第14回「伊丹十三賞」受賞記念
小池一子氏トークイベント「オルタナティブ・スピリット」採録(7)
日 程:2023年3月6日(月)17時30分~19時
会 場:伊丹十三記念館 カフェ・タンポポ
登壇者:小池一子氏(第14回伊丹十三賞受賞者/クリエイティブ・ディレクター)
佐村憲一氏(聞き手/グラフィック・デザイナー)
ご案内:宮本信子館長
最後に、去年の贈呈式のときに、小池さんが「自分は白紙だ」っておっしゃっていた言葉が、私の耳に非常に残っていまして、“太陽と月”のお話を、出来たらこの場でもう一度みなさんにお願いします。
小池 つくづく、仕事を続けてきた喜びっていうのは、人に会えた喜びじゃないかなって思うんです。私は“黒子”で仕事をしてきたつもりなんですけれど、作ってきたものに何がしかの力を出したとしたら、それはどういうことなんだろうって思うので。
じゃあ、白紙で、仕事を組む方からあらゆる光も色彩も頂くっていう仕事のあり方があるかなって。そういうことをすごく考えて。だから、太陽のように光を発する母体ではなくて、受けて応えるというか。受けた光の見え方になんらかの、自分なりの感覚というものが加えられたんだったらいいなぁというふうに思うんですね。
すごく思うんですけど、私たちが生まれ落ちるということは親、先祖がいて、いわば縦の関係じゃないですか。子どもができたり孫ができたりということを考えると縦の命っていうもの。それから、幼稚園から、子どもの時から横にある人たち。
「その横のつながりっていうものが、やっぱり人生そのものを作るっていうことなんではないかな」とこの頃思うんですよ。
自分というよりも、自分も、横のつながりの人の中に反映してみるというのかな。そういうことが、コンテンポラリーの、現実の毎日の中で起きていて。それがライフ——生活であり生命でいいんじゃないかな、と思います。
佐村 はい、ありがとうございます。時間も迫ってまいりましたので、この辺りで。
宮本 どうもありがとうございます(場内拍手)。
佐村 どうもありがとうございました。
宮本 どうもありがとうございました(立ち上がって小池さんとハグ)。
ずっとお話をうかがっていて、私は何か、言葉はあれですけれども——小池さんは黒子の親分のような気がして。新しい人を発掘して、そして押し出していく。横のつながりをどんどんどんどん枝みたいに広げていくっていう、すばらしいエネルギーをすごく感じました。本当にありがとうございました。
(佐村さんに向かって)佐村さん、ありがとう。
ごめんなさいね、伊丹さんが無茶苦茶なこと言って。突然ね。(場内笑)
本当に今日はありがとうございました。(場内拍手)
【ここで、佐村さんが館長へあるものをお渡し】
宮本 あ!これね、小池さん。さっき佐村さんから頂いたんですよ。(会場に見せながら)皆さんお分かりにならないと思います、絶対に(場内笑)。
佐村さんからプレゼントされた楽譜ばさみ
宮本 きれいね!
佐村 (楽譜ばさみを広げながら)ここにこうして挟んで。こっちとこっちに紐がついてますから。きれいなんで、アッと思って、映画の時に小道具で出して。イーヨーが楽譜書いてはここにこう…ちょっと思い出して。
宮本 ありがとうございます。
(楽譜ばさみを受け取りながら)……贈呈式?(場内笑)(場内拍手)
どうもありがとうございました。
小池さん――ボス!ありがとうございました。
(場内拍手)
宮本 (会場に向けて)皆さまも、本当に今日はありがとうございました。暗いですし、足元にお気をつけて。転ばないように。お年を召した方、特に転ばないように。
拍手お願いいたしま~す!ありがとうございました。
(場内拍手)