記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2009.02.09 椿さんと立春

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 記念館の前にのびる国道33号線を南へ行くと伊豫豆比古命神社(地元では親しみを込めて"椿神社"とか"椿さん"と呼ぶことが多いです。)この神社では毎年、旧暦の1月7?9日(立春に近い上弦の月の初期)の3日間「椿まつり」が行われます。今年は暦の関係なのでしょう、いつもの年より早い2月1?3日に開催されました。

 松山では「椿さんが過ぎると春が来る」といわれています。商売繁盛や家内安全を願って県内外から多くの人が足を運びます。今年の椿さんは、初日が日曜日だったため朝から道路は記念館の前のあたりまで車が数珠繋ぎでした。記念館へお越しのお客さまも「椿さんの帰りなんです」とおっしゃる方が幾人かいらっしゃいました。「宇和島から来ました!」「前に椿さんにおまいりに来たとき記念館が建設中だったのよ。今度おまいりするときは絶対記念館に行ってみようと思っていたの。今日は来れてよかった?!」とお話しくださるお客さま。

 記念館のスタッフもおまいりに行き、お守りを買ってきてくれました。椿さん、女の神さまなのです。かわいいでしょう!3日は節分、翌4日は立春。なんだか新しい風が吹いてきてる?と話しているところです。

 節分の「豆」つながりで、前回書いた「黒豆の正しい煮方」の後日談を少し。伊丹さんが書いていた「鉄製の鍋」の鍋の代わりに「鉄の卵」を入れて2日間奮闘(!)しました。途中、年末の買い物に外出したりしたため上のほうの豆に少々シワが寄りましたが、「黒豆1個を歯の奥に入れて舌先で押してみると柔らかくつぶれ」無事おいしいぷっくりした黒豆が煮上がりました。黒豆ひとつ煮るのにも2日間の手間を厭わなかった伊丹さん。日々の仕事ぶりはどのようなものであったのだろうと思いを馳せたお正月でした。

スタッフ:多胡