

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2025.05.05 開館18周年記念イベント「収蔵庫ツアー」を開催いたしました
来る2025年5月15日(木)、伊丹さんの92回目のお誕生日、伊丹十三記念館は18回目の開館記念日を迎えます。
「こちらはできて何年経つんですか?」とのご質問に「もうすぐ丸18年になります」と申しあげますと、「ええ~、そんなになるんですか! 見えない!」と驚きのご反応をいただくようになりました。
建物も中身も若々しさを保っていられるのは、何を措いてもお客様方のおかげです。心よりお礼申しあげます。
開館記念日に先立ち、4月11日(金)~14日(月)、4月18日(金)~21日(月)の8日間、各日定員4名様、ささやかながら感謝の「収蔵庫ツアー」を開催いたしました。
記念館の収蔵庫の2階には"展示風収蔵"になっているコーナーがございまして、直筆の原稿・原画、衣類、食器などの愛用品や書籍が収められています。
それらの収蔵品に関する伊丹十三ならではのエピソードを交えながらご見学いただく催しが「収蔵庫ツアー」です。
"湯河原の家"について説明中の図。
ツアー最終日、4月21日(月)にご参加の皆様です。
昨年の17周年記念の収蔵庫ツアーは、新型コロナウィルスの影響による休止を経て5年ぶりに開催することができ、感慨深い思いでご案内させていただきました。
久しぶりの2年連続開催となった18周年の今回は昨年を大幅に超えるご応募をいただいて「こんなにたくさんの方が開催を楽しみに待っていてくださった!」とまたまた感激いたしました。
県内外からご応募くださった皆様、まことにありがとうございました。
ご参加くださったお客様方から頂戴したご感想と、ツアー中にご紹介した収蔵品の写真でレポートさせていただきます。
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●いろいろなエピソードが聞けてとても楽しかったです。常設展ではたくさんの収蔵品の中からすべて見られるわけではないのが残念ですが、衣裳など、映画のシーンと一緒にもっともっと見てみたいと思いました。ありがとうございました。
●書架の雑誌コーナーに懐かしいものがたくさんありました。色々なこだわりが詰まった品ばかりで楽しかったです。
●原稿用紙の使い方やスケッチの実物など、専門家の説明をいただいて、伊丹氏の仕事のスタイル、着想のしかた、思考内容まで深く理解することができました。
着想してから行動に移していくスピード感、時代を先取りするセンスを、あらためて実感できました。機会があればぜひ再訪したいです。ありがとうございました。
●いろいろな話が聞けてよかったです。食器や洋服のこだわり、映画作りの原稿、イラスト、スケッチ、勉強になりました。湯河原のダイニングルームの円卓が印象深く残りました。また映画を見てみたいと思いました。
●初めて収蔵庫ツアーに参加しました。伊丹十三さんは多才の人ですが、収蔵庫にある書籍や愛用品を見て、様々な情報を得たりこだわりをもったりされたことで発揮されているのだと感じました。また、映画のワンシーンへのこだわりも収蔵品一つ一つから感じ取ることができ、大変勉強になりました。
●どのような方なのか知識がなかったのですが、多才な方で、特に絵の上手さには感心しました。知っていたのは一六タルトのCMぐらいだったので、大変勉強になりました。ありがとうございました。
●伊丹さんの人柄が大変よくわかる収蔵庫でした。赤いヴィトンや中国服に刺子の半纏、伊丹十三にぴったり!! 今後、映画を見る時は、小物や背景に目が行きそうです。
●ひとつひとつの物への"こだわり"が感じられました。古いビンテージものから時代の最先端のものまで取り込む精神、好奇心が衰えることがなかったのが良くわかります。これらが全て作品に投影されているようです。
●伊丹さんのくらしや服、原こうを見れてすごくよかった。伊丹さんについてきょうみをもったから、また映画を見たい。もっと伊丹さんのことを知りたいと思いました。
●まさにそこに伊丹さんがいるようなお気に入りのものたちの空間を体験できました。
身につけるもの、見るもの読むもの、一つひとつに妥協しない、てきとうで済ませない美学と、それを選ぶセンスが感じられて、ますます、やはり特別な人だったんだなぁと思います。
アルマーニのセーター(肘あてをつけて、袖をつくろって大事に着る)のような、ものとの付き合い方、すてきです。
貴重なものをみせていただいてありがとうございました。
●収蔵庫は本来公開されないと思いますが、自宅の一室を再現したコーナーの窓にディスプレイを設置して、湯河原の森の風景が窓越しに見えたら良いなと思いました。ブラインドの向こうを想像してしまいました。
自筆の原稿から、几帳面な十三さんの一面を知ることができました。
展示室で普段公開されている部分の理解とは違って、より深く十三さんについて知ることができたよい機会でした。周年記念のほかにもこのようなツアーを増やしていただけるとありがたいです。詳しい説明ありがとうございました。
●収蔵庫ツアーという滅多に無い貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。伊丹さんの生き方、こだわり、より深く知ることができ、今日の事を今後の生きるエネルギーにしたいと思います。また、映画で見かけた品々を目の当りにできて感動しました。
●本日の見学ツアーに参加させていただきありがとうございました。京都とのご縁でお邪魔しました。
伊丹十三氏の普段の「お人柄」「生活スタイル」「生活信条」など窺い知ることができました。今の時代に"物を言う文化人"としての伊丹氏の存在が必要だと感じました。
●この度はこのような貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました。
青年期の私にトラディショナル(伝統的でホンモノ)は何たるかを教え、時代や世相に左右されないものの見方、考え方、生き方を示していただき、後の私の生き方の羅針盤となっていただいた伊丹十三さんの生涯と生き様を常設・特別展と共に肌で感じる事が出来た気がして、とても感激しました。
グローバル、多文化共生を謳って久しい今日ですが、実際は、真逆に進んでいる現在に伊丹十三さんがおられたならば、きっと伊丹さんらしい生き方で世の中を導いておられたであろうと思うと残念でなりません。伊丹さんのパッションの幾ばくかをならって、微力ながら余生を生き抜きたいと強く感じることができました。重々ありがとうございました。
●参加させていただきありがとうございました! 非公開エリアがずっと気になっていたので、探検出来てうれしかったです。
映画につかわれているものをたくさん見られたので、もう一度注目して鑑賞したいと思います。絵も味があってとても好きなので、原画を見られて感激しました。
記念館ができて伊丹さんのいろいろなことを知れてすっかりファンになりました。今の時代にいらしたらどんな発言が聞けるのかなあと気になります。
●本日は大変有意義な時間をありがとうございました。伊丹さんの過ごしてこられた歴史を感じさせて頂きました。これからも本や映画など色々と勉強させていただきます。
●『伊丹十三の映画』の本を購入しました。読むのを楽しみにしています。
●いろいろな収蔵品を見せていただき、ていねいな説明で伊丹十三さんがより理解できました。なつかしい思いと、同じ時代も生きたのだなあという思いがあります。
●自宅の再現や蔵書、愛用品などを見ることができて、また説明もしていただき、貴重な経験をすることができました。また映画を見返したくなりました。ありがとうございました。
●伊丹さんを身近に感じることができて、改めて映画を見直してみたいと思いました。
中学2年の双子の娘と息子も、又の機会に連れて来たいと思います。(今日は声をかけたのですが、断られてしまいました......二人ともあまり知らないので、映画をみて予習してから誘ってみます)
●本で見ていた物やイラストの実物が見られて大変うれしかったです。まだ見ていない映画のお話も興味深く、今度はそれらの映画を見てから来ようと思いました。丁寧にご説明下さいましてありがとうございました。
●蔵書から、料理・子育てにとても関心があったことがうかがえました。漱石全集は、さすが松山で過ごした方ですね。
おそろいの時計やファッションなど、私なら夫と同じは嫌ですが...仲の良さがとてもよく伝わってきました。ありがとうございました。
●いろいろ希少な品、お話を見聴きさせて頂きありがとうございました。
照明が暗く遠かったので、せめて書籍のコーナーだけでも近くで見られれば有難かったです。
●とても楽しい時間をありがとうございました。どんな本を読まれていたのか興味がありましたので、1部でも題や作者が解るような案内プリントがあれば、もっと嬉しかったです。
ここに来ることができてよかったです。
●久々に、伊丹十三の呼吸を感じることができた。
映画、食事、通常の生活でありながら、深く思慮するとこの域に達するのだ。
●伊丹十三さんの物への執着(大切に扱う)の凄さ、本当に好きなもの、上質なものへの愛着等、本当に上質な生活が窺える。男としての生き方、生活の楽しみ方の一端を知り得て、非常に"男"としての生き方のヒントとなるものであった。
●絵が描けるってすばらしい。着眼点、集中力、心の広さを感じました。また見に来たいです。説明の方もすばらしい。
●本日は収蔵庫ツアーに参加させていただき、ありがとうございました。
雑誌や伊丹さんのエッセイで見て、夢描いていた物や、本質を知る伊丹さんを作り上げた品々を実際に拝見でき、感無量です。とても貴重な機会を頂き、本当にありがとうございました。
●スタッフならではの話が聞けて、大変楽しくまた勉強になりました。伊丹作品の根源を見聞する事により、改めて映画等を見返し伊丹目線で鑑賞してみたいと思いました。想像しただけでワクワクして来ます。ありがとうございました。
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好きな作品も世代もさまざまな伊丹ファンから興味津々でご見学くださったビギナーさん、そして、小学生の坊っちゃんまでもがお越しくださり、わたくしどもスタッフも楽しいひとときをいただきました。ご参加の方全員が偶然にも同じ苗字でビックリ、という回もありましたね。
今回の収蔵庫ツアーには定員32名の倍以上となる67名の方からご応募をいただきました。
残念ながらご落選となりました方々、また来年開催いたしますので、めげずに名乗りを挙げてくださいましたら幸いに存じます。
18周年で"新成人"の伊丹十三記念館、今後ともどうぞよろしくお願い申しあげます。
学芸員 : 中野