記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2018.09.17 伊丹さんに驚かされること

先日、ご来館のお客様から「映画の特報に映画監督自身が出てくるってなかなか面白いですね!」とご感想をいただきました。

現在常設展示室において伊丹さん自身が出演する、伊丹映画の「特報」を流しており、それをご覧になられてのご感想です。

ちなみに特報とは、映画の完成前に劇場で流す告知映像のことです。


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【画像:「マルタイの女」の特報の一部】



伊丹映画の特報の多くは、伊丹さん自身が登場し、「こんにちは、伊丹十三です。今度の映画は~」などと自分の映画についての見どころを語りかける手法で撮られたものとなっています。

映画を観に行くと上映前にいろいろな映画の宣伝が流れますが、そんな中で突然スクリーン上に映画監督自身が登場して、自分の映画の見どころを説明し始める、と想像すると、なかなかシュールな光景ですよね。


この度お客様にご感想をいただき改めて「それにしても伊丹さん、画期的なことしていたのねえ・・・」と感心させられました。




さて、記念館のカフェには伊丹映画「タンポポ」の出演者のデッサン画が飾られているのですが、これらは伊丹さん自身が描いたものです。

実際に映画のポスターの原画として使用されたものなのですが、大変上手に描かれているのでポスターに使われたと聞いても特に驚かなかったのですが、こちらも改めて考えると「映画監督が描いた絵を映画のポスターに使う」というのは、あんまり聞いたことがない話ですよね。

伊丹さんの才能の前では一般的な常識が通用しないことがよくわかります。


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「伊丹さんはマルチな才能を持っていて、様々な方面でプロであった」ということをもう十分知っているはずなのに、時折このようにびっくりさせられることがあります。

ということは、伊丹十三記念館にご来館されたお客様には、もっと大きな驚きや発見があることと思います。

機会がありましたら是非、伊丹十三記念館に「伊丹さんに驚かされに」いらして下さいませ。お待ちしています。


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スタッフ:川又