記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2018.04.23 第10回伊丹十三賞の受賞者が決定いたしました!

2008年秋に創設し、毎年春に受賞者を発表しております「伊丹十三賞」は、今年で10回目を迎えました。
お客様から「受賞者発表を楽しみにしています」といったお声をいただくようにもなり、大変うれしく、そしてありがたく存じております。

すでにメディアでも報じられていますので、ご存知の方もいらっしゃることと存じますが、この度の第10回伊丹十三賞は、歴史家・国際日本文化研究センター准教授の磯田道史様にご受賞いただくことになりました!

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受賞者:磯田道史 様


≪授賞理由≫
古文書を入り口に、本、新聞、テレビなどさまざまな媒体を通して、日本人の営みと歴史を問い直す情熱、知力、伝達力に。(伊丹十三賞選考委員会)

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磯田先生のご活躍は、たくさんのご著書やテレビ番組へのご出演などを通して、皆さまもご存知のことと存じます。
ご著書『武士の家計簿』(新潮新書)や『無私の日本人』(文春文庫)の一編は映画化されていますし、現在は、NHK BSプレミアムで毎週放送されている番組『英雄たちの選択』にご出演なさっていますね。

わたしが磯田先生のことをはじめて知ったのは、ニュース番組にゲスト出演なさっているお姿をテレビで拝見したときでした。子どもの頃からずっと歴史に夢中でいらっしゃったことを、ユニークなエピソードを交えながらお話しなさっていたのですが、「なんて楽しそうにお話しなさるんだろう。もっと先生のお話を聴いてみたい!」と思ったことを、はっきりと憶えています。

伊丹十三賞の授賞対象は、伊丹さんが才能を発揮した分野 ― エッセイ・ノンフィクション ・翻訳・編集・料理・映画・テレビ番組・CM・俳優・イラストレーション・デザインなど ― と多岐にわたりますが、これらの分野において、

1. びっくりした
2. おもしろい
3. 誰にでも分かる


そんなお仕事をなさっている方にお贈りする賞です。
※ 詳しくはこちらをご覧ください↓
宮本信子館長 Official Site「タンポポだより
記念館ホームページ「伊丹十三賞概要

磯田先生をはじめて知ったときの印象は、まさに「びっくりした」「おもしろい」「誰にでも分かる」でした。
その後もさまざまなお仕事を拝見する度に、毎回驚きと楽しさ、そしてひとつのことを深く考えるきっかけをいただいているように感じております。
今回もまた、素晴らしい方にご受賞いただけましたことを、スタッフ一同、大変うれしく存じております。

磯田先生からは、お気持ちのこもった受賞コメントもいただきました。
こちらに全文掲載しておりますので、ぜひご覧くださいませ。

贈呈式は、5月に東京都内で開催いたします。当日の様子は、後日あらためて記念館便りでご報告いたしますので、楽しみにお待ちいただけましたら幸いです。


----≪記念館からのお知らせ≫----


記念館は毎週火曜日を休館日としておりますが、5月の以下2日程は開館いたします。


5月1日(火):GW期間中のため開館
5月15日(火):開館記念日のため開館


両日ともに、翌水曜日(5月2日と5月16日)も開館いたします。皆さま、ぜひお越しくださいませ。

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スタッフ:淺野

2018.04.16 新緑の季節の中庭

記念館だよりをご覧の皆さま、こんにちは。
だんだんと日差しが強くなってきましたね!日中は汗ばむほどの陽気ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

さてご存知の方も多いと思いますが、記念館には中庭があります。
受付からガラス越しに中庭が見え、また、展示室をご覧いただいて出口の自動扉をくぐると中庭に出て、特に天気のいい日はぱぁっと明るい視界が広がります。
そのまま回廊に出ると、記念館のシンボルツリー・桂の木が目に留まります。

この桂の木をはじめ、中庭は季節ごとにその様子を変えるのですが、この4月に入ってやっと芽吹いた桂の葉っぱは日に日に大きくなり、今ではもう木陰ができるほどになりました。広がったハート型の黄緑の葉が風に揺れて、なんとも心地よい空間になっています。
回廊を歩くだけでも気持ちよさを感じるのですが、中庭には、記念館を設計してくださった中村好文先生デザインの「PERCH BENCH(止まり木椅子)」という細長く奥行が浅めのベンチがあります。
ここに腰掛けて時間を過ごされるお客様を、この時期は特によくお見かけします。たくさんの方から「気持ちいい場所ですね」というお声をいただきますし、中には「ついウトウトしてしまいました」なんて方もいらっしゃいます。

記念館の中庭は春夏秋冬楽しめますが、新緑の季節の中庭、本当におススメです!


IMG_7467.JPG展示室を出ると、桂がお出迎え

 

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すっかり大きくなった新緑の葉っぱ

 

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奥に見えるのがPERCH BENCH

新年度を迎え、学校やお仕事など新しい生活が始まって、何かと気忙しい毎日を送られている方も多いと思います。記念館にお越しの際は、ぜひこのベンチに腰掛けて桂を眺め、ほっと一息ついてくださいね。

ショップでは、この中庭の桂の写真をプリントしたポストカードと缶バッジを販売中です。
こちらもぜひご覧ください!

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ポストカードと缶バッジ

 

スタッフ:山岡

2018.04.09 伊丹十三は「いたみ・じゅうぞう」と読みます。

アラカンこと嵐寛寿郎さんは「かんジュろう」だとハッキリ覚えたの、いつだったかなぁ。大佛次郎さんは「だいぶつ」じゃないって知ってひそかに赤面したの、いつだったかなぁ。
テレビか、映画館のトークイベントだったような気がするけど、大学の講義だったかしら、友人との会話だったかもなぁ......

最近、そんなことで記憶のモヤと格闘しておりますが、なぜ思い出そうとしているのかというと、「ヒト(人類)が、それまで知らなかったことを覚えるのには、"音"が重要なんじゃないか」と気になっているからなのです。教科書に載っているような人名地名だって、先生がハッキリと声に出して言ってくれたから覚えられたんだろうと思いますし、年号も語呂合わせで暗記しましたよね。

courtyard_201804_01.jpgcourtyard_201804_02.jpg(春らしい空気のモヤモヤとも格闘していますが
タンポポが咲いて中庭はいよいよイイ雰囲気です)

伊丹さんが亡くなって、昨年の暮れで20年が経ちました。
これまで、たいていの人の間で「御存知、伊丹十三」で通るものだと思ってきましたが、これからはそういう前提では語れなくなっていくのだろうな、との感を、年々強めております。「世の移り変わり」とは、こういうことなのですねぇ。自分が記念館で勤めだした10年前には、まだよく理解できていませんでした。

簡単に言えば、今の若い方は、ごく小さい頃、あるいは生まれる前に伊丹さんが亡くなっているわけですから、伊丹さんを知らなくっても不思議ではないし、当たり前ですらあるんですよね。
「伊丹十三」って漢字は難しくないけど、読めなくっても仕方ないのです。(むしろ、字面が簡単であるがゆえに、知ってる側は「読めないわけがない」と思い込んでしまいがちという罠!)

伊丹十三が「いたみ・じゅうぞう」であるということ、どんな人なのかということは、あまりにも日常的に自然と吸収した事柄なので「自分がそれを覚えたのは、いつ、どういうことがきっかけだったか」を思い出せません。
「日常的に」「自然と」というのは、伊丹さんが頻繁にテレビに出ていたのが大きかったと思いますが、そのテレビから流れてきた音声、あるいは周りの誰かが何か言ったのを聞いて、「ふぅん、このひと、イタミ・ジュウゾウっていうんだ」と音で覚えた瞬間があり、次第に「伊丹十三」という文字と一致していったのじゃないかと思います。

私たち大人世代のこうした成長過程に比べると、今の若い方には、このように音声で知る機会が圧倒的に少ない――読めないこと、音で聞いたことのない情報は、記憶に定着しづらいんじゃないかなぁ――

そういうわけで、「伊丹十三は、いたみ・じゅうぞう、って読むんですよ」という説明も、今後は意識してやっていなかいといけないぞ、と考えています。

「人口に膾炙する」とは、ナマス(膾)とあぶり肉(炙)が美味しくって、みんなが喜んで口にすることから来ているのだそうです。
伊丹作品の、伊丹十三という人物の好きなところ、面白いと思うところについて、記念館のお客様方が実に楽しそうにお話ししてくださる、そのご様子からすると、伊丹十三について語るのは、旨みを味わうのに近いものがあるように思います。

これを「人口に膾炙する」ところにまで進めるには、その美味しさを知る人が増えなければいけませんので、みなさんにどんどん話題にしていただきまして、お若い方が「おお、いたみ・じゅうそう、について語るのは楽しいことらしいぞ」と惹かれる、そういう響きをもってこの名が広く語られるようにがんばらねば、と奮ってまいる所存なのであります。

そして、伊丹ファンのみなさんには、ぜひ「いたみ・じゅうぞう」と「声に出して」、できればお若い方々に向けて、大いに語っていただきたい、とお願い申しあげる次第であります。

新聞・雑誌などでご紹介いただくときには(若人向けの記事の場合は特に)「名前にルビをふってください」とお手間をおかけすることと思いますが、ご理解のうえご協力いただけますようにお願いいたします。

*************お知らせ*************

雑誌『POPEYE(ポパイ)』5月号(4月9日発売)の特集"ニューヨーク退屈日記"で、伊丹十三と記念館をご紹介いただいています。ぜひご覧ください。

popeye201805_853.jpg(もちろんルビ有り、ありがとうございます!)

学芸員:中野

2018.04.02 春爛漫

松山は、あちこちで桜が満開になりました。桜の種類によって咲く時期もいろいろですが、どれも例年より早いようです。一日でも長く咲いてほしいものですね。
皆さまがお住まいの地域は、いかがでしょうか。

記念館の敷地内にはヤマザクラがあります。こちらはベントレーのそばにあるヤマザクラ。

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2018.0402_3.JPG3月30日撮影


葉とともに花が開くヤマザクラには、素朴な魅力があるように思います。見ていると、なんとなくホッといたします。

そんな春爛漫の記念館では、入館者専用カフェ・タンポポで、今が旬の愛媛県産イチゴを使ったメニュー・豆乳イチゴをスタートいたしました!

2018.0402_4.JPG豆乳イチゴ(700円/税込)
イチゴをたっぷり使用していますので、ご覧の通り色あざやかです


豆乳イチゴは、2014年から毎年この時季にご用意している期間限定メニューで、幅広い年齢のお客様にご好評いただいております。
イチゴを凍らせて豆乳とともにミキサーにかけていますので、スムージーのような飲み口で、イチゴならではの優しい甘みをお楽しみいただけます。ぜひご賞味くださいませ。

中庭の桂の樹は、徐々に葉が大きくなりつつあります。新緑の季節も楽しみです!

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ご来館の際には、その時季ならではの光景をお楽しみください。

スタッフ : 淺野