記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2024.04.08 丼めし

4月に入り温かい日も増えてまいりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 

記念館では、昨年植えたロウバイにも葉が芽吹きはじめました。マンサクはまだ葉が出ておりませんが、もう少しで芽吹きそうな様子です。トサミズキや中庭の桂は葉が増え、賑やかになってきております。

 

 

s-IMG_6163.jpgロウバイ

 

 

s-IMG_6164.jpgマンサク

 

 

s-IMG_6162.jpg中庭の桂

 

 

さて、前回の記念館便りでも紹介がございました通り、4月1日より企画展示室のスペシャル映像コーナーの「伊丹レシピ、私流。」にて新しく、映画評論家の三浦哲哉さんのスライドショーが追加されました。

三浦さんがご紹介くださるのは、満足飯。スライドショーをご覧になってお気付きの方もいらっしゃることと存じますが、こちらは書籍『ぼくの伯父さん』に収録されております、「丼めし」にて紹介されておりますレシピです。「丼めし」は下のようにエッセイが始まります。

 

 留さんのお書きになった料理を、私は随分と片っ端から作ってみましたが、一番好評だったのが、"満足飯"というのです。これは、料理というよりも、もう少し原始的な段階の魚の食べ方なので、これが一番好評だったなどというと、留さんは不本意に思われるかも知れぬが、ともかく旨い。

(『ぼくの伯父さん』より「丼めし」)

 

伊丹さんが振る舞い、好評だったという満足飯。三浦さん流にアレンジされたレシピにてご紹介されますので、ご来館の際はぜひ新しいスライドショーをお楽しみください。

 

また、エッセイ「丼めし」には挿絵がついておりまして、こちらの原画を企画展室内にてご覧いただけます。

写実的な鉛筆画は、木目模様はもちろん、椀に反射する光や風景まで描かれており、つるんとした手触りまで感じられそうな原画イラストとなっております。

 

 

s-IMG_6170.jpg直筆原画・原稿コーナーにて展示中

 

 

ちなみに、同じ展示室内にてこのイラストの元になった椀も展示しております。ぜひ、実物と見比べてみてください。

 

 

s-IMG_6169.jpg「食べたり、」のコーナーにて展示中

 

 

エッセイやイラスト原画、スライドショーと、複数の面からお楽しみいただけます満足飯。ぜひエッセイをご一読いただいてから、展示をお楽しみいただけますと幸いです。

 


s-IMG_6167.jpg『ぼくの伯父さん』と中庭のタンポポ

 

 

学芸員:橘