記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2012.06.18 普通

 みなさま、こんにちは。6月に入り本格的な梅雨に入る時期ですね。5月はお天気が続いたので梅雨の時期にまとめて降ってほしいと個人的には思います。理由は私が住む町ではよく水不足で断水になるからです。断水になるとたちまち困るのがトイレ。私の家のトイレではペットボトル(1リットル)が4本必要になります。普段、普通にあるものを大切にしたいなとこの時期になると改めて感じます。

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水といえば伊丹さんがエッセイ『女たちよ!』で水の味について書いています。伊丹さんと一緒に旅行した相手が「水にうまいまずいはないだろう」といい、そこを伊丹さんが「水というものは場所によっていろいろに味が違うもんだよ。」という話が書かれています。

私たちの生活に普通にある水。水といってもスーパーに行くと色んな場所で採れる水を購入できます。一見何気ないことですが、普通に感じてしまうと普通で終わってしまい、普通でないと感じて他の事も感じるようにすると、見た目や味がいつもと違うように感じることもできると思います。

 伊丹さんのエッセイ全体で共通して私個人として感じることがあります。それは他人が普通と感じることを普通と感じずに、物事などを追及して伊丹さんの感じ方(答え)を出している点です。

私は今まで毎日生きていく中で特に何も感じずに生きてきたのですが、伊丹さんのエッセイを読むと、このまま普通に生きてきたのではもったいないなと感じるようになり、最近は今まで普通にしていたことに自分なりのこだわりを少しだけ入れるようにしたり、私が普通にしていたことに「これは本当に普通なことかな?」と見直しをするようにしました。

今まで自分が普通と思っていたことに普通でないかもしれないと考えるのは少し勇気が入ります。けれど、普通でないかも?と考えると少し世界が広がると思います。

伊丹さんは一般的に普通と思われていることを普通でないと世間に広めた勇気ある人だと私は思います。別の意見がある方もいると思いますが一つの考えとして読んでいただけたら嬉しいです。

そしてそんな伊丹さんに興味がでてきた方、そうでない方もご自身の考え方を見つけ直す良いきっかけになるかもしれません。是非記念館へお越しくださいませ。

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上の写真は雨の日の記念館入口の様子です。

 

スタッフ:井川