会場内も準備が整いました。
さぁ、本日のゲスト糸井さんと聞き手の新潮社「考える人」「芸術新潮」編集長の松家さんの楽屋の様子をちらっとですが、のぞいてみましょう。糸井さん、松家さん、糸井重里事務所のスタッフの方、館長代行の玉置とともにとてもなごやかなムードでお話をされておりました。さすが余裕があるなぁと思いました。
19時の開演ベルがなり、講演会は幕をあけました。玉置の挨拶の中で伊丹十三賞の概要と、糸井さんが第1回伊丹十三賞に選ばれた理由などの話をさせていただきました。
糸井さんと松家さんが舞台へ登場し、会場内からの拍手とともに対談はスタートしました。
まず松家さんから
「正直にお答えいただきたいのですが、
伊丹十三記念館へいらしたことがある方?
手を上げてくださ?い。」
「では次に『ほぼ日刊イトイ新聞』を
ご欄になったことがある方?」
両方ともほぼ同数で約8割りぐらいの方々が手をあげておられました。
「実はどの程度、記念館についてや、『ほぼ日刊イトイ新聞』についてご説明すればよいかと思っていたのです。」と、松家さんから参加者へのこの質問で会場内の緊張がほぐれました。
ほんの少しではありますが私が「ナルホド!」と思った糸井さんのお話を紹介します。
伊丹十三記念館へ訪れた時の印象は
伊丹十三記念館に立った時にうれしい感じがまずあった。
あ?1人の人が生きてきて何かを表現してきたということが
こんな風にある意味称えられているっていう気がしましたね?。
ですからそこにまずは「あ?うれしいことだなぁ?」という形でみていて、
がそこで見ていること自体も、この受賞がなかったらなかったわけですから
縁の続きみたいなものを感じで、その喜びを感じると同時に、
これだけのものが建っちゃうんだ?高かっただろうな?
皆が協力しなければできなかっただろうということと、実現させる力も表現の内の一つだと語られました。
伊丹さんのエッセイの話し言葉について、
誰かにきいた話をそのまま、話し口調をいかしたような言葉を、結構上手に再現されるところが
すごく伊丹さんと共通していると思うのですが、 影響をうけたのですか?
うけたというよりまねっこだと思います。
話し言葉がもともと好きだったんです。
テレビの無い時代でしたから
家庭の娯楽がラジオで、
落語が好きで良く聴いていました。
耳から聞こえてくる言葉っていうのに
対しておもしろいって思ったのが
僕を作った原料だった気がする。
伊丹さんの話し言葉を文章にするという
のが現れ、これはあるんだと
伊丹さんがその場所をくれた人です。
言葉に対しておもしろいと思う発見をされていたんですね。
その後、考えることについてや『ほぼ日刊イトイ新聞』について語られ1時間30分はあっという間に過ぎていきました。
糸井さんから
最後に一言いいですか。
伊丹さんは独特の活躍をなさった方で、彼の軌跡がなければ
僕は今日皆さんにお会いできなかった。
途中にこの賞を頂くということが大変光栄なこととしてあった。
それをずーっとキープするために宮本信子さんという方がいらした。
さっき「ここにいることがうれしい」と話しましたが、
様々な僥倖のかたまりとして今のこの時間がすごせたということ、
妙に生真面目になってちょっと恥ずかしいですけれど感謝します。
ありがとうございました。
糸井さんからお言葉を頂戴し講演会は終演となりました。
私のつたない感想ですが、糸井さんは本当に「たとえ」が上手いなと思いました。
身近なものにたとえてくださるので私でもなるほど、そうなんだと難しい内容でも
納得できました。松家さんの聞き手としてのトークにも脱帽でした。
かゆいところに手が届くという感じで聞いてほしい事やそうそうと思う事を
話してくださいました。糸井さんが講演終了後すぐ舞台袖で、
「松家さんとだったらまだまだ話していられるなぁ?」とおっしゃっていました。
お客様からも「1時間30分はあっという間でした。短すぎる?」というお声もあり、主催者側としては嬉しい限りでした。
そしてご協賛もいただき、応援にもかけつけて
下さいましたITMグループのスタッフの皆様、
記念館としてもこのような大規模なイベントは
初めてでしたので、本当に心強かったです。
ありがとうございました。
最後に講演会を快くお引き受けくださり、貴重なお話を沢山していただました
糸井さん、松家さん、本当にありがとうございました。
私もこの講演会で刺激を受けて、明日への、いや人生の活力になりました。感謝いたします。
スタッフ 種岡
第1回伊丹十三賞
『ほぼ日刊イトイ新聞』伊丹十三特集 中村好文さんと歩く伊丹十三記念
写真1:館長室にある伊丹さんが愛用していたソファーと机
写真2:楽屋様子(左から糸井さん、松家さん、館長代行・玉置、糸井重里事務所スタッフ奥野さん)
写真3:開演前の会場を視察中
写真4:対談の様子
写真5:ITMグループスタッフの皆さんと
2009.10.12 YOKOSO!松山
みなさまこんにちは。
『ほぼ日刊イトイ新聞』の「伊丹十三特集」、ご覧くださってますか?10月6日から、糸井重里さんと中村好文さんの対談の連載が始まっています。
記念館でおふたりの対談が行われたのは、7月26日でした(そのときの模様はこちら)。ナルホド、あの時おふたりの間ではこんな会話が交わされていたのですね、と興味津々で毎日拝見しています。
ところで、この対談の連載には、「ようおいでたなもし、松山」というオマケコーナーを毎回つけていただいていて、記念館スタッフがお気に入りの観光スポットやお店を紹介しています。糸井さんと中村さんのお話をお読みになって「伊丹十三記念館に行ってみたいな」とお思いになった方が、記念館だけでなく、松山や近隣の町を楽しんでくださるような紹介文を目指しました。
が。これがですね、ひとことではちょっと言い表せないドタバタで...掲載のご許可と取材(のようなもの)のお願いに始まり、紹介文の作成に至るまで、山あり谷あり海もあり、てなもんで...普段、館にご取材のご連絡をいただくと「では企画書をお願いします」なんて当然のように言ってましたけど、イヤハヤ、大変なものです。何度か行ったことのある施設やお店でも、いざとなると知らないことがたくさんありましたし、外観写真を撮っても、時間によっては日差しの向きで上手く撮れず、後日また撮影に伺うというようなこともありました。
不慣れな私たちゆえ、各施設・各店の皆様は「大丈夫か?」と不安にお思いになったことでしょうが、快くご了解くださったうえに、貴重なお話をお聞かせくださり、本当にありがとうございました。
ほんの少しでも、松山を目指すみなさまの観光のお役に立てたなら、そして松山を楽しんでいただけたなら、何よりのことと思います。
学芸員:中野
写真上:「YOKOSO!」(見えますか?)な道後湯之町の住所表示 / 写真下:あまり「YOKOSO!」な感じではない道後公園の猫様
2009.10.05 防火訓練の話
記念館だよりをご覧の皆様こんにちは。
いよいよ10月に突入し、14日の糸井重里さんのトークショーが近付いてきました!お蔭さまで、当初の予想を上回るご応募を頂きました。
ご応募下さった皆様、誠にありがとうございました。
応募多数のため、スタッフによる大抽選会が先日行われました。
ご当選された方には、そろそろ参加証がお手元に届く頃かと思います。
さて、先日伊丹十三記念館では松山南消防署から消防士さんをお招きして、防火訓練を行いました。実際に火災報知器を鳴らし、119番通報をして、本格的な訓練を行いました。
訓練後には消火器の使い方も教えていただきました。使い方を事前に詳しくご説明頂いていたにも関わらず、実際に練習で使用した際、私はかなり慌ててしまいました。
説明を聞いたばかりだったというのに、なんとも情けない話です。
何ごとも実際に体験してみないとわからないものですね。
そういった意味でも、訓練はスタッフにとって大変貴重な体験になりました。
松山南消防署の消防士の皆さん、どうもありがとうございました。
スタッフ:川又
2009.09.28 糸井重里氏によるトークショーが近づいてまいりました!
9月の連休は皆様いかがお過ごしでしたでしょうか?
このような長い9月の連休は、次回6年後だそうです。
記念館にも大勢のお客様がご来館くださいました。ありがとうございました。
道後温泉も朝早くから大行列の様子を写真で見せてもらい旅人の気合いをを感じました。
旅は心も体もリフレッシュされて良いですよね。
さて、まもなく「伊丹十三賞」第1回受賞者糸井重里氏によるトークショーが開催されます。
この講演会用にポスターを作成し、いくつか候補があった中で最終的に伊丹さんと糸井さんが向かい合っている素敵なポスターになりました。出来上がったポスターを見て「伊丹さんと糸井さんの対談かしら?」と思う人もいるんじゃないかな?などとスタッフの中で笑い話もでました。また、糸井さんへ講演会の依頼した時に伺ったことで「普段は講演会などの仕事はひきうけないんですよ?」とおっしゃっていました。横浜からいらしたお客様も講演会のチラシを見て、
「糸井さんの講演会があるんですか!これに参加できる方はとても贅沢ですよ?参加したいが仕事なんだよな?残念!」と話されていました。
お蔭さまで定員900名を超えるご応募をいただいております。
今からどんなお話が飛び出すか本当に楽しみです。
講演会の様子はまた後日お伝えさせていただきます!
スタッフ:種岡
2009.09.21 記念館の庭
水不足!?と大騒ぎした梅雨も過ぎ、この夏は案外雨も降った松山ですが、9月に入ってからぱったり雨が降りません。農家の方も日々、暑さや寒さ、天候や虫と向き合いながら作物を育てる仕事ですから大変なのだろうな...と最近つくづく思うようになりました。記念館の周りに植えられた木々達も、あの夏の暑さを何とか無事乗り越えたのですから、元気に秋を迎えてもらいたくて、最近は天気予報とにらめっこしながら水遣りに勤しんでいます。記念館には周囲と建物の内側に庭があり、いろんな植物が植えられています。ご来館いただいた方ならピンと来るでしょうか?中庭の桂の木にはじまり、前庭のトサミズキ、ユキヤナギ、山桜・・・。中庭にはタンポポやクローバーも植わっています。広?い庭のある家に住んだ心地とでも言いましょうか。
前庭には芝も植えられていて、季節毎に小さな虫達も顔を出します。先日、水遣りをしていると前庭で小学校にあがる前くらいの虫かごを持った男の子に遭遇しました。「なに捕りよるん?」と声を掛けると「バッタ?」と教えてくれました。今ですと彼のお目当てのバッタの他にコオロギも見かけるようになりました。周辺に自然がいっぱいのせいか、館内にもトンボや蝶々、蜘蛛(!)がやって来ます。スタッフ内で「今日見た蜘蛛は、こんなに大きかった!」(手のひらを広げた位)とか「いやいや、そんなに大きくなかったよ?」(握り拳位)とか「素手で虫を捕るのはこわいから"虫捕り網"を常備しとかなくっちゃ」という声が挙がり、夏から秋にかけては、虫に関する話題に事欠きません。早朝には、桂の木も甘い香りを漂わせ始めました。だんだん秋になってきているんですね。秋が深まるにつれ、桂の木も紅葉してくることでしょう。秋は、糸井さんの講演会もありますし、宮本館長の道後寄席もあり、いろいろ楽しみがいっぱいですね。
スタッフ:多胡
宮本館長のテレビ情報をお知らせします。ぜひ、ご覧下さい。
☆この夏、東京
明治座で上演された舞台「眉山」がテレビで放映されることになりました!
●『劇場への招待』NHK教育テレビ
●放送日:2009年9月25日(金)
●放送時間:22:30?25:00
●JNN50周年記念スペシャルドラマ『天国で君に
逢えたら』
●放送日:2009年9月24日(木)TBS
●放送時間:21:00?23:04
2009.09.14 鯛めし
みなさん、こんにちは!すっかり季節は秋になり、と言いたいところですが、まだまだ日中は暑いですね?。
秋といえば、読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋...etc 私は断然、食欲の秋です。
記念館のお客様は県外から来られる方が多く、よく「愛媛のおいしいものは何ですか?」とか「愛媛に来たらこれは食べとかないとっていうものはないですか?」などと聞かれます。そこで今回は私がおすすめする郷土料理をご紹介させていただきます。
愛媛の郷土料理といえば、さつま汁や、鯛そうめん、みかんずし、じゃこ天...などとたくさんあるのですが、その中でも私のいちおしは『鯛めし』です。愛媛では2種類の鯛めしがあり、愛媛県南予地方の宇和島では、特製の甘いしょうゆ味のたれに卵黄をとき、その中に新鮮な鯛の刺身をつけこみ、炊きたてのごはんにぶっかけて、お好みの薬味をそえていただきます。これが、もう本当においしいんです!口に入れた瞬間「う?ん!!」てうなるおいしさです。 そしてもうひとつの鯛めし。中予地区の松山北条あたりでは、豪快に鯛を丸ごと1匹昆布の上に置き、ごはんと一緒に炊き込みます。味つけはだしとしょうゆのみというシンプルなものですが、鯛からでるだしは何とも言えない風味と潮の香りで食欲をそそります。
記念館より南へ徒歩5分の所に「北斗七星」というレストランがあります。こちらの店で、この2種類の『鯛めし』両方ともいただく事ができます。尚、炊きこむ方の鯛めしはお1人用の釜めしになっており、鯛は切り身となっております。あと、展示室から出てこられたお客さまがよく「親子丼が食べたくなっちゃた?」と言われていますが、「北斗七星」には、宮崎産の桜姫鳥(さくらひめどり)を使用したおいしい親子丼もありますよ。なんで、親子丼が食べたくなるかって?それは来てのお楽しみ??。ぜひ、記念館で体感してくださいませ?。
北斗七星 【宇和島の鯛めし定食】
スタッフ:木山
2009.09.07 もう1年?まだ1年?
9月になりました。夏の楽しい思い出を糧に、みなさまお仕事やお勉強に勤しんでいらっしゃることと思います。私のこの夏の思い出はと申しますと、ただただ「暑い」のひとことにつきます。「昨年に比べれば何てことなかった」とか「いやむしろ冷夏だった」とかの声も聞こえてきますが、毎年が記録的猛暑のように感じられてなりません。
そういうわけで、「暑い」以外に書くべき近況も思い当たらず、「去年は何を書いていたのかな」とバックナンバーを見てみますと、『知るを楽しむ 私のこだわり人物伝』の告知をしておりました。そうでしたそうでした。ああ...ついこの間のことのような、太古の昔のことのような...もう1年?いや、まだ1年?
サテ、今年も秋に向けてお知らせがあります。
BS-2の月イチお楽しみ番組『日めくりタイムトラベル』(毎月第2土曜日)で伊丹十三の監督作品が取り上げられます。
この番組は、昭和のある1年にスポットを当て、その年の事件事故流行を「日めくり形式」で網羅する、というものです。自分の記憶している年について取り上げた回は「そうそう!あったあった!」と懐かしさについ興奮しますし、生まれるよりだいぶ前の年の回は「へぇ、この事件ってこういうことだったの」と歴史モノとして楽しめます。
10月は昭和60年の特集で、当時のグルメブームを映画『タンポポ』を元に紐解いていくコーナーがあるのだとか。1985年といえば、グルメブーム以外にも、阪神タイガース初の日本一、KKコンビ(桑田・清原)の甲子園優勝、ラグビー新日鉄釜石7連覇、つくばの科学博、プラザ合意、そして日航機墜落事故など、いろいろなできごとがあった年。どんな番組になるのでしょうか?そして、グルメブームはどのように語られるのでしょうか!?今月12日(土)は「昭和55年」で、来月10日(土)が「昭和60年」です。ちょっぴり先ですが、ぜひご覧ください。
『日めくりタイムトラベル』「昭和60年」
2009年10月10日(土)20時?23時
それから、第1回伊丹十三賞受賞者・糸井重里さんの講演会開催が決まりました!!テレビでしばしばお姿を拝見するので意外に感じますが、糸井さんが講演なさるのはたいへん珍しいことなのだそうですよ。そんな糸井さんの生のお話を松山で聞くことができるなんて、ハレー彗星より皆既日蝕よりすンごいことかもしれません!!参加ご希望の方は9月30日までにご応募ください。(詳細・ご応募はこちらから)
『ほぼ日刊イトイ新聞』の「伊丹十三特集」も、もうすぐ秋の陣が始まります。こちらも楽しみです。
余談ではありますが、去年の記念館だよりには、「オリンピックが終わり」云々ということも書いていました。北京オリンピック!ありましたありました!すっかり忘れてましたけど!もう1年?まだ1年?
ボルトがどんなに速く走ろうとも、陸上短距離の金メダリストといえば「カール・ルイス!」と答えてしまいそうな私、今晩寝て起きたら、明日にはお婆ちゃんになっているのではないか、ちょっと心配です...。
学芸員:中野
2009.08.31 手拭いの話
みなさんこんにちは。
今日でとうとう8月も終わりますが、今年の夏はいかがお過ごしでしたか?
記念館は、例年同様帰省や観光のお客様で賑わいました。カフェの夏メニューも大人気でした。
グッズショップで今年の春から発売が開始された『手拭い』も、人気がありました。
突然ですがみなさん、日常生活で手拭いはお使いになりますか?
私は毎日使っています!
近頃の一番のおススメの使用方法は、洗髪後の濡れた髪の毛を拭くこと、です。
タオルドライ後に手拭いで水気を吸い取ってからドライヤーをかけると、ドライヤーをかける時間が半減(するような気が)します。
この方法をインターネットで頑張って調べてみたのですが、あまり一般的ではないようでした。(もしかしたら髪に良い方法ではないのかもしれないのですが)時間短縮にはおススメです。
そもそもちょっと前の日本にはドライヤーも無かったんですよね。
「自分が生まれたときから当たり前にあるけれど、たった100年前には無かったもの」というのは実にたくさんありますが、調べてみますと手拭いはなんと鎌倉時代からあったという説もあるそうですよ。日本の風土や生活にあっているのでしょうね。
スタッフ:川又
2009.08.24 もし入院することになったら
突然ですが皆さん、入院をされたことはありますか?
私は小学校1年生の時に盲腸で1週間入院をしました。
この時の記憶と言えば手術の途中で麻酔がきれたことです。
それは縫合している時に起こったのですが、激痛とともに泣き叫びました。
子供でも腹筋はあり、暴れるので縫合してもすぐに広がってしまい大変だったそうです。
人よりやや大きめな傷跡が残りました。
というのは余談で、私の姉も今入院をしているのですが、もし自分が入院をするような事があったらこうしてほしいという事を色々思いつきました。周りの人には伝えているのですが、少しでも何かの時にご参考になればと思い一部ご紹介します。
口も聞けない、片手がやや動くような状態を想定
(1)五十音順を紙に書いてほしい。あいうえお、かきくけこ、さしすせそ......。
指で文字をさして意思表示をしたいのです。「かゆい」とか、「ねむい」とか
(2)髪の毛は切ってほしい。
手術後は入浴などしばらく無理なので、対策として1度はやってみたかった
念願のスポーツ刈りを希望。ただし3ヶ月以上入院する場合でお願いする。
(3)漫画の差し入れ。
簡単に読めるもの。「美味しんぼ」「天才バカボン」「ガラスの仮面」など
なるべくめくりやすいように大きいサイズを希望。
(4)お笑いDVDと DVD再生プレーヤーの差し入れ。
普段はあまりお笑いのDVDは見ないのですが、笑いは脳に刺激をあたえるので見る。
(5)連絡してほしい人のリストを作っておくので知らせてもらう。
今のところ、このような事を思いついております。
また、病気と闘うという事は患者と担当医の信頼関係も大事だなと痛感しております。
伊丹さんは7本目の監督作品で『大病人』という映画を製作しました。
患者と医師について「この二人の対立を極限まで高め、人格同士の激しいぶつかり合いの結果、最後には二人がスタートとは全く別の高いレベルにまで成長する、というふうに設計しました」と映画パンフレットのインタビューに書いています。病気と闘うということは大変ですが、本人も周りの人間もどんな形であれ、成長していくんですよね。
働けるということは素晴らしいですね。体が自由に動くということも。
新型インフルエンザの流行宣言も出されました。
残暑がつづき、疲れがどっとでやすい時期です。
皆さま、どうぞご自愛くださいませ。
*映画『大病人』とメイキング『大病人の大現場』
スタッフ:種岡
2009.08.17 残暑お見舞い申し上げます。
暑い日が続いておりますがみなさまお元気でお過ごしでしょうか。
記念館へお見えになるお客様にも大きな荷物を持った「旅の途中です」といった風情の方が目立つようになりました。夏休み、旅の季節ですね。私もこの「暑いあつい時期と旅」という組み合わせがなんとも好きです。列車に乗ってどこかへ行きたいなと思うのもちょうど今ごろです。
さて、今日は宮本館長の近況をお知らせしたいと思います。
松山の道後温泉の近くにある子規記念博物館で毎年行われている『新・道後寄席』に出演することになりました。この催しは、平成15年から始まりました。今年は9?2月にかけて開催されるそうです。毎月異なるゲストが出演し、お話をします。宮本館長は11月15日に登場します。子規記念博物館の名誉館長でいらっしゃる天野祐吉さんと対談形式でお話しする予定です。ちなみに今年の道後寄席は宮本館長のほか9月27日に役者のイッセー尾形さん、10月17日に作家の高橋源一郎さん、12月5日に講談師の神田紅さん、2月19日に落語家の立川志の輔さんが出演なさるそうです。記念館スタッフとして、また地元松山に住む者として、秋が来るのが今からとても楽しみです。
↓チラシはこちら!
道後寄席チラシ.pdf
そして現在は舞台出演の真っ最中です。出演作品は『眉山-びざん-』です。この作品は2007年に映画にもなりましたね。徳島を舞台にしたお話で、ご覧になった方も大勢いらっしゃることでしょう。劇中見られる、徳島の阿波踊りの様子も迫力があって本当にきれいでしたね。映画に引き続き宮本館長は、娘「咲子」のお母さん「河野龍子」を演じています。8月1日から東京の明治座で公演が始まりました。8月21日からは名古屋へ、9月には四国・徳島での公演が予定されているそうです。
8月の夏休み真っ最中ですが、宮本館長の留守をしっかり守りつつ、記念館は開館いたしております。みなさん、夏休みの1日を過ごしに、是非遊びにいらして下さい。
スタッフ:多胡
◇『新・道後寄席』
・会場:松山市立子規記念博物館4階講堂
・日時:11月15日日曜日 18時30分?
・問い合わせ先:松山市立子規記念博物館友の会
「新・道後寄席」係
(電話:089-931-5566/FAX:089-934-3416)
http://www.sikihakutomonokai.jp/05_yose/yose/yose21.html
◇舞台『眉山-びざん-』
・(東京)明治座:8月1?18日
・(名古屋) 中日劇場:8月22?8月27日
・(徳島市)徳島市立文化センター:9月11?13日
2009.08.10 新メニュー登場
こんにちは!カフェ担当の木山です。
本当に毎日暑い日が続きますね?。「暑い!暑い!」と言ったところで暑さが和らぐわけでもないのに、ついつい口走ってしまう今日この頃です。みなさんはこの暑さをどのようにしのいでいらっしゃいますか?そこで!カフェタンポポでは、この夏を楽しもうと新メニューを登場させました。
南国の雰囲気漂うマンゴージュース、そして4種類のアイスクリームとシャーベットの中から、お好きなものを2種お選びいただくという、その名も『選べるアイス』。
当カフェでは、みかんジュースの飲み比べや選べるアイス等、お客様に楽しんで頂けるようなメニューを考え、実施中です。ぜひ、カフェを楽しみにいらしてください。
選べるアイスは、パルフェ、抹茶アイス、紅茶アイス、マンゴーシャーベットの4種類の中からお選びいただけます。内容は季節により変わる予定ですのでお楽しみに!
<選べるアイス>
*パルフェ...卵をたっぷり使用した本格派フレンチバニラカスタード
*抹茶アイス...厳選された抹茶を使用し、甘味とほど良い苦みが絶妙のバランス
*紅茶アイス...香り高い紅茶を使用した本格ミルクティアイス
*マンゴーシャーベット...アルフォンソマンゴーピューレを使用した濃厚シャーベット
まだまだ暑い日は続きますが、みなさまそれぞれの夏の楽しみ方を見つけ、猛暑を乗り切っていきましょう?!
スタッフ:木山
2009.07.30 イトイさん、乗組員さん、やぁ、いらっしゃい
7月10日の記念館だよりで少雨を嘆いてから、雨のよく降る松山です。
普段はゆるゆるとした流れに鯉や亀の姿が見え隠れするのどかな小野川(記念館のすぐ側を流れている川です)も、雨の後は増水して、いろんなものが流されてきます。ある日などは、オレンジ色の丸いものが急流にもまれながら近付いてくるのを「まさか...ミカンじゃないよね」とよくよく見ると、やっぱりミカン。後を追うようにしてさらに2個流れてきました。さすが愛媛。(海岸でもミカンが打ち上げられているのをしばしば見かけますが、他のミカンどころでもよくあることなのでしょうか。)
記念館に糸井重里さんと「ほぼ日」乗組員(「ほぼ日」では、スタッフのことを"乗組員"というのだそうです)の「シェフ」さん「りか」さん「トリイ」さんがいらっしゃったのは、そんな風にミカンが流れていったおよそ1時間後のことでした。
現在、糸井さんが編集長をおつとめのインターネットサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」で伊丹十三特集をしていただいていまして、伊丹さんにゆかりのある方たちのお話が日々続々と更新されています。
今までに登場した方を挙げますと...
●テレビマンユニオン・浦谷年良さん
●作家・村松友視さん
●伊丹プロ社長・当館館長代行・玉置泰
●テレビマンユニオン・佐藤利明さん
●イラストレーター・矢吹申彦さん
今回は、記念館を設計した建築家の中村好文さんと糸井さんの対談を「現地」で行いましょうということで、ご一行様のご来館とあいなったのでございます。
京都でのお仕事を終えて駆けつけてくださった中村さんが合流して展示室へ...伊丹さんの「やぁ、いらっしゃい」の写真がみなさんをお出迎え。
中村さんのお話も面白かったですし、それを聞く糸井さんの反応も「さすが」という感じでシビレました。何というのでしょう...感心力と関心力が抜群に強い方なんだな、と感じました。それをひとことで(しかもシンプルなことばで!)まとめてあらわすのも、もう、ほんとうに一瞬で...。糸井さんの頭の中に隠してあるブラックボックスを見てみたい!と思いました。
常設展示室と企画展示室、カフェをご見学いただいた後は、ミーティングルームで対談。日頃から「糸井さんとゲストはどんな雰囲気でお話なさっているのかしら」と気になっていましたが、そうか、なるほど、結構オットリふんわりした空気なんですね、と納得しました。脳ミソを稼動させながらも、ふんわりしているのって、なかなかできることではありません。(そういえば、乗組員の方々も柔和な方ばかりです。見習いたい...。社風なんでしょうか。)
そんなこんなの対談でどんなお話が飛び出したかは「ほぼ日」での掲載をお楽しみに!私も楽しみです!!
オマケ:あるお客様曰く「何か取材が入ってるな?とは思ってたけど、『メイちゃんのお父さんの声がする!』と思って見てみたら糸井さんだった!」と。この話を聞いてから、『となりのトトロ』が観たくてしょうがありません。
写真:(奥左から)糸井さん、中村さん/(手前左から)トリイさん、りかさん、シェフさん
学芸員:中野
2009.07.20 仕事復帰
育児休暇を終え、無事に復帰させていただきました。
少人数で運営している記念館で、1年間も休ませて頂き、スタッフには多々迷惑をかけたにも関わらず、あたたかく迎えてもらい感動の初日でした。ここは、本当に伊丹さんのお家だなぁとつくづく思い、「伊丹ファミリーサイコー」と中庭で叫びたい気分でした。
大人になってからの1年は、「今年も変わりなく終わったなぁ」という年もありますが、
赤ちゃんの1年というのは目まぐるしいもので、はじめは寝ているだけの赤ちゃんだったのに、寝返りをし、ハイハイをし、つかまり立ちをし、歩きはじめてと、すさまじい進化をします。子供ができて、今までの生活はガラっと変わり、価値観や考え方も少し変わってきました。見慣れていた記念館の周りの風景もなんだか新鮮で、空を見上げて深呼吸をすると、なんとも言えない気持ち良さでした。
伊丹さんの本で『小説より奇なり』の中の「人世劇場 孤軍奮闘篇」は主婦二人がお産の体験談を語っています。産後に読み返し、初めて読んだ時は、「ヘェ?」という感じだったのが、「ソウ!ソウ!」に変わり、ニヤリとしている自分がいました。
何はともあれ、生命の誕生という神秘的な場面に立ち会え、経験できた事は私の人生において、すばらしい宝になり、我が子の存在は仕事への活力になっております。
髪型も『マルサの女』の板倉亮子風にし、Caféタンポポの新メニューも張り切って考案中です。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
スタッフ:木山
2009.07.10 伊丹映画の雨
1ヶ月ほど前の松山は「断水カウントダウン」状態でした。工事のための断水以外は経験したことのない私にとって、日常的に断水が行われるという事態は想像を超えた部分が多く、頭の中に有事ランプが点灯、「11時にお水が止まるから、10時までにはご飯をすませて洗い物...ああ、洗濯もしなくちゃ...」とか「いざとなったらお水のたくさんある隣町に逃げよう」とかとシュミレーションしていました。
ある日の帰り道、スーパーで大々的にお水のタンクを売り出しているのを見て、「やっぱり、あった方が安心よね...」と20リットル・コック付きのものを購入。断水のための出費なんてしなくてすむ方がいいに決まってるんですが、「有事のために対策している私!」に若干興奮しながら帰宅すると、「明日から予定されていた時間断水は、そこそこ雨が降ったので中止」というニュースが...。
あれ以来、松山でもぼちぼち雨が降って、地下水位もダムの水位もだいぶ回復しました。よかったです、本当によかった!でも、雨の日に部屋の隅でホコリをかぶりはじめているポリタンクが目に入ると、有事を前に冷静でなかった自分を思い出して、何だか苦い気持ちになるのです。
ところで、雨といえば、伊丹映画には印象的な雨のシーンが多数あります。
例えば監督デビュー作の『お葬式』。
妻の父の訃報を受け、豪雨の晩、車を飛ばして病院に向かうシーンがあります。走っている車同士でサンドイッチを受け渡しする、あのシーンですね。
あのシーンは、人工の雨と、スタジオの中に停めてある車を使って撮っているんです。それなのに、あんなに疾走感があるのはなぜでしょう?ポイントは雨の降らせ方にあるのです。
普通に上から雨を降らせてみても、車が走っている感じが出ず、悩んだ結果...
「やむなく思いつきで、雨を下から降らせてみたところ、カメラがやや俯瞰気味であったこともあって、車の正面から吹きつけると、画面の中の車は俄然フルスピードで走り出したかの如く見え始め、一同歓声を上げる」(『「お葬式」日記』より)
そして翌日のラッシュでは
「サイレントのラッシュであるにもかかわらず車がぐいぐいと走り、スタッフから思わず感嘆のどよめきが洩れる。(中略)この上はカーチェイス全体をセットで押し切ってしまおうと、興奮して話しあう」(同じく『「お葬式」日記』より)
それから、『マルサの女』にも。
ゴミ収集車を追跡して、ゴミの山から脱税の証拠になる書類を掘り出すシーンは、実際のゴミ処分場でのロケ(きっと壮絶な臭いだったでしょうねぇ)でした。
スタッフが人工の大雨を降らせて、ライティングにも苦心して(逆光でないと雨の粒は写らないのです)、演じる俳優はズブ濡れになりながら本当のゴミにまみれて、どうにか撮影を終了。監督も
「きつい撮影だったが、撮影というのはどんなにきつくても基本的に遊びである。今日は一日楽しく遊んだ」(『「マルサの女」日記』より)
と書いていますが、なんと、現像してみるとフィルムに傷が入っていてNGに...。後日、撮影所の一角に集めてきたゴミを積んで撮り直した、なんていうお話も1月の上映会で宮本さんから飛び出しました。
映画の世界は作り物の世界だと、伊丹監督は語っています。モノにせよ、ヒトにせよ、本当のことのように「作って」画面の中に存在させなくてはなりません。
雨、雪、風...自然現象の場合も「作る」のは大変です。現実に起こる自然現象に対する観察眼と、画面の中に「らしく」表現する創造力が問われます。
現実の世界でも映画の中でも、「ふつう」の雨がただの雨に見えない今日この頃です。
学芸員:中野
*写真は、少雨にもメゲずに花を咲かせたド根性ミント+ハチ。
*「ほぼ日」で、伊丹プロ社長・当館館長代行玉置のお話連載中です。
2009.06.30 『13の顔を持つ男』
みなさんこんにちは。明日からはとうとう7月ですね。
『7月』ってなんだか、もうその響きだけでワクワクしてきませんか?「これから夏が始まるぞ!!」という感じで。
「これから新しい季節が始まる」時は、これまでにその季節に経験した楽しいことがいろいろワーッと思い出されて、私は無性にワクワクするのですが、みなさんはいかがですか?
こんな時は「『物より思い出』とは、よく言ったものだな?」としみじみ感じます。
さて話は変わりますが、近頃私はと言いますと、「通販職人」と化し、日々伊丹十三記念館のオンラインショップへのご注文の対応をしています。
と言いますのも、先日伊丹十三賞を受賞された糸井重里さんが運営されているウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」で、6月8日から伊丹十三特集が始まり、記念館のオンラインショップのリンクを貼って頂いたからなのであります。
これまでも、「知る人ぞ知る」幻の(?)DVDであった『13の顔を持つ男』に、その日からご注文が相次いでいるのです!
このDVDは以前から、伊丹十三記念館のグッズショップと記念館オンラインショップのみの販売でありながら、各方面で好評を頂いておりました。
伊丹十三の幼少期から、様々な仕事で活躍したその仕事ぶりや、伊丹十三をよく知る方々のインタビューなどが収録されています。
このDVDを制作したのは、日本最初の独立テレビプロダクションとして有名な「テレビマンユニオン」という会社であります。この「テレビマンユニオン」とは、名前を聞くと誰もが知っている、有名で人気のあるテレビ番組数々の制作を手がけている会社なのです。そんな会社の作ったDVDが記念館限定で販売されているなんて、なんとも贅沢な話ですね。
なぜ、そんな会社がこのDVDを制作するに至ったのかは、先日「ほぼ日」で糸井さんとの対談をなさったテレビマンユニオンの浦谷年良さんが熱く語っておられますので、是非ご覧下さい。
浦谷さんは伊丹十三が映画監督になるよりも前、テレビ番組の制作に興味を持ち仕事をしていた時期に、一緒にお仕事をなさっており、当時の伊丹十三から大変影響を受けられたそうです。
スタッフ:川又
2009.06.20 植物も人間にも成長には太陽が必要ですね!雨も?
松山は雨が恋しいほど晴れの日が続いております。ニュースを見ていて豪雨の地域の映像を見ると「お願い?少し、こっちにも?」と思います。
さて皆さん、買い物は好きですよね?特に私はスーパーでの買い物が大好きで毎日行きます。野菜売場と鮮魚売場では五感が働き、新鮮な食材を目にするとつい、"にやっ"としてしまいます。この間もスタッフの一人に目撃されていて「種岡さん、魚売場で"にやにや"してたから、声かけられなかったよ?!」と笑われました。その時は太刀魚がまさに刀のように美しく整然と並んでおり、どれにしようか選んでいたところでした。記念館の近くにあるスーパー『セブンスター』では三枚におろしたりなど、魚を調理してくれます。しかも「どれがいいですか?」と聞いてくれて「これにします!」と言えるところがまた良いのです。
また少し前から食材の足しになるように、ベランダに野菜を植え始めました。お手軽方式で根っこがついているネギを買い、根だけざっくりと植え、にょきにょきのびてきたところをいただきます。ちょっとした時にとても便利です。他にサラダ菜、ルッコラ、ニラ、ローズマリーがあり、今、成長が楽しみなのがゴーヤです。この苗もスタッフのお母さんに分けてもらって挑戦しています。
宮本館長も自身のホームページの「タンポポ便り」に書いていましたが、頂いた梅の木を庭に植えはじめ、今年は8個の実をつけたそうで「梅酒!」っと思ったそうです。
植物も人間にも成長には太陽が必要ですね。雨も?!強い日差しは続きますが記念館の中庭にありますベンチはちょうど日陰になり、とても心地よい空間です。桂の木も根を大きく張り日々成長しております。ぜひ記念館へいらしてくださいませ。
*ゴーヤ サラダ菜・ネギ
スタッフ:種岡
2009.06.10 ほぼ日に伊丹さんのコーナーOPEN
6月に入りました。みなさんご存知でしょうか。8日月曜日から糸井重里事務所の運営するインターネットサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」で伊丹さんのコーナーが開設されました。トップバッターは伊丹さんがテレビマンとして活躍していたときに一緒にお仕事なさったテレビマンユニオンの浦谷年良さんです。浦谷さんのおはなしは全9回の予定だそうです。これからも引き続いて伊丹さんにゆかりのある方が順に登場予定です。もちろん! 宮本館長も出演を予定しておりますのでどうぞお楽しみに。みなさん是非、ご覧下さいね。
サイトアドレス:http://www.1101.com/itami/uratani/index.html
それから、松山では今月の12日から夜間給水がストップするとか・・・。松山は今、水不足なのです。冬から春にかけ、結構雨は降っていると思っていたのですが、まだ夏も来ていないのに夜間、給水ストップとは驚きです。前回の水不足の時のいろいろなことが思い出されます。ちょっと調べてみますと、前回の水不足は1994年の夏のことでした。もう15年も前のことなのですね。「蛇口をひねって水が出ない」という事態に遭遇したことがなかったためこの時初めて「水もいつかは無くなるものなんだ」ということをひしひしと感じました。そんなことが思い出され、昨日の入浴時からは、ささやかですが張るお湯の量を減らすことにしました。あめあめフレフレ♪ですね。 担当:多胡
※写真は、記念館の前を流れる小野川です。
川にはさらさらと水が流れているのですが・・・。「ほぼ日刊イトイ新聞」情報
<タイトル>天才学級のきざなやつ?
(浦谷年良さん全9回)
第1回:6月8日(月)
第2回:6月9日(火)
第3回:6月10日(水)
第5回:6月12日(金)
※土・日曜日はお休み
第6回:6月15日(月)
第7回:6月16日(火)
第8回:6月17日(水)
第9回:6月18日(木)
2009.05.30 初夏、理想的な休日(花も団子もあればなおよし)
新聞・雑誌・テレビの取材を受けると、「みどころ」をたずねられることが多々あります。それとは別に「個人的に気に入っているところはどこですか?」という質問を受けることもしばしば。
「一番おススメの伊丹映画はどれですか?」と聞かれるときと同じぐらい迷ってしまいますが、イラストやレタリングの原画があるからこそタッチや修正した箇所—伊丹十三の痕跡—がつぶさに見られる、という点がまずひとつ。そして、展示室にお客様の笑いがあるところもお気に入りです。
美術館や博物館へ行くのは、何かとてもシリアスで高尚なことだと構えてしまう...そんな方もおいででしょうけれど、もちろん、心静かに書画を愉しむというのもすばらしいことなのですけれど、何せここは「伊丹十三の家」なのです。リラックスして「わぁ」「へぇ」「おぉ」と楽しんでくださいましたら何よりです。
さてさて、お客様が一体何をご覧になって笑っていらっしゃるのかといいますと...
例えば、珍妙な発明品を携えて伊丹さんが旅をする『遠くへ行きたい』の名場面集。
例えば、小学校入学を控えた息子さんに「消しゴムにも正しい使い方があるのだと伝えたい」と熱く語るテレビコマーシャル。
例えば...(以下、上記同様、大真面目にトボける伊丹さんのユーモアあふれる映像の数々...)
見知らぬお客さま同士が並んでひとつの映像を見、ハハハフフフと笑う。映画館のようでステキじゃありませんか。展示室から笑い声が聞こえてくると、「ああ、こういうのっていいなぁ」としみじみ感じるのです。
昨日、道後へ行きましたら、道後公園の池に蓮が一面に咲いて見事でした。商店街を覗いてみると、湯かごを下げた浴衣姿の人々が、湯あがりの爽やかな空気を漂わせて歩いていました。暑からず寒からずの季節、池には蓮、湯上り爽快。寒い冬に温泉で温もるのも何とも言えない至福の時ですが、今頃の季節も温泉向きですね。
お湯でサッパリ、記念館で笑ってスッキリ。理想的な休日。
私はといいますと、湯の備えを持たずに家を出たことを少しく後悔しつつ、蓮の池を前に、ジュンサイの酢の物またはお味噌汁...レンコンの肉詰めあるいはきんぴら...そんなことを考えておりました。まったく花よりナントカです。
※道後温泉からのアクセス
お車:松山環状線などから国道33号線に入り高知方面へ。「松山ICまで2km」の緑色の標識付近にある「天山橋(あまやまばし)交差点」で左折すぐ。(所要時間15?20分)
公共交通機関:路面電車で大街道または松山市駅へ。伊予鉄バス・砥部方面行きへ乗り換え、「天山橋」停留所下車。徒歩2分。(所要時間15?20分)
写真上:あなたは「ハハハ」派?「フフフ」派?それとも「ニヤリ」派?な常設展示室の映像コーナー/写真下:道後公園の見事な蓮
学芸員:中野
2009.05.20 伊丹十三記念館開館2周年と来館者数7万人突破のご報告
みなさんこんにちは!
先日2009年5月15日、伊丹十三記念館は開館2周年を迎えました。そうしてその翌日の5月16日には、オープンからの累計来館者数が7万人を突破いたしました。これもひとえに皆様のご支援の賜物と存じ、スタッフ一同厚く御礼申し上げます。
記念館がオープンした2年前の今頃は、毎日とにかく目が廻るほど忙しくて大変で、今まで背負ったことのないような大きな荷物を背負った気がして「しないといけないことが100個くらいあるのに時間がない?これは大変なことになった?」と一人で慌てふためいていてあちこちで大騒ぎしていたのですが、こうして、7万人ものお客様が来てくださったこの2年間を経て、今日も無事平和に記念館が開館していることが、本当にその頃から考えると夢のような話だと思います。
2周年記念日には、多くのお客様がお祝いを言ってくださったり、近隣のミュージアムの館長さんが花束を持ってお祝いを言いに来てくださったり、以前伊丹十三を取り上げた番組を作ってくださったテレビ局の方からお祝いのメールが届いたり、以前勤めていたスタッフがお祝いを言いに来てくれたり、と本当に嬉しいことがたくさんありました。
記念イベントの『収蔵庫ツアー』や、その取材に来てくださったマスコミの方々、それに加え宮本館長の出勤などで、記念館は2周年記念日、それは伊丹十三が生きていれば76歳になる誕生日の日だったのですが、大変にぎやかでおめでたい雰囲気の中迎えることができました。
伊丹十三記念館は、この2年間に負けぬよう、今後も躍進していきたいと考えています。 今後ともなにとぞ、開館3年目に突入した伊丹十三記念館を宜しくお願いいたします。
スタッフ:川又
2009.05.10 もうすぐ二周年
こんにちは。ゴールデンウィークも終わり記念館の周辺もすっかり緑が濃くなってきました。通勤路ではミカンの花がふんわりと、よい香りを漂わせています。
伊丹十三記念館は、まもなく2周年を迎えるので少しずつ準備を進めているところです。記念館は2007年5月15日、伊丹さんの誕生日にあわせて開館いたしました。
2周年を記念して、今年も昨年好評を博した収蔵庫ツアーを企画しています。当館の「収蔵庫」は、ただの倉庫とはちょっと異なり、伊丹映画『お葬式』の舞台にもなった神奈川県湯河原の伊丹さん宅を再現した部屋も備えています。伊丹さん直筆の原稿や服、愛用していた楽器や食器などをご覧いただくツアーです。応募制をとらせて頂いており7日に締め切り、現在抽選結果をみなさまのお手もとにお送りしているところです。楽しみにお待ちくださいね。
宮本館長の館長業務近況をお伝えしてみましょう。
開館記念日の5月15?16日には、記念館にてみなさまをお迎えいたします。また、4月の終わりに新しい記念館グッズ「手ぬぐい」を発売にこぎつけました。この手ぬぐいは、2月にNHKで放映された「生活ほっとモーニング」の映像の中でも生地を広げて検討していたものです。テレビ放映後も引き続いて、生地選びにはじまり色の選定、イラストやロゴの配置など 検討を重ねてゆきました。
色は伊丹さんが好んだ黒、図柄は伊丹さんが描いたイラストの中から「カチンコ」を選びました。
手ぬぐいは、これから夏に向かって出番も多いのではないでしょうか。小さなカチンコの柄が全体に配されているので、手土産を包んだり角を括って小さなエコバックにもなりそうです。色もシックなので男の方にもお洒落に使っていただける仕上がりになりましたよ! 担当:多胡
●
館長・宮本信子の来館予定
5月15日(金)11時?16時頃
5月16日(土)13時?15時頃
(当日の状況により滞在時間が
変更になることがあります。ご了承ください。)
2009.04.30 ラジオ番組の取材
こんにちは。
ゴールデンウィークに入りましたね。
天気も良くウキウキしております。
お車で移動の際などはラジオをお聴きになりますか?
テレビも良いですがラジオを聴いている時間も素敵ですよね?。
先日、愛媛県内で頑張って仕事をしている人を訪問してお話を伺うという内容の
ラジオ番組「おつかれさまです。アリナミン」の取材を受けました。
記念館のメンバー5人が1人ずつインタビュー形式で、収録がおこなわれました。
私は以前、ラジオ収録を5分間ほどでしたが一度経験したことがあります。
その時は「あの、あの、あの」と何回「あの」を言ってるんじゃーという感じで
終わってしまい、今回は気をつけようと、その事ばかりを気にしていたので
どんな対話をしていたかがとても不安です。
パーソナリティーのやのひろみさんがとても元気で、つい、つられて余計なことも
喋っていたように思います。
頂いたアリナミンRを飲んで笑顔でゴールデンウィーク中も頑張ってます!
みなさま、ぜひ記念館へお越しくださいませ。
《取材をうけたラジオ番組とその日程》
放 送 局 : 南海放送ラジオ
番 組 名 :
『おつかれさまです。アリナミン』
放送日程 : 5/5、7、11、13、15
放送時間 :16時24分
左:やのひろみさん 右:アリナミンRを持つ種岡
スタッフ:種岡
2009.04.20 金田さんありがとう
3月31日、俳優の金田龍之介さんが亡くなりました。
金田さんは、舞台、映画、テレビドラマで幅広くご活躍なさいました。伊丹映画では『あげまん』(1990年)、『スーパーの女』(1996年)に出演しています。
金田さんの演じた役では『あげまん』の多聞院がお気に入りの私、訃報に接して第一に思い浮かんだのは、多聞院の絶妙な表情の数々でした。多聞院は冒頭だけの登場ですが、金田さんの存在感でとても印象的なキャラクターになっています。弱りきった顔つきで、「そういうことはね、ナヨコちゃん、年寄りには言っちゃいけないんだよ」と諭すところなんて、切なくて可笑しくて悲しくて、名演技でした。すばらしい俳優がこの世を去って、淋しい限りです。
金田さんの亡くなる少し前、BSで放送されたグレゴリー・ペックの番組を偶然に観ました。ペックが各地で講演会を開き、観客の質問を受けながら自らの経験を語る、というものでした。
たしか、ロサンゼルスでの講演のときだったと思います。街の公園をペックが散歩していると、向こうからきたひとりのおじさんがペックに話しかけました。「あなたの仕事に感謝しています。たくさん楽しませていただきました」。私はちょっとギョっとしました。日本語ではそういう表現はあまりしないということもありますが、「俳優の仕事に感謝する」という感覚がとても新鮮に思えたのです。ペックの話に負けず劣らず、このおじさんのひとことも心に残りました。
世の中には尊い仕事はたくさんありますが、人を楽しませるということも、本当に尊い仕事です。そういう仕事をしている人は少なくないのに、正当に評価されている人はあまり多くないかもしれません。
そんなことを考えていた頃だったので、「ああ、金田さんにも感謝しなくちゃ」と思いました。私があの世に行ったときには、お礼を言ってまわらないといけないエンターテイナーがたくさんいるので、早くも先が思いやられます。
お別れは淋しいですが、映画では何度でも再会することができます。そこが映画のすばらしいところなんですよね。
写真右:本編DVD『あげまん』/写真左:メイキングDVD『あげまん 可愛い女の演出術』
学芸員:中野
2009.04.10 春ですね。
みなさんこんにちは。
桜は満開で、季節はすっかり「春」ですね。日に日に日が長くなってきて、花も咲き、本当に良い季節です。
さて、みなさんゴールデンウイークのご予定はお決まりですか?伊丹十三記念館は4月29日(水)?5月11日(月)までの間、休まず開館しておりますので、是非お越し下さい!5月5日の火曜日も開館しております。
そしてゴールデンウイークの後には5月15日伊丹十三記念館の開館2周年記念日もやってきます。もう開館から2年も経つなんて信じられません!私が「伊丹十三記念館で働いています」と松山の人に言うと、よく「あー、行こうと思っとったんよー!」と言われます。
『いつか行こうと思っている』方もこの機会に是非お越し下さい。
5月は記念館にとって、忙しい月になりそうです!
スタッフ:川又
2009.03.30 ひなまつりと張り子の犬
昨日3月29日は、旧暦の3月3日ひなまつりでした。といいますのもわたくし、昨年末にもらったカレンダーがきっかけとなり、「旧暦」を身近に感じるようになった近頃なのです。このカレンダーは、西暦に加えて、旧暦・月の満ち欠け・季節の行事などが日々片隅に記されているので「へぇ?、今日は?の日なのかぁ」と思うこともしばしばあり、楽しく眺めています。
みなさんのおうちでは今年、雛人形を飾りましたか?小さな娘さんのいる友人宅ではお内裏さまとおひなさまをはじめ、お菓子、イベントで作った石雛など並べ楽しんでいるそうです。話しているうちにふと、「うちのおひなさま、久しく出してないなぁ。今度の春には出してやろう。」と思いました。
雛人形、こいのぼり、五月人形・・・、どれも生まれた子どもが無事成長したことを祝い、これからの健康を願う親の心が込められているものなのですってね。昨年の夏、記念館のスタッフに女の子が生れました。わたしはと言いますと、この子の誕生をきっかけに、ひとりひとりが『生れてくる』っていうのは実はすごいことなんだということを肌で感じ、「おかあさんになる」ということについて考えたり、少しずつ大きくなり少しずついろんなことが出来るようになる彼女の赤ちゃんと接する中で、今更ながら(!)いろんな人にお世話になり育ていただいて、いまここに自分がいられることを「ありがたいなぁ」と思う気持ちが湧いてきました。
伊丹さんにまつわる人形といえば「張り子の犬」を挙げたいと思います。カフェには十三さんの父、万作さんが息子の誕生の喜びを込めて描いた「ハリコノイヌトトラガアソンデイルトコロ」(油彩)が掛けられています。初めての、しかも男の子の誕生を心から喜ぶ気持ちがじんわりと伝わってくるあたたかな色合いの絵です。グッズ売り場には復刻版の「張り子の犬」もいます。今、張り子細工はなかなか作り手がいらっしゃらないそうで、会津若松の職人さんにお願いして作ってもらっているものです。白くまるまるとした体に朱も鮮やかなデンデン太鼓をしょっています。太鼓には鈴もついていてチリチリと可愛らしい音がします。張り子の犬は安産のお守りなのだそうですね。身近に出産を控えた方がいらっしゃる方、贈り物にいかがですか?
スタッフ:多胡
2009.03.20 第1回伊丹十三賞
皆さん!こんにちは
第1回伊丹十三賞が発表されました!
栄えある第1回目の受賞者は糸井重里さんです。
授賞理由はこちらをご覧くださいませ!第1回伊丹十三賞
今年は言語表現を主軸としたものが対象となり、来年は映像・ビジュアル表現を主軸としたものとなります。毎年交互に発表されていきます。
ともあれ贈呈式の雰囲気を紹介しましょう。
当日はとても良いお天気に恵まれました。館長は晴れ女なのでお天気の心配はしてなかったのですが見事な晴天でした。贈呈式は国際文化会館でおこなわれ、港区六本木という場所なのですがとても静かなところです。会場からお庭にも出られるので、とても開放的な空間で素敵でした。
主催者の挨拶からはじまり、受賞者糸井重里さんのご紹介、選考委員の南伸坊さんより祝辞をいただきました。正賞を周防正行さんより、副賞100万円は館長より贈呈されました。そして糸井重里さんのスピーチがはじまりました。さすがです。糸井さんのスピーチはとても心にしみました。お客様も「糸井さんのスピーチはとても良かったね」とおっしゃっていました。式典の締めとして宮本館長からの挨拶と乾杯の音頭となり、祝賀パーティーがはじまりました。ご出席いただいた方々より、「とても良い会だったね」と帰り際に暖かいお言葉を頂きました。ありがとうございました。東京糸井重里事務所のスタッフの皆さまもとても明るく、洗練されていてこの方々が「ほぼ日刊イトイ新聞」を作ってらっしゃるのだなと納得いたしました。
あらゆる文化活動に興味を持ちつづけ、新しい才能にも敏感であった伊丹十三が、「これはネ、たいしたもんだと唸りましたね」と呟きながら膝を叩いたであろう人と作品に第1回伊丹十三賞は出会えました!
色々ご支援いただきました皆様方に深く感謝いたします。
伊丹十三賞をこれからも宜しくお願いいたします。
スタッフ:種岡
2009.03.10 野越え山越え海越えて
このところ、雨ばかりの松山。スカっと晴れる日がなかなかありません。が、雨が降るたび記念館の庭では緑が増え、花が咲き、春は着実にやってきています。そんな庭を眺めていますと、風邪でもないのにツと鼻水が...イヤな予感...今のところ「気のせい」ということにしています...。
さて、ニュースでも報じられているように、この春から、ETC車限定で土日祝日の高速道路の料金が値下がりするそうですね。
本州四国間の連絡橋は通行料金がとってもお高いので、今回の料金の値下げがきっかけとなって「ほな四国に行ってみようかいな」という方が増えたとしたら、これは大変に喜ばしいことであります。「せっかくだから伊丹十三記念館にも行ってみようかいな」という方が増えたなら、これはもう本当にありがたいことであります。本四を結ぶ橋は3ルートありまして、いずれの橋からの眺めも(運転手はよそ見厳禁ですけれども)それぞれに素晴らしく、道中のスペクタクルとして旅の思い出になること必至です。
しかし、気がかりなことがひとつ。
「どこまでも安く行ける!」というお得感から、「遠くまで行かなきゃ損!」と、体力以上の遠出をしてしまう方がいらっしゃるのではないかしら、ということです。食べ放題のお店に行くと胃袋のキャパシティを度外視して食べてしまう、という(私のような)タイプの方は要注意です。
スパゲッティの茹で方、食べ方、サンドウィッチの持ち方、包丁の持ち方、ミカンの剥き方...などなど種々の「正しい」やり方をエッセイで説いた伊丹さんは、車の運転についてこんな風に書いています。
「いまさら申し上げることもあるまいが、自動車というものは危険物であります。これを扱うに当って、男たるもの、どんなに自分自身に厳しくあろうとも、厳しすぎるということはない。」
「われわれは、巧みに運転する前に、品格と節度のある運転を志そうではないか。」
(「スポーツ・カーの正しい運転法」『女たちよ!』より)
自分に厳しく、品格と節度をもって、というのも、疲れていたのじゃできることではありません。疲労のせいで注意力が低下してしまってウッカリ...なんて、楽しかるべきお休みの日にあってはならないことです。適度な休憩を取りつつお越しください。
そういう意味では、フェリーなどの船旅もなかなかによいものです。車も我が身も船長さんの操舵にお任せして、春の瀬戸内海をうち眺めながら、ゆっくりと心身を休める、しかも、自分が休んでいる間に目的地に近づくことができる。航路によっては橋の下を通りますから、普段は見られない橋のお腹を見ることだってできます。何ともお得ではありませんか。ただし、たまの船旅で気分が昂揚してしまい、船内をウロついてくたびれてしまう、という(私のような)タイプの方は要注意です。
旅の計画を立てる際にはくれぐれも慎重に、本当に旅を楽しめる、ご自分に合ったルートと移動手段のご検討を。船、車、電車、バス、飛行機...いずれの手段でも、野越え山越え海越えて、ご無事にお越しくださいましたらスタッフ一同大歓迎いたします。
写真上:記念館の春のお花、ビンカミノール(ヒメツルニチニチソウ)/写真下:車や運転に関する伊丹さんのエッセイが収録されている『ヨーロッパ退屈日記』、『女たちよ!』(新潮文庫)
学芸員:中野
2009.02.28 「生活ほっとモーニング」の影響
みなさんこんにちは。すっかり暖かくなり、明日からはついに3月ですね。
記念館は近頃、2月20日(金)にNHK総合で生放送された生活情報番組「生活ほっとモーニング」のお蔭で、毎日たくさんの方がご来館され、普段以上に賑わっています。
宮本館長が生出演した「この人にトキメキっ!」のコーナーでは、事前に撮影していた記念館での館長業務の映像が流れ、多くの反響がありました。
お客様と写真撮影をしたり、お話をしたり、新しいグッズの打合せをしたりと、普段どおりの館長の姿がご覧頂けたかと思います。
番組の放送途中から記念館には、仙台、下関、東京など全国各地からのお問い合わせの電話が鳴り響きました。
開館直後から、地元の方や、たまたま松山にご旅行中のお宿で番組をご覧になった方々などたくさんのお客様がご来館下さいました。
「全国放送ってすごいんだなあ。」と感心しました。
受付にいると「あなたさっきテレビ写ってたわね!!」と声をかけて下さる方もいらっしゃったりして、私は大変嬉しかったのです。
スタッフ:川又
2009.02.26 十三饅頭が全国をめぐります
当館名物の十三饅頭が全国を旅することになりました。
東京の松屋銀座で開催中のNIPPON VISION
GIFTでご紹介いただいています。
この催しは、「贈りたい」、「贈られたい」日本の良いものを県ごとのギフトセットにして紹介するもので、愛媛からは、かの有名なポンジュースと砥部焼、そして当館より十三饅頭が代表メンバーに選ばれました。この3品セットで「愛媛のギフト」として展示していただいています。なんと名誉なことでしょう...数ある愛媛の名産品からお選びくださって光栄に存じます。
5月からの巡回展では、東京・大阪・札幌・静岡のD&DEPARTMENT PROJECTのお店で、ギフトセットを販売していただきます。
当館のグッズショップ、オンラインショップ、一六本舗道後本館前店でしかお求めいただけない十三饅頭ですが、可愛い子には旅をさせよ、旨い饅頭にも旅をさせよ、の宮本館長の親心で送り出しました!全国のみなさまとのよき出会いとなりますように!!
<NIPPON VISION GIFT 概要>
松屋銀座展
2月24日(火)?3月23日(月)
10:00?20:00(最終日は17:00まで)
松屋銀座7階デザインギャラリー1953
入場無料
主催:日本デザインコミッティー
協力:ホットスポット(NTTコミュニケーションズ)
協賛:D&DEPARTMENT
PROJECT
※十三饅頭は「愛媛のギフト」セットでの展示
D&DEPARTMENT
PROJECT巡回展
(東京・大阪・札幌・静岡の各店舗を巡回)
東京展 2009年5月14日(木)?5月26日(火)
大阪展 2009年6月4日(木)?6月16日(火)
札幌展 2009年6月23日(火)?7月5日(日)
静岡展 2009年7月22日(水)?8月3日(月)
※十三饅頭は、単品(税込735円)のほか、「愛媛のギフトセット」(税込5,250円)での販売となります。(いずれも数量限定)
○催しのサイトはこちら
○巡回展、店舗情報などはD&DEPARTMENT PROJECTホームページへ
2009.02.20 体力強化 脂肪燃焼!
皆様
こんにちは
春一番が四国にも舞い降り、春はそこまでやってきておりますね!
記念館の前には川が流れていて今は見事に菜の花が満開です。
そこは散歩コースにぴったりなのです。
毎日元気にウォーキングをされている方、犬のお散歩の方、いつも「こんにちは」「こんばんは」と声をかけてくださり、ありがとうございます!
冬の間に蓄積された脂肪たちもはやく燃焼してくれ?といわんばかりに体を動かしたくなります!
体重は毎日計っているのでさほど急激な変化はないのですが体脂肪はやはり冬の間は増えておりました。そして、体重計が年齢まで感知してくれるので現在の年齢より6歳若く表示されているので一安心!と、思っているところが駄目なのですよね?。
館長に見習いもっともっと、体力づくりを強化していきたいと思います。
館長の大好きなタンポポも咲きはじめております!
松山にお越しの際はぜひ記念館へお立ちより下さいませ。
スタッフ 種岡
2009.02.09 椿さんと立春
記念館の前にのびる国道33号線を南へ行くと伊豫豆比古命神社(地元では親しみを込めて"椿神社"とか"椿さん"と呼ぶことが多いです。)この神社では毎年、旧暦の1月7?9日(立春に近い上弦の月の初期)の3日間「椿まつり」が行われます。今年は暦の関係なのでしょう、いつもの年より早い2月1?3日に開催されました。
松山では「椿さんが過ぎると春が来る」といわれています。商売繁盛や家内安全を願って県内外から多くの人が足を運びます。今年の椿さんは、初日が日曜日だったため朝から道路は記念館の前のあたりまで車が数珠繋ぎでした。記念館へお越しのお客さまも「椿さんの帰りなんです」とおっしゃる方が幾人かいらっしゃいました。「宇和島から来ました!」「前に椿さんにおまいりに来たとき記念館が建設中だったのよ。今度おまいりするときは絶対記念館に行ってみようと思っていたの。今日は来れてよかった?!」とお話しくださるお客さま。
記念館のスタッフもおまいりに行き、お守りを買ってきてくれました。椿さん、女の神さまなのです。かわいいでしょう!3日は節分、翌4日は立春。なんだか新しい風が吹いてきてる?と話しているところです。
節分の「豆」つながりで、前回書いた「黒豆の正しい煮方」の後日談を少し。伊丹さんが書いていた「鉄製の鍋」の鍋の代わりに「鉄の卵」を入れて2日間奮闘(!)しました。途中、年末の買い物に外出したりしたため上のほうの豆に少々シワが寄りましたが、「黒豆1個を歯の奥に入れて舌先で押してみると柔らかくつぶれ」無事おいしいぷっくりした黒豆が煮上がりました。黒豆ひとつ煮るのにも2日間の手間を厭わなかった伊丹さん。日々の仕事ぶりはどのようなものであったのだろうと思いを馳せたお正月でした。
スタッフ:多胡
2009.01.30 『マルサの女がマルサを語る』レポート
1月24日、『マルサの女』上映会とトークショーを行いました。2007年秋の『お葬式』上映会以来の企画展関連イベント、題して『マルサの女がマルサを語る』です。
伊丹十三監督作品は、すべてDVD化されていますが、やはりフィルムでの上映はひと味もふた味も違いますね。
上映会場をホンのちょっぴり覗いて、小さなテレビ画面で観るときとのスケールやテンポの違いもさることながら、音の奥行きにはあらためて感心しました。家の上空をヘリコプターが飛んでいる、窓の外で鳥が鳴いている...そんな音の距離感や方向が、フィルム上映ではありありと分かるのですね。映画の音声というのは、フィルムの端っこに白い波模様の線(これを「オプティカル・サウンドトラック」といいます)で記録されているんですが、イヤハヤ、あなどれません、波模様。
さて、続くトークショーのゲストは主演女優の宮本信子さんと税理士の斉藤和子さん、聞き手は伊丹プロダクション社長の玉置泰さん。
斉藤さんは、税務署でのお勤めを長く続けていらした方で、上席国税調査官、特別国税調査官、税務署長もお務めになったバリバリの税のプロです。斉藤さんが浅草税務署に勤務なさっていた1986年、税のプロを演じることになった宮本さんに取材を受けたときのことをお話しいただきました。(宮本さんは、『マルサの女』の撮影が始まる前、税務署で働く人たちの雰囲気をつかむために、2週間、浅草税務署へ通ったのだそうです。)
斉藤さんからは、机の引き出しの中も「取材」されたこと、灰皿の中の吸殻を「今日は何本ね」と数えられたこと、プロと同じスピードで伝票をめくる練習を毎日続けたと聞いて感心したこと、などなど、宮本さんの好奇心の強さと女優としての陰の努力が語られました。
宮本さんからは、斉藤さんのお顔が数字を見るときにはガラリと変わることなど、プロの世界を目の当たりにしたというお話も。
誰かの仕事場に行ってその様子を観察するなんて、お願いしたからといって簡単に出来ることではありません。宮本さんの演技にかける情熱が税に関わる方々の心を動かし、また、国税関係者のみなさんが深いご理解をお持ちになったから、可能になった取材だったのだと思います。
『マルサの女』での演技が高く評価された宮本さんは多くの賞をお受けになりましたが、日本アカデミー賞の授賞式で、喜びのことばではなく、協力者への感謝のことばを述べてらっしゃったのが強く印象に残っています。『マルサの女』には、実に多くの「その道」の方がご協力なさっています。すでに亡くなられた方も多くいらっしゃいますが、きっと、お仕事ぶりも気風もすばらしい方ばかりだったんだろうな、と宮本さんと斉藤さんのお話を聞いて感じました。よいお話をお聞かせくださってありがとうございました。
そして、寒い寒い中、会場へお運びくださったお客様、ご取材の皆様、ご協力くださったシネマサンシャインの皆様にも、あらためてお礼申しあげます。ありがとうございました。
学芸員:中野
2009.01.20 映画『マルサの女』上映会とトークショー
寒い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
記念館の木々はほとんど落葉して、すっかり冬模様です。
冬でも暖かい日はぽつりぽつり咲いていたタンポポも、近頃はめっきり咲かなくなりました。
さて、来る1月24日(土)はついに、映画『マルサの女』の上映会と、宮本信子館長と元国税調査官で現在は税理士をされている斉藤和子さんとのトークショー『マルサの女がマルサを語る』が行われますね。
『マルサの女』は、87年の大ヒット映画で、当時映画館で御覧になった方も多いかと思いますが、今現在『マルサの女』を実際に映画館で上映するのは、めったにない機会かと思います。
一昨年、映画『お葬式』の上映会が映画館で行われた際に、実際にスクリーンで『お葬式』を観たスタッフは皆「やっぱり、スクリーンで観ると迫力が全然違うよ!最高だった!」と騒いでいました。
『マルサの女』上映会とトークショーの当日は記念館も開館しておりますので、私は記念館で働いています。是非伊丹映画をスクリーンで観てみたかったのですが・・・
ですから、ご参加される方は私の分まで楽しんでいらして下さい!そして記念館にもいらして、感想をお聞かせください。
スタッフ:川又
2009.01.10 本年も伊丹十三記念館を宜しくお願いいたします。
皆様 こんにちは!
2009年のお正月はいかがお過ごしでしたでしょうか?
私は毎年元旦0時になると神聖な気持ちになり、
初夢を見ようといざ寝ても熟睡しており,
3日目あたりにみた夢は現実味をおびていないことが多いのが通年です。
また恒例のお年玉ですが、あげる側になって思うことは
父親や母親はともかく、親戚や近所のおじさん、おばさんたちは
気前よくお年玉をくれていたもんだなぁ?とつくづく思います。
さてさて、そうこうしているうちに時はどんどんすぎてゆきますね?。
2009年にはいよいよ第1回伊丹十三賞が決定されます。
11月にマスコミ発表をおこなったのですが、その際に館長より
「あまり知られてなかった方たちが伊丹の作品に出演後、魅力や実力が認められどんどん活躍している姿を伊丹は心から喜んでいました。その笑顔が忘れられず、この想いをこの賞に託したいと思いました」とあいさつをし、伊丹十三賞については「"びっくりした"、"おもしろい"、"誰にも分かる"これは伊丹自身の作品もそうでした。この賞は伊丹からのエールです」と話をしました。
そのとおり!という方に本年度、出会えることを心より楽しみにしています。
ぜひ皆様も伊丹十三賞にご注目くださいませ!
本年も伊丹十三記念館を宜しくお願いいたします。
スタッフ種岡
2009.01.02 あけましておめでとうございます
新しい年が始まります。
今年も、どうぞよろしくお願い致します。
伊丹さんの命日(12月20日)の翌日に、
入館して下さいましたお客様が6万人を超えました。嬉しかったです。
命日の次の日というところが伊丹さんらしい???!
「ボクが導いたんだよ」と言っているように私には思えました(笑)
私、松山に参ります!すでに告知しておりますが、
1月24日に「マルサの女」を上映して、その後トークショー。
1月25日は記念館受付におります。(詳細は記念館のホームページを御覧下さいませ。)
館長の初仕事で張り切っております。
お待ち申し上げます!
館長 宮本 信子
記念館便り BACK NUMBER
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