こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2009.03.30 ひなまつりと張り子の犬
昨日3月29日は、旧暦の3月3日ひなまつりでした。といいますのもわたくし、昨年末にもらったカレンダーがきっかけとなり、「旧暦」を身近に感じるようになった近頃なのです。このカレンダーは、西暦に加えて、旧暦・月の満ち欠け・季節の行事などが日々片隅に記されているので「へぇ?、今日は?の日なのかぁ」と思うこともしばしばあり、楽しく眺めています。
みなさんのおうちでは今年、雛人形を飾りましたか?小さな娘さんのいる友人宅ではお内裏さまとおひなさまをはじめ、お菓子、イベントで作った石雛など並べ楽しんでいるそうです。話しているうちにふと、「うちのおひなさま、久しく出してないなぁ。今度の春には出してやろう。」と思いました。
雛人形、こいのぼり、五月人形・・・、どれも生まれた子どもが無事成長したことを祝い、これからの健康を願う親の心が込められているものなのですってね。昨年の夏、記念館のスタッフに女の子が生れました。わたしはと言いますと、この子の誕生をきっかけに、ひとりひとりが『生れてくる』っていうのは実はすごいことなんだということを肌で感じ、「おかあさんになる」ということについて考えたり、少しずつ大きくなり少しずついろんなことが出来るようになる彼女の赤ちゃんと接する中で、今更ながら(!)いろんな人にお世話になり育ていただいて、いまここに自分がいられることを「ありがたいなぁ」と思う気持ちが湧いてきました。
伊丹さんにまつわる人形といえば「張り子の犬」を挙げたいと思います。カフェには十三さんの父、万作さんが息子の誕生の喜びを込めて描いた「ハリコノイヌトトラガアソンデイルトコロ」(油彩)が掛けられています。初めての、しかも男の子の誕生を心から喜ぶ気持ちがじんわりと伝わってくるあたたかな色合いの絵です。グッズ売り場には復刻版の「張り子の犬」もいます。今、張り子細工はなかなか作り手がいらっしゃらないそうで、会津若松の職人さんにお願いして作ってもらっているものです。白くまるまるとした体に朱も鮮やかなデンデン太鼓をしょっています。太鼓には鈴もついていてチリチリと可愛らしい音がします。張り子の犬は安産のお守りなのだそうですね。身近に出産を控えた方がいらっしゃる方、贈り物にいかがですか?
スタッフ:多胡
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