記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2021.09.06 伊丹十三の映画監督デビュー


伊丹十三が映画監督デビューをしたのは、51歳のときです。

それまでは、俳優、CM作家、エッセイスト、テレビマンなど様々な分野で活躍し結果を残していました。
しかし、いくら見事な経歴の持ち主だからと言って、必ず映画監督として成功するとは言い切れません。
残念ながら有名人の「映画撮影に挑戦して結果、大赤字」というエピソードは正直よく耳にする話であります。
蓋を開けてみるまではわからないということですね。


そう考えると伊丹さん本人の「映画を撮る」という決断も確かにすごいことですが、伊丹さんの映画監督デビューを支えた周りの人々にはより頭が下がる思いがいたします。


「あなたは伊丹万作の息子なんだから、映画監督になるべき人物よ。1本でいいから映画を撮ってちょうだい!」と言って伊丹さんを鼓舞した当館の宮本信子館長。


そして映画撮影にかかる大金の多くを準備した玉置泰館長代行。


『お葬式』の後も続く伊丹さんの映画監督としての成功を知っているので、この伊丹さんの監督デビューを支えた人々の行動について、わかっているつもりで実際にはピンときていなかった部分があったと感じています。


なかなかできるものではありませんよね。


先日拝見した山田洋次監督の『キネマの神様』で主人公ゴウが映画初監督作品に挑むシーンを観ながら、映画そっちのけでそんなことを考えていたわたくしでございます。



この伊丹さんの映画監督デビューにまつわるエピソードについては先日の 記念館便り にて新潮社発売の「伊丹十三の映画」とほぼ日の「伊丹十三特集」をご紹介いたしましたが、伊丹十三記念館限定で販売されているDVD『13の顔を持つ男』にも宮本信子館長や玉置泰館長代行のインタビューがありましたのでよろしければ是非ご覧ください。
映像をご覧いただければ、より伝わるものがあるかと思います。


20210906.jpg「13の顔を持つ男」



「13の顔を持つ男」 は こちら

「伊丹十三の映画」(新潮社)は  こちら

ほぼ日刊イトイ新聞 玉置泰館長代行のインタビューは こちら






スタッフ:川又