

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2012.12.24 クリスマス
記念館便りをご覧の皆さま、こんにちは。早いもので、今年最後の記念館便りとなりました。あと1週間で大晦日...ではありますが、ここ2、3日はやはり、年末というよりはクリスマス気分の方が多いのではないでしょうか。
最近は街中だけでなく、住宅街でもきれいなイルミネーションを目にする機会が多くなりましたね。私の家のすぐ近くにも、毎年きれいなイルミネーションで楽しませてくださるお宅があり、3歳になる姪が近くを通るたびに「きれい!」と嬉しそうに眺めています。イルミネーションのためだけに遠出することもなくなってしまったので、家のすぐ近くでクリスマス気分を味わうことができるのは非常にありがたいなぁと感じています。
加えて今年は、職場である記念館でも、クリスマスのイルミネーションとはまた違った趣のライトアップが楽しめています。寒さが深まるにつれてあたりが暗くなるのが早くなりますが、そうすると中庭の回廊や記念館が落ち着いた照明で浮かび上がってきます。この季節が一番きれいに見えますので、皆さまもぜひ足を運んでみてください。
【柔らかい、落ち着いた照明に照らし出される記念館(上)と回廊(下)】
また、クリスマスといえばケーキも大切な要素の一つですね。我が家ではホールのケーキを買って、家族で切り分けて食べています。普段ケーキを食べるときはカットされたものがほとんどですが、クリスマスだけはホールのケーキを買う、というのがなんとなく我が家の習慣になっているようです。面白いもので、均等に切っているつもりでも大きさなどがどこか違ってしまいますよね。今は特に気になりませんが、幼い頃は、親が切り分けるのをじっと監視している子供だったようです。大きいもの、飾りの多いものを狙っていたのだと思います...。
さて、ケーキつながりで、カフェタンポポの新メニューをひとつ。皆さまから好評をいただいている『季節のタルト』が、『いちじくのタルト』から『りんごのタルト』に変わりました!以前同様口当たりの良い、美味しいタルトです。お立ち寄りの際はぜひご賞味くださいませ。
【新登場、リンゴのタルト】
最後になりましたが、記念館便りをご覧いただいている皆さま、ご来館いただいた皆さま、今年一年本当にありがとうございました。今月19日より、模様替えを終え、より内容の濃くなった企画展示も開催されております。皆さまに「来てよかった!」「また行きたい!」とおっしゃっていただけるよう、スタッフ一同、今後も精一杯務めさせていただきます。
来年もどうぞ、記念館をよろしくお願いいたします。
スタッフ:山岡
2012.12.17 夫婦のかたち
以前ご来館されたお客様で60歳前後のご夫婦がいらっしゃいました。
記念館ではご入館時に簡単に館内のご案内をさせていただくのですが、ご主人は説明をお聞きにならず奥様を残して展示室に入って行かれました。
残された奥様が私に向って
「あの人いつもああで私をおいて先に先に進んでっちゃうから、派手な服着せてるのよ~!遠くから見てもわかるでしょ!」とおっしゃいました。
そう言われてご主人のうしろ姿をみてみると、確かに派手な色の派手な柄のお洋服をお召しです。
「本人は気付いてないのよ!派手な服ばっかり着させられている理由!」
そうおっしゃって、奥様も展示室に進んで行かれました。
私は大変感心しました。開館当初の出来事ですが忘れられないエピソードです。夫婦生活を送る中で、困ったことを上手に解決された奥様に大変感心致しました。
さて、伊丹十三の奥さんはみなさんご存知のとおり当館館長宮本信子です。
結婚当時伊丹十三が36歳、宮本信子24歳。2人の年齢差は12歳。ひとまわりも年の差があったのですね。宮本信子はよく当時のことを振り返って「先生と生徒のような関係だった」と言っています。
「お蕎麦の茹で加減が伊丹さんの納得する水準に達しなかったら食べてくれず、何度も茹でなおした。そのあと一人でこっそり泣いたりした。」という話なんかからも、伊丹十三のような人の奥さんをするのは大変だったろうと想像できます。
あと、宮本信子は伊丹十三の事を「映画監督になるべくして生まれてきた人だ」と言って、伊丹十三に映画監督なることを強くすすめ、資金繰りなどでも伊丹十三が映画を撮れるようにいろいろと奔走したそうです。
お蕎麦は気に入るまで茹で直してくれる、成功も導いてくれる、伊丹さんは公私にわたって素晴らしいサポートを受けていたのですね。
それにしても、黙ってお蕎麦を茹で直してくれる人がいる生活なんて、羨ましいです!
【画像:ドイツの伝統的な菓子パン「シュトーレン」。クリスマスの時期によく食べるそうです。現在、来春放送予定のNKH朝の連続テレビ小説「あまちゃん」の撮影で忙しくしている館長から、スタッフへのクリスマスプレゼントとして届きました!おいしかったです。】
スタッフ:川又
2012.12.10 企画展示室一時閉室とリニューアルにつきまして
展示品入れ替え作業のため、本日12月10日(月)の閉館後から、企画展示室を一時閉室いたします。
と、申しましても、「父と子 -- 伊丹十三が語る父・伊丹万作の人と芸術 --」展が終わってしまうわけではなく...
大好評につき...
延長開催いたします!!
12月12日(水)~17日(月)は、常設展示室のみのご鑑賞となりますので、ご了承くださいませ。(※11日(火)、18日(火)は休館日です。)
1週間お部屋を閉めてさせていただく分、そして会期を延長する分、より濃厚な展示にバージョンアップするべく奮闘努力いたします。12月19日(水)の再開まで今しばらくお待ちくださいませ。
え? 「いっぺん観たからもういい、新しい企画まで行かないよ」? いやいや、そうおっしゃらずに。
今度あたらしく展示に加える『朱欒』、すばらしいのです!
『朱欒(しゅらん)』とは、大正14年から15年にかけて発行された同人誌なのですが、まず、メンバーがすごい。若かりし頃の伊丹万作、中村草田男、重松鶴之助...and more!
彼らは、旧制松山中学の生徒たちが『白樺』の影響を受けて発行していた同人誌『楽天』のメンバーで、青年となって進学や就職で上京してからも、その仲間と集まっては芸術談義を続けていました。そうするうちに生まれた『朱欒』は9号まで発行されました。
そして、その作り方もすごい。各自、溢れ出る創作意欲でもって小説や詩や戯曲や芸術評論それから絵画をものし、毎月の編集日にそれらの作品を持ちよって綴り、手描きの表紙をつける...回覧して、批評を書き込んで次のメンバーへ...つまり、印刷ではなくオール直筆、世に1号1冊しか作られなかった雑誌なのです。
同じ方法で作られた松中の『楽天』のほうは、残念ながら戦災によってすべて失われてしまい現存していません。
『朱欒』もまた長らく行方知れずになっていたのですが、中村草田男が亡くなって数年後に草田男の弟宅で発見され、以来、現在まで、中村家で大切に保管されてきました。
芸術へのあこがれと友情によって編まれ、幸運によって遺った、奇跡のかたまりのようなこの『朱欒』を、中村家の皆様のご厚意により「父と子」展にご出品いただきます。
冊子のかたちをしているので一度に全部をくまなくご覧いただくことはできませんが、入れ替え・ページ替えをおこなって、いろいろなページをお目にかけてまいります。
乞うご期待! 引き続きよろしくお願いいたします。
12月12日(水)~17日(月)の企画展示室閉室中は、入館料大人500円/高大生300円/小中生200円で、常設展示室のみのご鑑賞となります。ご了承ください。(※11日(火)、18日(火)は休館日です。)
2012.12.03 年賀状
記念館便りをご覧の皆さま、こんにちは。日に日に寒さが増してきましたが、体調など崩されていないでしょうか。
あっという間に1年の最後の月を迎えてしまいました。クリスマスや年末年始の準備など心も体もばたばたしてしまう月ですが、12月初めのこの時期になると、そろそろ年賀状の準備をしなくては!という気になります。最近はパソコンやプリンターなどを使って、写真やイラストを組み合わせたキレイな年賀状が自宅で簡単にできてしまいますね。我が家の年賀状作成でも、毎年パソコンとプリンターが大活躍です。
絵柄をプリントしたものに一言自筆で添えるのが私の最近の年賀状スタイルになっているのですが、今年はそれにプラスして、記念館のショップで販売しているゴム印を押して送ろうと思っています。というのも、以前友人からの年賀状に自作のハンコ(花)が押されていて、非常にかわいらしく思ったことがありました。記念館のショップのゴム印を見てそれを思い出し、年賀状にポンポンっと押してみるのも楽しいかな、と思ったのです。
今まさに年賀状を作っているという方、これから作るという方、また既に作ってしまってあとは投函だけという方、年賀状のちょっとしたアクセントに、当館のショップで販売しておりますゴム印はいかがでしょうか(オンラインでもお求めいただけます→コチラ)。
せっかくの年賀状作り、ぜひ楽しんでくださいませ!
さて、最後に記念館からのお知らせです。
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●展示替え作業のため、12月12日(水)~17日(月)は企画展示室を閉室いたします。この期間中は、入館料大人500円/高大生300円/小中生200円で、常設展示室のみのご鑑賞となります。ご了承ください。
※11日(火)、18日(火)は休館日です。
● 12月28日(金)~1月1日(火)は休館させていただきます。1月2日(水)、3日(木)は開館時間を10時~17時(最終入館16時30分)とさせていただきます。
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スタッフ:山岡

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