記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2022.10.24 記念館スタッフ vs ルート検索!

朝の日だまりと帰り道の夕風が心地よい季節になりました。
全国旅行支援を利用して、土地土地の秋の風情をお楽しみの方もいらっしゃることでしょう。

20221024_1.JPG通勤の自転車を漕ぐ時、背中に感じる
朝日の温もりがなんとも嬉しいこと!

20221024_2.JPG秋といえば、落ち葉の季節でもあります...
嗚呼、掃いても掃いても...

えー、前回、「お客様との会話が勉強の機会になることが多々ある」というお話をさせていただきました。

が、そもそもがおしゃべり好きなもので、どんな話題であろうと、話しかけていただければ単純に嬉しい! そんな気持ちもございます。

しかし、この数年、お客様と言葉を交わす機会が激減しているような気がいたします。
新型コロナへの用心、というのが、今は第一の理由でしょうが、スマートフォンの普及や、便利なwebサイト・アプリの登場も、少なからず影響しているのではないかな、とも推察されます。ご時世ですね。

たとえば、そろそろ館を出ようとしているらしいお客様が、ロビーの椅子に腰かけて、スマホの画面とにらめっこしている、そんなお姿をよくお見かけするようになりました。

おそらく...交通手段をお調べなのではないかしら...土地勘のない旅先だと最適なルートを調べ当てるのって結構難しいのよね...
以前だったら「街のほうに行くバスの停留所はどこですか?」「JR松山駅への交通手段はありますか?」など、ご質問いただいているはずの場面...だった、ような...ムズムズ。

ま、わたくし、厚かましく生まれついておりますので、自分のほうから「ここからの交通手段をお探しでしたら、お手伝いしましょうか~? 次の目的地はどちらですか~?」と話しかけてしまうのですが。

「施設の人と話すなんて恥ずかしい」「面倒くさいからそっとしといて」と感じる方も中にはいらっしゃる、そのお気持ちも、分かります。(実のところ、私も外に出ると恥ずかしがりなもので...あれ? "おしゃべり好きで厚かましい恥ずかしがり屋"って、どういうことでしょう(笑))

でもね、土地勘のある人に聞いたほうが絶対に得なんです!
"Google先生"でもご存知ない道や、移動手段を住民は知っているのですから!

たとえばこれ、「伊丹十三記念館」と伊予鉄道の郊外電車・横河原線「いよ立花駅」との徒歩経路の検索結果なんですが...

20221024_map.JPG記念館の近くに「天山橋(あまやまばし)」停留所があり
伊予鉄バス(15分に1本/15・18番線)のご利用をお勧めしているので
いよ立花駅をご利用される方はそう多くない、とは思います、ハイ。

見た瞬間に「ナンジャコリャ!?」とのけぞりました。なぜかというと......

20221024map_2.JPG黒枠のところは「天山交差点」と言います。
北西の角にあるイオンスタイル松山店が目印です。

検索結果の経路が避けている「天山交差点」(上図の黒い囲み部分)、この交差点の下には地下道があって、そこを通れば、いよ立花駅と記念館はほぼ一直線、所要時間は15分弱ぐらいだからです。

(※1)地上の横断歩道は自転車専用です。
(※2)地下道との昇降は階段のみなので、車椅子の方や重いカートをお持ちの方には、検索結果通りのルートをお勧めします。

というわけで、ご来館くださるだけで大大大感謝なのでありますが、せっかくお出かけくださったからには、ぜひスタッフにお気軽にお声がけくださいね。
展示に関するご質問・ご感想も、喜んでお伺いいたします。

などなど考えていた最近のこと。
お客様から「ここの人たちはみんな、事務的な感じがなくて話しかけやすいのもイイですね」とのお言葉をいただきました。思いがけないポイントで高評価をいただいて、本当に、心から嬉しくて感激したことでした。

そんなわたくしの"来館者"としての経験談を最後に少々。
ある年の瀬、帰省のついでに郷里の某施設を訪ねた折――
そろそろ退館しようかと思い、受付の方に「そこのバス停の時刻表、あります?」と質問してみましたら、「あ、そういうのはないんです」とサラっと言われ、雪降り積もる北国の停留所に延々たたずみ続けることになり......自分で念入りに調べておくのが必要な場合もありますネ......悔恨の涙でツララをこさえたのでありました。

学芸員:中野