記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2016.03.28 春の記念館より

まだ少し肌寒い時もありますが、日差しにあたたかさを感じるようになった今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

記念館の中庭では先週の水曜日、タンポポが咲きました。
朝出勤して中庭を見るとスタンプを押したように黄色い花がひとつ、ぽんと咲いていたのですが、その日は天気が良かったこともあって、昼過ぎにはさらに2つ3つと開いたタンポポが増えていました。
おなじみ桂の木も、芽吹きの準備を始めているようです。

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そんな春の記念館から、5月に迎える開館9周年を記念したイベントのご案内をさせていただきます。


◆◆◆◆いよいよ次の日曜日!無料開館◆◆◆◆


次の日曜日・4月3日に、無料開館を行います!

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「記念館は初めて」という方には、伊丹十三記念館を知っていただくきっかけになれば幸いですし、「また行きたい!」と思っていただければスタッフ一同本当に嬉しく思います。もちろん以前お越しくださった方のご来館も大歓迎です。
入館された方専用のカフェ・タンポポもご利用いただけますので、伊丹映画のサウンドトラックが流れる店内で、春の中庭を眺めながらゆっくりとお寛ぎください。

詳細はコチラ

◆◆◆◆参加者募集中!伊丹十三記念館・収蔵庫ツアー◆◆◆◆

当館の収蔵庫は通常の倉庫とはちょっと異なり、資料の数々を「展示風」に収めたスペースがあります。この収蔵庫ツアーでは、そんな風にジャンルごとに分けられた伊丹さんの直筆原稿や衣類、食器、楽器などの愛用品を実際にご覧いただくことができるのです!伊丹さんをより感じてみたい方には特にお勧めの、見所満載のツアーです。

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応募方法など詳細はコチラ

応募締切は4月18日です。奮ってご応募ください!

スタッフ:山岡

2016.03.21 第8回伊丹十三賞の受賞者が決定いたしました!

伊丹十三記念館より、毎年春恒例のお知らせをお届けいたします。

すでにメディアでも報じられていますので、ご存じの方もいらっしゃることと存じますが、第8回伊丹十三賞を、映画監督・テレビディレクターの是枝裕和様にご受賞いただくことになりました!
今年も素晴らしい方にご受賞いただけましたことを、関係者一同、大変嬉しく存じております。

是枝監督のご活躍は皆様ご存じの通りですが、あらためてプロフィールをご紹介させていただきます。

portrait.jpg≪プロフィール≫-------------
1962年6月6日、東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、テレビマンユニオンに参加。主にドキュメンタリー番組を演出。14年に独立し、「分福」を立ち上げる。主な監督作品に、主演の柳楽優弥がカンヌ国際映画祭で史上最年少の最優秀男優賞(柳楽優弥)を受賞した『誰も知らない』(04)、『歩いても 歩いても』(08)、自身初の連続ドラマ『ゴーイング マイ ホーム』(12)、カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞した『そして父になる』(13)、同映画祭コンペティション部門に正式出品された『海街diary』(15)など。最新作『海よりもまだ深く』5月21日全国公開予定。
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映画監督としてご活躍なさりながら、映像作品の企画・制作・プロデュースなど様々な活動を行っている制作者集団「分福」を立ち上げていらっしゃいます。

伊丹十三賞選考委員会によります「授賞理由」もご紹介いたします。

「映画監督が映画産業のなかのひとつの役割にすぎなくなりつつある時代に、みずから独立したシステムをつくり、構想、脚本、キャスティング、演出、編集までを一貫して手放さない、映像作家としての姿勢、その成果に」

――この授賞理由をお伝えしましたところ、是枝様よりお心のこもったコメントを頂戴いたしました。

≪受賞コメント≫-------------
 伊丹十三という名前は僕にとっては特別なものです。伊丹さんご自身もその志に共感して深く関わられていたテレビマンユニオンに僕も27年在籍していましたし、伊丹さんがそこで今野勉さんたちと作られたテレビ史において特筆に値する斬新で、軽妙で、それでいてテレビの本質を鋭くえぐった番組群は、僕自身がテレビについて考える上で最大の指針になりました。
 今回、その特別な名前のついた賞を頂けるのは大変光栄ですし、作品そのものだけではなく、それと向き合う姿勢や、組織のあり方も含め評価を頂いたのが、何より嬉しいことで、周りのスタッフも共に喜んでくれると思います。
 本当にありがとうございました。
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素敵なコメントをいただきまして、関係者一同、あらためて大変光栄に存じております。

コメントで触れてくださっていますが、伊丹さんは、1971年にテレビマンユニオン制作のテレビ番組『遠くへ行きたい』に出演して以来、テレビマンユニオンとともに番組制作に取り組んでいた時期がありました。記念館の常設展示室 九「テレビマン」のコーナーでもご紹介しております。ぜひご覧になってみてください。


9th_exhibit.JPG常設展示室 九「テレビマン」のコーナー


贈呈式は、4月に東京で開催いたします。
当日の様子は、あらためて記念館便りでご報告させていただきますので、楽しみにお待ちいただけましたら幸いです。

スタッフ:淺野

2016.03.14 基本の春

最近、伊丹十三の著書と関連書籍を一から読み直しています。

juzo_books.jpgこれらはすべて、今でも書店・インターネットで
お求めいただける"現役"の書籍です。

「ここらでしっかり基本に戻らねば」と感じていたところへ、読み直してから取りかかるべき仕事が生じたので、これ幸運と取り組んでおります。

「基本に戻らねば」――というのも、先日、ほかでもない私の母が、本屋で目に留まった『伊丹十三の本』(新潮社)を買って読んだそうで、買った理由も「何も買わないと本屋さんに悪いから」という消極的なものだったらしいのですが、ある日の電話で開口一番「伊丹さんって面白い人だったのねぇ~!」と言ったのですね。

あれがよかったこれがよかったと報告してくれる母の話に相槌を打ちながら「そうか、こういうことを面白がってもらえる本なんだなぁ。自分は何度も読んでいて『知ってて当然のこと』と思い込んでしまっていたかもなぁ」と反省したのです。
(「何年も前に私が差し出した時には、素気なく辞退したじゃないの!」とも思いましたけどね、ちょっとだけね。)

book_book.jpg母曰く「インタビューが全部いい、語り手の皆さんがすばらしい。
伊丹さんとの関係がすばらしい」。
殊に、岸田秀さんの「伊丹さんはあの頃育児に"凝って"いて」
という表現がツボにはまったようでした。確かに(笑)

記念館ができてもうすぐ9年になります。自分も周りのスタッフも勤続年数が長くなってきますと、「お互いにわざわざ話題にしない基本情報」が増えるせいもあってか、記念館便りでも、展示の中でも、お客様とのおしゃべりでも、ついつい小ネタに走ったり、「誰も知らなさそうな伊丹十三」を紹介しなきゃと力みがちになっていたような気がします。

伊丹十三の著書は館でも家でもすぐ傍にあるのに、引用元として確認するためや、印刷のゲラチェックで写し間違いがないか照らし合わせるためなど、"資料"として使うばかりになっていました。お恥ずかしい限りですが、字引のように開く以外に、最後に、純粋な一読者として手に取ったのはいつだったかしら――

europe_catch.JPG伊丹十三のエッセイデビュー作『ヨーロッパ退屈日記』(1965)
山口瞳さんがつけた名キャッチフレーズ

今一度、伊丹エッセイに「ニヤッ」としながら基本をしっかりおさらいし、より多くの方々にお勧めできるようになって、10年目に入りたいと思います。

学芸員:中野

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5月15日、伊丹十三記念館は開館9周年を迎えます。
記念イベントを下記のとおり開催いたしますので、ぜひご参加くださいませ。

○無料開館...4月3日(日)

○収蔵庫ツアー...5月13日(金)~15日(日)※事前応募制・4月18日(月)必着

詳しくはコチラ

2016.03.07 開館日のご案内

記念館便りをご覧の皆さま、こんにちは。
幾分寒さもやわらいできましたね。記念館前を流れる川の土手は、今ちょうど満開の菜の花の黄色で覆われていて、なんとも春らしい景色になっています。

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さてこの時期になると、「ゴールデンウィークは開館していていますか?」というお問い合わせをよくいただきます。


ゴールデンウィーク前にも、土日が休みの方は3月19日からの3連休がありますし、学生の方なら春休みに入ります。
暖かく過ごしやすくになってきたこの頃から、ご家族やご友人とのご旅行や外出を計画される方が多くなるのですね(ご予定の中に記念館を組み込んでくださってありがとうございます!)。

そこでゴールデンウィーク前後の開館日をちょっとご案内いたしますと・・・
通常、当館は火曜日を休館日としており、火曜日が祝日の場合は開館して翌日水曜日が休館となりますが、今年のゴールデンウィークは、5月3日憲法記念日はもちろん翌日水曜日も5月4日みどりの日で祝日となりますので、開館いたします!

4月26日(火) : 休館
4月27日(水)~ 5月9日(月) : 開館
5月10日(火) : 休館

「お休みにどこへ行こうかな」とお考え中の皆さま、ぜひ記念館に足を運んでみてくださいませ。

ゴールデンウィークも含めて、記念館の開館日はホームページにある「伊丹十三記念館 開館カレンダー」でご確認いただけます。現在今年8月まで掲載していますので、チェックしてみてくださいね。

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また、県外からお越しの方など、当ホームページ内の「ご利用案内→入場料・アクセス」で松山空港や松山市駅、道後からのアクセス方法をご案内していますので、そちらもご参考になさってください。

皆さまのお越しを、スタッフ一同心よりお待ちしております。

スタッフ:山岡