こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2009.10.19 第1回伊丹十三賞 糸井重里氏によるトークショー
2009年10月14日(水)第1回伊丹十三賞 受賞記念講演会糸井重里氏によるトークショーが開催されました。
今回はこの講演会についてお届けします。
会場は松山市総合コミュニティーセンター・キャメリアホール。
定員900名のところ1,656名の方からご応募いただきました。
ご応募頂いた皆様、ありがとうございました。
開場時間は18時15分だったのですが、外では長蛇の列がはじまっており、
スタッフもお客様の「いまか、いまか」という表情に焦りを感じつつ、定刻通り18時15分開場いたしました。
舞台上には革張りでエンジ色の3人掛けのソファー、1人掛けのソファー、机が準備されました。実はこのソファーと机は館長室にある伊丹さんが愛用していたものを持ち込みました。会場内も準備が整いました。
さぁ、本日のゲスト糸井さんと聞き手の新潮社「考える人」「芸術新潮」編集長の松家さんの楽屋の様子をちらっとですが、のぞいてみましょう。糸井さん、松家さん、糸井重里事務所のスタッフの方、館長代行の玉置とともにとてもなごやかなムードでお話をされておりました。さすが余裕があるなぁと思いました。
19時の開演ベルがなり、講演会は幕をあけました。玉置の挨拶の中で伊丹十三賞の概要と、糸井さんが第1回伊丹十三賞に選ばれた理由などの話をさせていただきました。
糸井さんと松家さんが舞台へ登場し、会場内からの拍手とともに対談はスタートしました。
まず松家さんから
「正直にお答えいただきたいのですが、
伊丹十三記念館へいらしたことがある方?
手を上げてくださ?い。」
「では次に『ほぼ日刊イトイ新聞』を
ご欄になったことがある方?」
両方ともほぼ同数で約8割りぐらいの方々が手をあげておられました。
「実はどの程度、記念館についてや、『ほぼ日刊イトイ新聞』についてご説明すればよいかと思っていたのです。」と、松家さんから参加者へのこの質問で会場内の緊張がほぐれました。
ほんの少しではありますが私が「ナルホド!」と思った糸井さんのお話を紹介します。
伊丹十三記念館へ訪れた時の印象は
伊丹十三記念館に立った時にうれしい感じがまずあった。
あ?1人の人が生きてきて何かを表現してきたということが
こんな風にある意味称えられているっていう気がしましたね?。
ですからそこにまずは「あ?うれしいことだなぁ?」という形でみていて、
がそこで見ていること自体も、この受賞がなかったらなかったわけですから
縁の続きみたいなものを感じで、その喜びを感じると同時に、
これだけのものが建っちゃうんだ?高かっただろうな?
皆が協力しなければできなかっただろうということと、実現させる力も表現の内の一つだと語られました。
伊丹さんのエッセイの話し言葉について、
誰かにきいた話をそのまま、話し口調をいかしたような言葉を、結構上手に再現されるところが
すごく伊丹さんと共通していると思うのですが、 影響をうけたのですか?
うけたというよりまねっこだと思います。
話し言葉がもともと好きだったんです。
テレビの無い時代でしたから
家庭の娯楽がラジオで、
落語が好きで良く聴いていました。
耳から聞こえてくる言葉っていうのに
対しておもしろいって思ったのが
僕を作った原料だった気がする。
伊丹さんの話し言葉を文章にするという
のが現れ、これはあるんだと
伊丹さんがその場所をくれた人です。
言葉に対しておもしろいと思う発見をされていたんですね。
その後、考えることについてや『ほぼ日刊イトイ新聞』について語られ1時間30分はあっという間に過ぎていきました。
糸井さんから
最後に一言いいですか。
伊丹さんは独特の活躍をなさった方で、彼の軌跡がなければ
僕は今日皆さんにお会いできなかった。
途中にこの賞を頂くということが大変光栄なこととしてあった。
それをずーっとキープするために宮本信子さんという方がいらした。
さっき「ここにいることがうれしい」と話しましたが、
様々な僥倖のかたまりとして今のこの時間がすごせたということ、
妙に生真面目になってちょっと恥ずかしいですけれど感謝します。
ありがとうございました。
糸井さんからお言葉を頂戴し講演会は終演となりました。
私のつたない感想ですが、糸井さんは本当に「たとえ」が上手いなと思いました。
身近なものにたとえてくださるので私でもなるほど、そうなんだと難しい内容でも
納得できました。松家さんの聞き手としてのトークにも脱帽でした。
かゆいところに手が届くという感じで聞いてほしい事やそうそうと思う事を
話してくださいました。糸井さんが講演終了後すぐ舞台袖で、
「松家さんとだったらまだまだ話していられるなぁ?」とおっしゃっていました。
お客様からも「1時間30分はあっという間でした。短すぎる?」というお声もあり、主催者側としては嬉しい限りでした。
そしてご協賛もいただき、応援にもかけつけて
下さいましたITMグループのスタッフの皆様、
記念館としてもこのような大規模なイベントは
初めてでしたので、本当に心強かったです。
ありがとうございました。
最後に講演会を快くお引き受けくださり、貴重なお話を沢山していただました
糸井さん、松家さん、本当にありがとうございました。
私もこの講演会で刺激を受けて、明日への、いや人生の活力になりました。感謝いたします。
スタッフ 種岡
第1回伊丹十三賞
『ほぼ日刊イトイ新聞』伊丹十三特集 中村好文さんと歩く伊丹十三記念
写真1:館長室にある伊丹さんが愛用していたソファーと机
写真2:楽屋様子(左から糸井さん、松家さん、館長代行・玉置、糸井重里事務所スタッフ奥野さん)
写真3:開演前の会場を視察中
写真4:対談の様子
写真5:ITMグループスタッフの皆さんと
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