

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2023.04.24 「第14回伊丹十三賞受賞記念 小池一子氏トークイベント『オルタナティブ・スピリット』」の「採録」を公開いたしました
記念館便りをご覧の皆さまこんにちは。
今朝の中庭の桂
先月、 記念館便り にてご報告させていただきました、
「第14回伊丹十三賞受賞記念 小池一子氏トークイベント『オルタナティブ・スピリット』」のトーク内容を書き起こしした、「採録」を先日公開いたしました。
このイベントは株式会社伊丹プロダクションに協賛していただき、伊丹十三記念館のカフェ・タンポポで行ったものです。
伊丹十三記念館のメンバーズ会員様限定のイベントでしたが、この度公開した採録でみなさまにイベントの様子をご覧いただくことができます。
是非、ちょっと覗いてみてください。
イベントの雰囲気も味わっていただけることと思います。
第14回伊丹十三賞受賞記念 小池一子氏トークイベント
『オルタナティブ・スピリット』
採録は 「こちら」 から。トップページも良い感じです
スタッフ:川又
2023.04.17 2023年度も!「毎月十三日の十三時は記念館で伊丹十三の映画を観よう!」
陽光きらめく日あり、花冷えの日あり、春風にクシャミの止まらぬ日もあり――新年度が到来いたしました。みなさまいかがお過ごしですか?
わたくしは「この季節になるたびに思うことなんだけど......スギ花粉より黄砂のほうが堪えるなぁ......」とため息まじりの毎日を過ごしております。毎年恒例の四月病(笑)。
さて、前回担当した「記念館便り」では、伊丹映画の放送および全国の映画館での上映情報をお知らせさせていただきましたが、記念館はと申しますと、「毎月十三日の十三時は記念館で伊丹十三の映画を観よう!」を2023年度も開催しております。
今年の実施順は「"女シリーズ"をまず5本 → 女シリーズ以外の作品を公開年順に5本」です。
日程や各作品の情報など、詳しくはHPで!
7・8月を除く月の13日(休館日の火曜にあたる場合は翌14日・水曜日)の13時にお越しくださいましたら、ご入館料だけで展示と伊丹映画1本をお楽しみいただけます。
次回は5月13日(土)13時から、『マルサの女2』(1988)をお目にかけます!
税金を"取る側"の主人公の活躍で大ヒットした『マルサの女』(1987)に続く伊丹映画唯一のシリーズ化作品。そして、監督自身が「『しまった、面白い映画を作りすぎた。また税金をごっそり持ってかれるぞ!』という心境です(笑)」とチラシやプログラムでコメントしたほどのエンターテインメント税金ムービー。
脱税者を追い詰める国税査察官の板倉亮子と仲間たちvs宗教法人を隠れ蓑に大金を貯め込んでいく地上げ屋の巨魁・鬼沢一平とその一味。あの手この手の両者の対決をご覧になりたい方は、5月13日(土)の13時、伊丹十三記念館の常設展示室にご集合くださいね~~
――ところで、先日、20代の同僚との会話の中で『マルサの女2』について、こんなやりとりがありました。
同僚「初めて(DVDで)観たとき、観始めて数分のところで『え~っと、"地上げ"...?』ってなって再生止めました」
中野「ん? ん? それは一体...どういうこと?」
同僚「ですから、"地上げ"が何なのか分からないまま先に進んじゃいけないと思って、一時停止して調べたんです」
中野「え!? "地上げ"を知らなかった、ってこと!?」
同僚「あ、そうです」
ああ......地上げ......あのバブルの頃、ワタシのような子供でさえ何となく理解していたものだった、ような......(遠い目)
生誕90年・没後26年、伊丹十三を知らない世代が増えている、そして、これからどんどん増え続ける、というのは記念館の活動の大きな課題でありますが――そうか、そうきたか――そうですよね。
「ある社会情勢について誰もが知ってることを前提に『面白いですよ!』と作品をお目にかけるだけでは足りないんだ」と痛感した出来事でありました。
2023年度、若人の力を頼みにしつつすがりつつ、「新しい攻め方」の策略を練って過ごして参りたいと思います。
今年度もどうぞよろしくお願い申しあげます!
学芸員:中野
2023.04.10 サンドイッチ
新年度が始まり1週間程が経ちましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
記念館では桂の木にたくさんの葉がついてきました。風に揺れる枝葉がとても綺麗で、カフェをご利用のお客様や回廊を歩いているお客様が、時間を忘れて眺めていることが増え、春だなぁと感じております。
中庭の桂
玄関前の様子
3月末から松山市の各所で桜が咲きはじめました。松山城や道後公園などに足を運んだところ、お花見をしている方々がたくさんいらっしゃいました。レジャーシートを広げてお弁当を食べている方々を見て、なんだか私もうずうずしてしまい、お休みの日に簡単なサンドイッチを持って近所へお花見に出かけました。
松山城の桜
満開にはすこし早かったですが、お天気に恵まれた日でした。
我が家のサンドイッチは、耳をつけたままの食パンを焼き、具をはさむだけの簡単なもので、どちらかというとホットサンドのようなサンドイッチが主流でした。お花見の日は、焼いた食パンにツナ、チーズ、レタスをたっぷり入れたものと、スクランブルエック、ハムを入れたものの2種類を持って行きました。(残念ながらサンドイッチの写真は撮り忘れてしまいました)
心地良い風と陽気の中でサンドイッチを食べている中、はた、と気付いたことがありました。今日は伊丹さんのエッセイ、「ダッグウッドの悦び」に登場する"サラダ菜のサンドウィッチ"を試す最高の機会だったのではないか...ということに。
そのエッセイがこちら。
五つか六つの頃、私は一つの食べ物を発明した。すなわちサラダ菜のサンドウィッチである。うちの庭の小さな菜園からサラダ菜の葉っぱをちぎってきて、苺ジャムを塗りたくったパンにはさんで食べる。ただ、それだけのものであるが、このサンドウィッチがいかにうまいか。どう説明しても、みなさん半信半疑という顔でしか聞いてくださらないが、私は子供心にもサラダ菜と苺ジャムという取り合わせは絶妙であると思った。この考えはいまも変わらない。
私はダッグウッドと同じで、サンドウィッチにはなんでもかでも詰め込むのが好きなほうである。ダッグウッドを知らぬ方はないと思うが、念のためにいうなら、ダッグウッドが、つまり漫画の主人公のダッグウッドが、深夜パジャマ姿で台所に起きだし、そのへんの食べ物をあらいざらい詰め込んで、およそ手風琴ほどもあるサンドウィッチを作る。満面笑みを浮かべて食いついたとたんに、サンドウィッチの中に紛れこんでいたハーモニカがピッと鳴って奥さんを起こしてしまう。すなわち大いにやりこめられる。と、まあこういう精神の漫画が戦後大いに流行したことがあって、以来、材料を一杯に詰め込んだ特大のサンドウィッチをダッグウッド・サンドウィッチといいならわすようになったのですね。
いろんな料理に、飽き飽きして、なにを食べていいかわからない、という時にダッグウッド・サンドウィッチはまさに好適のものであります。
サラダ菜、胡瓜、トマト、ロース・ハム、やわらかく作ったスクランブルド・エッグ、オイル・サーディン、バター、ジャム、マヨネーズ、マスタード、こういうものを食卓の上に賑ぎにぎしく取り揃えて、片っ端からパンにはさんで食べる。少くとも厚さ四、五センチのサンドウィッチを作って、行儀にかまわず食べる。これがダッグウッド・サンドウィッチの神髄であります。
ただし、ロース・ハム、スクランブルド・エッグなんかは売れ足早く、すぐなくなってしまう。そういう時にぜひ試していただきたいのだ。私が五歳にして発明した、サラダ菜と苺ジャムのサンドイッチを。
(『女たちよ!』より「ダッグウッドの悦び」p173-p175)
エッセイを読んだときに、「この"サラダ菜のサンドウィッチ"は屋外で食べたら、もっと美味しくなりそう」と思い、お花見の時期を狙っていたことを手製のサンドイッチを食べながら思い出してしまったのです。ありあわせのもので作ったサンドイッチは、食材を片っ端からはさむという"ダックウッド・サンドウィッチ"に近いのですが、せっかくなら伊丹さんのおすすめの"サラダ菜のサンドウィッチ"も一緒に食べたかったのです。
桜が咲いているうちにもう一度お花見に行けばいいと考えておりましたが、予定や悪天候でなかなか行けぬまま今日に至ります。桜は散ってきてしまい残念ですが、夏まではもう少し時間があるのでピクニック日和に挑戦してみたいと思います。
皆さまも"サラダ菜のサンドウィッチ"、ぜひ試してみませんか?
『女たちよ!』と「ダッグウッドの悦び」のイラストを使用したマグネット
オンラインショップでも販売しております
さて、今週の木曜日は13日ですので、「毎月十三日は記念館で伊丹十三の映画を観よう!」の開催日です。2023年度の上映1作品目は『マルサの女』となっております。伊丹さんの映画の中でも特に人気の作品です。13日はぜひ記念館へご来館ください。
企画展示室の出口付近にあるプログラムもぜひご覧ください
スタッフ:橘
2023.04.03 期間限定メニューをスタートしました
記念館便りをご覧の皆さま、こんにちは。
すっかり春ですね!寒さも和らぎ、天気のいい日は外出したくなるような気持ちのいい季節になりました。お出かけやご旅行などでお近くに来られた際は、ぜひ記念館にもお立ち寄りくださいね。
中庭のタンポポも咲き始めました
さて4月に入りまして、記念館のカフェ・タンポポでは期間限定メニュー " 豆乳イチゴ " を開始いたしました。
豆乳イチゴ
毎年この時期にご提供する期間限定メニュー・豆乳イチゴは、愛媛県産のイチゴと豆乳をミックスしたドリンクです。イチゴの甘みや酸味、豆乳のまろやかさが程よく合わさり、さっぱりとした甘さが特徴で、小さなお子様からご年配の方まで幅広い世代の皆さまにお飲みいただいています。
淡いピンクのドリンクに、上にのせたミントのグリーンがアクセントになって、見た目もさわやかですよ。
たくさんの方にご好評をいただいている人気のメニューですので、記念館にお越しの際はぜひご賞味くださいませ。
また、冬場はお休みしていたアイスコーヒー、アイスティーもご注文いただけるようになりました。
「暑い」というにはまだ少し早いですが、寒い冬が終わって気温が上がり始めるこの時期から、「アイスコーヒー/アイスティーはありますか?」とのお尋ねが増えてまいります。
こちらもぜひオーダーしてくださいね。ご利用をお待ちしております。
スタッフ:山岡

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