記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2014.01.20 冬のお知らせ(インドア派のみなさまへ)

寒い日が続いていますがみなさまお元気でお過ごしでしょうか。今年も冬将軍は横綱相撲ですねぇ。

年末年始には長めの休みをもらって郷里の岩手へ帰省したわたくし、元日に松山に戻ってから数日の間は「松山は暑いぐらいですね」なんて勝ち誇ったように言っていたこの口で、毎日「寒い寒い」とこぼしています。夏には暑いと文句を言い、冬には寒いと文句を言い......まことに申し訳ありません。


0120taro.JPG名犬・鈴木太郎君と冬の太平洋。
(すみません、他家の子です...)

20代の頃はまだやせ我慢がきいていて、袖や裾の長い肌着を着ずに過ごせていたのに、今ではブクブクに着ぶくれております。
フと隣の同僚・淺野を見ると、彼女はいつもスッキリシャキっとしていることに気付き、「パッチとかはいてないの? まぁ、パッチっていうか今風に言えば"レギンス"だけど」と尋ねると、「はいてません、はきませんねぇ」と言うではありませんか! シンジラレナーイ!
「えぇっ、それで冬を過ごせるものなの!?」、「だからこれ(愛用の大判ひざ掛けを掲げて)が欠かせないんです」、「行き帰りは? 寒いでしょ!?」、「はい、寒いですよ~!(ニッコリ)」
なんて辛抱強いのでしょう......同僚が偉大な人物に見えて、思わず拝みそうになりました。


そんな淺野がパッチもはかず、寒さに震えながら夜なべで書き起こした池上彰さんの講演録ページがこのほど完成、公開を開始いたしました!

●第5回伊丹十三賞受賞記念・池上彰氏講演会 採録
 →http://itami-kinenkan.jp/award/award05_01.html


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定員900名に対して3000名を超えるご応募いただきましたので、残念ながら多くの方がご落選の結果に涙を呑まれた催しでしたが、ご来場くださったお客様やご取材の方からは「池上さんのお仕事の根底にあるお人柄に心が熱くなりました」というご感想をいくつもお寄せいただいた講演です。1時間半のお話をノーカット採録、全7ページ、最後まで読んであったまってください!


それから、インドア派向けにお知らせをもうひとつ。
俳優・伊丹十三の出演作品が2月に日本映画専門チャンネルで放送されます。

●『家族ゲーム』(1983年)
...森田芳光脚本監督。松田優作演じる大学生を次男の6人目の家庭教師として迎える沼田家のヘンテコきわまりないお父さん役で出演。目玉焼きの黄身に吸い付いて「(しっかり焼かれると)チュウチュウできないじゃないか」と苦言を呈するなどの名演技は必見です。

●『居酒屋兆治』(1983年)
...降旗康男監督、山口瞳原作。高倉健さん演じる主人公英治の営む居酒屋「兆治」の常連役で出演。酔っぱらってクダを巻く演技は絶妙に憎たらしくて最高です。(個人的には、居酒屋兆治の向かいにある、ちあきなおみの小料理屋「若草」に行ってみたいです。)

※日本映画専門チャンネルは申込みの必要な有料放送です。    
視聴方法などチャンネルに関する詳細情報はこちらをご覧ください。

どちらも『お葬式』で監督デビューする前年の出演作ですね。
この2作品では「怪演系」伊丹さんの演技を見ることができますが、これらと同時期の『細雪』(1983年・市川崑監督)、『瀬戸内少年野球団』(1984年・篠田正浩監督)では、渋い日本の男を演じています。キネマ旬報賞助演男優賞・報知映画賞助演男優賞を受賞し、高い評価を受けた俳優・伊丹十三の演技、機会があれば映画館やテレビ放送、DVDでぜひご覧ください。


屋内にこもりがちなこの季節は、じっくりと心の栄養補給。インドア派のみなさまも冬を楽しくお過ごしくださいね。

もちろん、当館の新企画展『旅の時代 ― 伊丹十三の日本人大探訪 ―』も猛烈におすすめいたします! 当館までの道中の寒さにちょっとだけ堪えてお越しいただければ、展示室にいながらにして、日本中、世界中、古代にだって行けちゃいますよ。お待ちしております。

(その後淺野はパッチデビューを果たし、革命的に暖かい冬を過ごしておるようですのでご心配なく! わたくしはといえば、実のところ、毛糸のレッグウォーマーをも着用しておりますが、これは淺野にはまだ明かしておりません。ヒミツですヨ......え、ズボンの裾からハミ出してバレてた......?)

0210mamawarmer.JPG母の手編みです。穿きすぎてノビノビヨロヨロ~


学芸員:中野