記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2016.03.21 第8回伊丹十三賞の受賞者が決定いたしました!

伊丹十三記念館より、毎年春恒例のお知らせをお届けいたします。

すでにメディアでも報じられていますので、ご存じの方もいらっしゃることと存じますが、第8回伊丹十三賞を、映画監督・テレビディレクターの是枝裕和様にご受賞いただくことになりました!
今年も素晴らしい方にご受賞いただけましたことを、関係者一同、大変嬉しく存じております。

是枝監督のご活躍は皆様ご存じの通りですが、あらためてプロフィールをご紹介させていただきます。

portrait.jpg≪プロフィール≫-------------
1962年6月6日、東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、テレビマンユニオンに参加。主にドキュメンタリー番組を演出。14年に独立し、「分福」を立ち上げる。主な監督作品に、主演の柳楽優弥がカンヌ国際映画祭で史上最年少の最優秀男優賞(柳楽優弥)を受賞した『誰も知らない』(04)、『歩いても 歩いても』(08)、自身初の連続ドラマ『ゴーイング マイ ホーム』(12)、カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞した『そして父になる』(13)、同映画祭コンペティション部門に正式出品された『海街diary』(15)など。最新作『海よりもまだ深く』5月21日全国公開予定。
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映画監督としてご活躍なさりながら、映像作品の企画・制作・プロデュースなど様々な活動を行っている制作者集団「分福」を立ち上げていらっしゃいます。

伊丹十三賞選考委員会によります「授賞理由」もご紹介いたします。

「映画監督が映画産業のなかのひとつの役割にすぎなくなりつつある時代に、みずから独立したシステムをつくり、構想、脚本、キャスティング、演出、編集までを一貫して手放さない、映像作家としての姿勢、その成果に」

――この授賞理由をお伝えしましたところ、是枝様よりお心のこもったコメントを頂戴いたしました。

≪受賞コメント≫-------------
 伊丹十三という名前は僕にとっては特別なものです。伊丹さんご自身もその志に共感して深く関わられていたテレビマンユニオンに僕も27年在籍していましたし、伊丹さんがそこで今野勉さんたちと作られたテレビ史において特筆に値する斬新で、軽妙で、それでいてテレビの本質を鋭くえぐった番組群は、僕自身がテレビについて考える上で最大の指針になりました。
 今回、その特別な名前のついた賞を頂けるのは大変光栄ですし、作品そのものだけではなく、それと向き合う姿勢や、組織のあり方も含め評価を頂いたのが、何より嬉しいことで、周りのスタッフも共に喜んでくれると思います。
 本当にありがとうございました。
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素敵なコメントをいただきまして、関係者一同、あらためて大変光栄に存じております。

コメントで触れてくださっていますが、伊丹さんは、1971年にテレビマンユニオン制作のテレビ番組『遠くへ行きたい』に出演して以来、テレビマンユニオンとともに番組制作に取り組んでいた時期がありました。記念館の常設展示室 九「テレビマン」のコーナーでもご紹介しております。ぜひご覧になってみてください。


9th_exhibit.JPG常設展示室 九「テレビマン」のコーナー


贈呈式は、4月に東京で開催いたします。
当日の様子は、あらためて記念館便りでご報告させていただきますので、楽しみにお待ちいただけましたら幸いです。

スタッフ:淺野