記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2012.07.30 2012夏のお知らせ

暑中お見舞い申しあげます。
えっ?「誰よりもぐだぐだどろどろのアンタにお見舞い言われても」? ええ、ハイ、もう、スポーツ飲料で露命をつないでいるような有様でして...お恥ずかしい限りです...

ホンっト、松山のみなさんの暑さに強いことには毎年驚かされます。お見舞い申しあげたいというより称賛申しあげたいぐらいです。(まぁ、冬になると、松山の方の寒さに弱いことに驚かされるんですが...あっ、すみません!)

clouds_2012.JPG【松山の夏雲はむっちりとしています】


7月に暑い暑いとコボしまくり、8月になるとコボす元気さえなくなりあきらめに至る、というのがここ数年の私の定番なんですが、今年はちょっと違います。ある楽しみをね、8月に控えているので(やや)元気なのです。その「楽しみ」は何かと言いますとね——

名作ドキュメンタリー「天皇の世紀」、
8月13日(月)より日本映画専門チャンネルで全26話放送!!

番組詳細はこちら

「天皇の世紀」については前回も大まかにお知らせいたしましたが、明後日8月1日(水)まで放送されるドラマ版と、このドキュメンタリー版とでは、原作(大佛次郎氏による長編史伝)を同じくしながら、趣きはガラリと変わっています。

そもそも「幕末から明治にかけての日本を舞台としたドキュメンタリー」に「伊丹さんが案内役で毎回出演」ってどういう作品なのでしょうか?

  • 台本はなく、歴史的事件や出来事のあった場所に赴いて撮る!という現場主義。
  • 伊丹さんの訪ねる先々で歴史的事件が再現されたりする。(そこは往々にしてセットや「昔風の町並み」ではなく現代の日本のマチナカであります。「今いるこの場所で、こういうことが起こりました」あるいは「こういうことがあった場所は、今はこういう場所です」と、「今」から「当時」に分け入ったり、逆に戻ってきたりする感じです。)
  • 伊丹さんの役割は、そこでかつて何が起こったのかを説明するレポーター。(台本はないわけですから、コメントはスタッフとのディスカッションや伊丹さんの即興によるものです。)
  • 伊丹さんは研究者に質問して解説を促したり、視聴者に疑問を投げかけたり、視聴者と一緒に悩んだりもする。
  • そして、侍の扮装で現代のパリを歩いてみたりなんかもする!?

...私の説明が拙いこともあり、「ちょっとー、どういうことなの、よく分かんないじゃない!」というお声が聞こえてきそうですが、つまり、観てみなくては分からないほど、冒険的な番組なのです!(うまいこと言い逃れしたみたいで申し訳ないですけど...)
記念館で限定販売しているDVD「13の顔を持つ男」でも名場面の数々が紹介されている「天皇の世紀」ですが、今回の放送は全編通してご覧いただくチャンスです。お見逃しなく!

※日本映画専門チャンネルは申込みの必要な有料放送です。視聴方法などチャンネルに関する詳細情報はこちらをご覧ください。


ハイ、それから、大変長らくお待たせいたしました...

第3回伊丹十三賞受賞記念 内田樹氏講演会
「伊丹十三と『戦後精神』」採録ページ一挙公開いたしました!!

こちらからどうぞ!

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【館長とのミニトークもございます】

80分の講演をすべて採録いたしましたので、全7ページで少し長うございますが、そして、現代の日本に生きる者として「耳が痛いよぅ!」と感じずにはいられないお話でありますが、お時間おありのときに、じっくりとお読みください。
伊丹さんが映画『北京の55日』で演じた会津藩出身の明治の武人・柴五郎氏の生涯についても触れられていて、「天皇の世紀」と強くリンクするところがあります。読んでから観ても、観てから読んでも、より理解が深まると思いますので、ぜひ併せてどうぞ。


また、ご好評いただいております万作さんのつぶやき(Twitter「伊丹万作名言集」)に続きまして

十三さんが「伊丹十三の言葉(@juzo_itami)
つぶやきを開始いたしました!!


伊丹さんの著書・訳書から、ユニークなひとことをセレクトして、7時・17時・22時の1日3回ツイートしています。アカウント登録・フォローしてリアルタイムでキャッチするもよし、ときどきまとめて読むもよし、お好みのペースでお楽しみくださいましたら嬉しく存じます。
(時間になると、いろんな著書からのフレーズがランダムに投稿される仕組みなのですが、ロンドンオリンピックの開会式がまさに行われている最中には、イギリスに関係のあるひとことが投稿されていて「しょえぇぇぇ!」となりました。しかもちょっと辛口な感じでしたし...ハラハラ!)

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【ニャンキチを抱く伊丹さんの写真が目印です】

以上、だいぶインドアな情報ばかりでしたが、みなさまの夏のお供となりましたら幸甚です。それではごきげんよう。
学芸員:中野