こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2017.04.03 第9回伊丹十三賞の受賞者が決定いたしました
多くのメディアでご紹介いただきましたので、すでにご存じの方もたくさんいらっしゃると思いますが――第9回となりました伊丹十三賞の受賞者は......
星野源さんです!
(賞の概要と受賞者情報の詳細はコチラでどうぞ!)
テレビ・雑誌・インターネット、町を歩けば、書店の話題書コーナーや映画のポスターで、お顔とお名前を見ない日はないほど、ご活躍中でいらっしゃいます。
何しろ、俳優で音楽家で文筆家。多岐にわたる分野で旺盛に活動され、ひっぱりダコの星野さんですから、とってもお忙しいはずなのですが――
音楽、エッセイ、演技のジャンルを横断し、どこか息の詰まる時代に、エンターテイナーとして驚くような風穴をあけてしまった星野的表現世界に。
という伊丹十三賞選考委員会による授賞理由をお伝えいたしましたところ、こんなコメントをくださいました。
受賞のお知らせを聞き、本当に驚いています。自分にとって伊丹さんの存在は、遥か遠くに見える灯台のようでした。しかし、その灯りへはどうやっても辿り着けないようにできていて、その活動の姿勢や後ろ姿から、暗に「君は君の場所を作れ」と言われてるようにいつも感じていました。そしていま、こうして伊丹十三賞をいただけたことは、身に余る光栄であり、人生を丸ごと認めていただいたように嬉しいです。これからも手探りで活動を続けたいと思います。本当に、有難うございます。
マネージャーさんを通じて頂戴したこの文章を読んだ瞬間、胸が熱くなりました。
「心から伊丹さんを愛していて、心から喜んでくださっている......歌詞のようでもあるし、孤独を知る旅人の随想みたいでもあり、星野さんの心境が、絵画や映像を見るかのようにイメージできるなぁ......」
気が付いたら、目頭も熱くなっておりました。
"旅人"といえば、星野さんの最新エッセイ集『いのちの車窓から』第1巻(KADOKAWA)が3月30日に発売されました。
人生は旅だというが、確かにそんな気もする。自分の体を機関車に喩えるなら、この車窓は存外面白い――
タイトルエッセイの中の一文です。
日常の風景や身近な人たちに向ける星野さんのまなざしのあり方に、頷き、唸り、いろんなことを気付かされながら読み進めるうち、伊丹さんの名言を思い出しました。「旅の時代」展(2013年12月~2015年12月)を構想するきっかけになった言葉です。
旅をする心を持つ人にとっては、近所を散歩して、見知らぬ道にふいと踏み入ることすら旅であるだろう。
贈呈式レポートは、開催が済み次第、4月中には掲載したいと思います。楽しみにお待ちくださいね。
学芸員:中野
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