記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2010.10.04 「メイキング・オブ『マルサの女』」展、終了迫る!


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季節の変わり目、みなさまお元気でお過ごしでしょうか?東北生まれで暑さに弱い私にはまだまだ夏、「松山は一年の半分が夏!」と叫びつつ、ひとり汗だくの毎日です。

さて、2008年12月20日に始まりました企画展「メイキング・オブ『マルサの女』」展も、いよいよ終了日が迫ってまいりました。12月6日(月)までです。まだご覧になっていらっしゃらない方、あと2ヶ月のうちに、ぜひぜひご覧くださいませ。

12月7日(火)は通常通り全館休館し、翌12月8日(水)?19日(日)は、企画展示室は閉室いたします。この期間中は、大人500円、高・大学生300円、小・中学生200円で、常設展示室のみのご鑑賞となります。(次回展のお知らせにつきましては、今しばらくお待ちくださいませ。)

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先日、「この展示ももうすぐ終わりかぁ」とちょっぴりおセンチ(死語!)な気持ちで展示室のポスターを眺めていて、「小林桂樹さん、最近お見かけしないけど、お元気かしら」などと考えておりました。

学生時代に「社長シリーズ」や『椿三十郎』、『江分利満氏の優雅な生活』を観て、「むくれながら不平を言うのに品があり、そこはかとなく漂う真面目な感じ」に魅了されて以来、小林さんのファンになり、「『女・小林桂樹』になれないものか」と憧れております。
『マルサの女』でも、ガサ入れの後で小林さん演じる管理課長には勤め人の滋味があり、政治家センセイに電話をかけるシーンは特にお気に入りです。

小林さんの安否が気にかかった翌日に、訃報に接することになるなんて、私はその方面の勘はまったく鈍いほうなので、ほんとうに偶然だと思うのですが...。

そのまた翌日には、『マルサの女2』、『ミンボーの女』、『あげまん』、『スーパーの女』、『マルタイの女』にご出演なさった矢野宣さんも天に召されました。
矢野さんは笑顔のとっても素敵な方なのに、伊丹映画では、ちょっとヘンテコな人や弱い人、不満げな人、ズルい人を多く演じていらっしゃいます。日本人のそんな姿を生々しく描き出す伊丹映画にはなくてはならない俳優でした。
『スーパーの女』の金田龍之介さんとの社長・店長コンビは私の大好きなキャラクターですが、このコンビの小人物ぶりは身につまされるところが多々あり、スリリングでさえあります。

伊丹映画に出演なさった方が続けてお亡くなりになるとは、なんということでしょうか。あまりのことに、悲しくてしょんぼりしてしまいました。
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でも、『マルサの女』や『スーパーの女』でおふたりの演技を見返すと、ハラハラしたり、「ぷすっ」と笑ったりしてしまうのです。...エンターテイナーってすごい。

金田さんが亡くなられたときにも書きましたが、小林桂樹さんも矢野宣さんも、すばらしいお仕事を作品の中に留めてくださって、これからも、観るたびに私たちを楽しませてくださいますから、やはり「ありがとうございました」と申し上げなくてはなりませんね。

写真上:「マルサ」展風景。あと2ヶ月ですよ!
写真下:(左から)小林桂樹さんのインタビューが掲載されている書籍『伊丹十三の本』、小林桂樹さんご出演の『マルサの女』DVD、矢野宣さんご出演の『スーパーの女』DVD。いずれもグッズショップで販売しております。


学芸員:中野