こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2024.08.05 企画展示室のスペシャル映像コーナーに新たなスライドショーが追加されました
8月に入り、連日暑い日が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
記念館には、夏休みに入ったのだろう小学生や中学生の学生さんがご家族と一緒にご来館くださることが増えてまいりました。私も学生の頃は家族で美術館や博物館に行ったものだなぁ、と懐かしく思い出されます。
さて、記念館では、8月1日(木)より企画展示室のスペシャル映像コーナーの「伊丹レシピ、私流。」の内容が変更となりました。
7月31日(水)までは、マンガ家・エッセイストの瀧波ユカリさんの最期のチャーハン、映画評論家の三浦哲哉さんの満足飯の2本立てでお送りしてまいりました。瀧波ユカリさんの最期のチャーハンに代わり、新たに加わりましたのが料理人の稲田俊輔さんのサラド・ニソワーズです。
サラド・ニソワーズは伊丹さんの著書『女たちよ!』の「サラダにおける本格」に出てくるサラダの一種です。こちらでご紹介をさせていただきます。
もっと賑やかなサラダを好む人にはサラド・ニソワーズがよろしかろう。つまりニース風のサラダである。これは実に満艦飾という言葉がぴたりとくるサラダでありまして、まずサラダ菜、胡瓜、トマト、セロリ、玉葱、赤蕪なんぞの野菜に、罐詰の鮪、アンチョビィ少少、それから茹玉子を輪切りにしたものをどっさり入れて、最後に黒いオリーブの実をあしらうのである。
これはごく鄙びた味わいの、いわば田舎の大御馳走でありますからして、決して茹玉子の輪切りを綺麗に飾りつけたりなどしてはならない。いわんやレタスの葉を下敷きにしてお上品に盛るなんぞは烏滸の沙汰といわねばならぬ。大きな木の鉢の中でドレッシングを作り、そこへ右の材料全部を入れてかきまわす。(ドレッシングというのは野菜の上からかけるものではない。必ず先にサラダ・ボウルの中で作るものと知るべし)これをそのままどんと食卓の中央に据える。こういう精神のものでなければならなりません。
(『女たちよ!』より「サラダにおける本格」)
サラド・ニソワーズ、つまりニース風サラダとは、フランスのニース地方(コートダジュール)の伝統的なサラダなんだそう。地元の新鮮な食材をふんだんに使用しており、田舎らしい素朴な味わいでありながら、華やかなサラダです。
サラド・ニソワーズをご紹介くださる稲田俊輔さんは、南インド料理専門店「エリックサウス」の総料理長をされている方です。そんな稲田さん流の細かなアレンジが加えられたサラド・ニソワーズのスライドショーは、暑くて食欲の無くなる夏でも見ているだけでお腹が空いてくるような素敵な映像となっております。
ご来館の際にはぜひ、新しく追加となった稲田さんのスライドショーにご注目ください。
【8月1日(木)からの「伊丹レシピ、私流。」スライドショー】(二本立て)
・映画評論家 三浦哲哉さんによる満足飯
・料理人 稲田俊輔さんによるサラド・ニソワーズ
また、ご紹介させていただきました『女たちよ!』の中のエッセイ、「サラダにおける本格」では、夏にぴったりの胡瓜のサラダ、トマトのサラダについてもご紹介がございます。こちらもぜひご覧ください。
記念館のオンラインショップでもお買い求めいただけます。
学芸員:橘さくら
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