こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2024.08.12 夏ニナルトドウシテ暑イノ?
記念館便りをご覧の皆様こんにちは。とにかく暑い日が続く松山です。
先日テレビで言っていたのですが、統計上、1年間で一番暑い日は8月7日なのだそうです。本日は8月12日ですから、暑さのピークは過ぎつつあるということでしょうか。それにしても毎日暑い日が続きます。夏はどうしてこんなに暑いのでしょう。
伊丹さんの著書「問いつめられたパパとママの本」の中に『夏ニナルトドウシテ暑イノ?』というお話があります。ここで夏が暑い理由を伊丹さんが説明してくださっていますので一部をご紹介します。
『夏が暑いのは、ひとつは日が長いせいであり、いまひとつは、太陽が真上から照りつけるせいであります。
じゃあ、日が長いと、どうして暑いのよ、なんていわないでおくれよ。同じ条件でものを熱するとするなら、十分間熱するより、十五分間熱するほうがよけい熱くなるだろうじゃないの。夏が暑い理由の第一は、だから、日が長いということであった。
では、次に真上から照らすと、なぜ暑いのか、というなら、たとえば懐中電燈を想像していただきたい。
懐中電燈の光を床に当てるとき、まっすぐ床に当てれば、小さいけれども強く明るい光の円ができるだろう。しかるに、それを斜めに当ててみようか。さっきより、ずっと床の近くから照らしても、照らす場所は広くなるかもしれぬが、明るさはずっと希薄になってしまうのが観察されるに違いないのであります。
つまりこの、垂直に照らすということなのだ、太陽がカンカン照るということは。
夏になると、太陽が真上から照らすから(その証拠に、夏の真昼の影は、小さく足元にまつわりついている)、したがって光や熱が強く当たり、冬になると、太陽が斜めに当たるから(その証拠に、冬の日は、真昼でも長く伸びている)、したがって地面を熱する力は弱くなる。』
「問いつめられたパパとママの本」より
・・・という訳だそうです。しかし、さすがの伊丹さんでもやはり夏の暑さには参っていたようで、最後はこのように締めくくられています。
『と、いうことが理屈ではわかっていても、まあ今日の暑さはどうだ。真夏の太陽が頭のてっぺんから、気の遠くなるほどガンガン照りつけて、ヘッ、あれが収入が次第に減りつつある姿かよ。われながら信じがたく思われる次第であった。』
ちなみにこの『夏ニナルトドウシテ暑イノ?』の挿絵も素敵なのでご紹介します。もちろん伊丹さんが描いたものです。
補足の説明もあるのですが、大変わかりやすいので、機会がありましたら是非全文を読んでみてください。暑さの理屈がわかると「それじゃあ仕方ないか、もう少しの我慢だ」と少し気が楽になることと思いますので、是非。
スタッフ:川又
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