

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2015.01.26 『主夫と生活』関連イベントのおしらせ
エッセイ『主夫と生活』(マイク・マグレディ著・伊丹十三翻訳)が、昨秋新装復刊されたことは、以前の記念館便りでお知らせさせていただきました。
記念館グッズショップの書籍コーナー
もちろん、記念館グッズショップでも販売を開始しております。
今回の復刊版には、内田樹さんによる解説が新たに収録されていることも大きな魅力です。『主夫と生活』が生まれてから時を経て、「いま」読むことの面白さを教えてくれます。この解説を読んで、「過去に読んだことがある」という方にも、ぜひ復刊版を手に取っていただきたいな、と感じました。
さて、この『主夫と生活』の新装復刊をてがけた出版社「アノニマ・スタジオ」が、2月7日・8日に、本好きのためのブックフェア「BOOK MARKET」を東京で開催するそうなのですが――そのブックフェアイベントのひとつに、伊丹さんをテーマにしたトークイベントがあるのです。
イベントタイトルは、「とんでもなく偉大なおじさん、伊丹十三のこと」。
ご出演なさるのは、伊丹さんの著書のデザインや伊丹映画のアートディレクターを担当なさったグラフィックデザイナー・佐村憲一さん(『主夫と生活』のエディトリアルデザインを務めていらっしゃるのも、佐村さんです)。
開催地は東京・蔵前とのこと。ご興味がおありの方は、イベントを主催する出版社「アノニマ・スタジオ」のホームページで詳細をご確認くださいませ(参加には事前予約が必要です)。詳細はコチラ。
ところで、佐村憲一さんといえば――細部までこだわってデザインなさった伊丹映画のポスターが、当館の常設展示室でご覧いただけます。
間近で楽しめる可動式パネルになっていますので、ぜひ記念館でご覧くださいね。
スタッフ:淺野
2015.01.19 宮本信子館長の出勤が決定しました!
皆さま、お待たせいたしました! 宮本信子館長の記念館への出勤が決定致しました!
今回は、2月4日(水)2月5日(木)の連続2日間の勤務です!
●2月4日(水)11時頃から16時頃まで
●2月5日(木)11時頃から13時頃まで
(当日の状況により、滞在時間は変更することがございます。ご了承ください。)
館長の出勤時にはこれといった特別なイベント等はありませんが、私達スタッフと色違いの制服を着用し、受付でお客様をお迎えしたり、写真撮影をしたり、お客様とお話をしたり、と、館長がいる間、受付は館長を囲むお客様で賑わいます。事前に情報を得られ、予定を合わせて来て下さるお客様も、ご存知なく、来てみてびっくり!のお客様も、とにかくお客様がみなさん大変喜んで下さいます。
実はスタッフは、「今日館長さんいらっしゃいますか?」とか、「次に館長さんいらっしゃるのはいつですか?」とか、毎日のようにお客様に尋ねられているのです。 ついに次の出勤のご案内ができる!ということで私たちも大変嬉しく思っています。
皆さま当日はお誘いあわせの上、ご来館下さいますよう、宮本館長はじめスタッフ一同、心よりお待ち申し上げております!
スタッフ:川又
2015.01.12 DVD『13の顔を持つ男』
年末年始、皆さまはどのように過ごされましたでしょうか。
ご自宅で過ごされた方の中にはゆっくり映画鑑賞という方も多かったのではないかと思います。年明けに記念館にお越しくださったお客様にも、年末年始に伊丹映画を観たという方が何名かいらっしゃいました(面白おかしく映画の感想を話してくださるお客様もいて、年明け早々、ついつい仕事を忘れて(?)聞き入ってしまうこともありました)。
そして、伊丹十三記念館限定販売のDVD『13の顔を持つ男-伊丹十三の肖像』をご覧になったという方も。やはり年末年始のお休みを利用して観賞されたそうで、「観たらここに来たくなってしまいました」とうれしいお言葉をいただきました。記念館グッズショップとオンラインショップ限定の販売にも関わらず、根強い人気を誇るこの『13の顔を持つ男-伊丹十三の肖像』。ちょっとご紹介します!
『13の顔を持つ男-伊丹十三の肖像』
オープニングとそれに続く第1章・「少年・池内岳彦 この父にしてこの子あり」から始まり、142分にわたって伊丹十三の生涯を紹介しています。
その特長はなんといっても、デビュー当時の映像や人気のCMの数々、ドキュメンタリー番組に出演していた際の映像など、今では貴重な映像が数多く収録されていること!
さらに、伊丹さんにゆかりのある方々総勢18名が「あの日の伊丹十三」「知られざる素顔」を語っています。
常設展示室の展示映像も一部収録されています
また、本編とは別に特典映像もおさめられています。題して"伊丹十三記念館ができるまで"。
ナレーション曰く、「その計画から完成までを見つめてきた記録」です。
私がこの記念館でお仕事をさせていただくようになったのは2012年秋からでしたので、オープンまでの様子を垣間見ることができるこの映像は、本当に興味深く貴重なものでした。建物をはじめ少しずつ出来上がっていく「伊丹十三記念館」にワクワクしながら、この記念館が伊丹さんの、そして伊丹さんへの思いがたくさん詰まった場所なのだと再認識するのです。
興味を持たれた方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
スタッフ:山岡
2015.01.05 50周年
あけましておめでとうございます。2015年、いかがおすごしですか?
元日、岩手から愛媛に戻る途次、
新幹線車内から岩手山が見えました。
ありがたきかな。
「今年は"20十三"年ですね!」と書いたのが、昨年ですらなく一昨年、という事実に気付いて驚愕しております。ついこの間のことのように記憶しているのに......なんということでしょう。
昨年は、とくに大きな声では申しあげませんでしたけれど、『お葬式』公開すなわち伊丹十三映画監督デビュー30周年でした。
今年2015年は、『お葬式』の翌年に公開された第2回監督作品『タンポポ』から30年、ということになるのですが、映画監督以前からの仕事である文筆業でいいますと、初エッセイ集『ヨーロッパ退屈日記』刊行から50年、なのであります。
左:ポケット文春、右:B6判
ポケット文春の頃は、伊丹「一三」(いちぞう)でした。
1965年にポケット文春シリーズから出た『ヨーロッパ退屈日記』を1974年にB6判へ改めたときでさえ、若かった自分の書いた文章について「われながら青臭く、うとましく、恥ずかしさのみが先に立つ」とあとがきに綴った伊丹さんですから、こんなにも長く読み継がれることになるとは、想像もしていなかったことでしょう。
その後、文春文庫になり(1976年)、新潮文庫になり(2005年)、多くの方に読まれ愛され続けて半世紀――イヤハヤ!
長く読まれてきたエッセイは(たとえば『枕草子』のように千年以上の時を経たものでも)、書かれている内容・出来事・情報が面白いとかタメになるとか歴史を学べるとかいうことを超えて、著者のするどい着眼点のありよう、もっといえば、世界に対するすぐれた皮膚感覚を、力強く、しかし心地よく、いきいきと、私たちに追体験させてくれる、そういう魅力があると思います。書き手の「発するもの」や「発し方」ばかりではなくて、その手前にある、ものごとの「受け方」に感銘を受ける、といいますか。
読み終えて顔を上げると世界がちょっと違って見えるような不思議な感じが、『ヨーロッパ退屈日記』を初めて読んだときも、しましたっけ。あの感じは、ほんとうに愉快なものですね。
未読の方、どこかでこの本を(もちろん他の伊丹エッセイでも!)見かけたら、ぜひお手に取ってみてください。ちょっぴり伊丹十三になることができ......るかもしれません!
出版から絶版へのサイクルがどんどん速まっているこのご時世にもかかわらず、たくましく50周年を迎えようとしている伊丹十三の初エッセイ集を眺めながら、「このホームページや展示でいい発信をするために、私も受ける力を鍛えて磨かなくちゃ」と、そんなことを考えている年頭です。
本年もどうぞよろしくお願い申しあげます。
学芸員:中野
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<おしらせ>
日本映画専門チャンネルの戦後70年企画「ある日本映画史~長門裕之と津川雅彦の場合」で、津川さんの代表的出演作として『あげまん』が放送されます。津川さんのインタビューもたっぷりの特別番組と併せてお楽しみください! 伊丹万作脚本の『無法松の一生』(子役時代の長門裕之さんが出演)も放送されますヨ!!
(※受信契約の必要な有料チャンネルです。新規契約の場合、機器のご入手・設置に日にちのかかることがあるようですので、ご興味おありの方はお早めにご検討を!)
2015.01.02 館長・宮本信子から新年のご挨拶
現在の企画展「旅の時代-伊丹十三の日本人大探訪-」を、一部新しく致しました。
私の若い頃出演した「遠くへ行きたい」の映像を御覧いただけます。
すっかり忘れていましたので、改めて見ました!
あまりの若い自分にのけぞり~、懐かしさ一杯になりました!
今年もよろしくお願い致します。
スタッフ一同、心よりお待ち申しております。
宮本信子

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