記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2022.12.05 台湾・台北金馬映画祭

メディアなどで目にされた方もいらっしゃるかと思いますが――


台湾で行われた「台北金馬映画祭」で、伊丹さんの監督作品が回顧上映されました!

1205-1.jpg台北金馬映画祭・会場の様子

映画祭は台湾の首都・台北で現地時間の11月2日から20日の期間に開催。そこで上映されたのは、4Kデジタルリマスター化された監督作品・全10作品です。

4Kデジタルリマスターとは、主にフィルムなどで撮影された映画をデジタルデータにし、色や音質の補修・調整をする作業のことで、それによってよりきれいで見やすくなった映像で映画を観られるようになります。
10作品すべてを4Kデジタルリマスター化するという、一大プロジェクトを経て誕生した4Kデジタルリマスター版・伊丹十三監督作品が、この映画祭で一挙に上映されました。しかも、『タンポポ』を除く9作品が世界初上映だったそうです。
映画館の巨大スクリーンで観る伊丹監督作品...しかも高画質の映像ですから、本当に見応えがありますよね。

この映画祭には宮本信子館長も出席し、現地で記者会見や舞台挨拶を行いました。

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記者会見に臨む宮本信子館長

台湾での上映について、「もし伊丹さんが生きていたら、10作品がきれいになってまとめて見ていただけるなんて、『僕は幸せだなあ』と言うと思います」と話した宮本信子館長。
『お葬式』『タンポポ』の製作秘話、伊丹さんとの様々なエピソードについて語り、『タンポポ』上映後には観客の方々とのQ&Aに参加しました。記者会見にも同席した玉置泰館長代行(伊丹監督全作品の製作に携わり、記念館の館長代行を務めています)とともに観客の方からの質問に答えるなど、会場は大変な盛り上がりだったそうです。
『お葬式』や『タンポポ』上映は満席、若い世代の方も大勢参加されたとか。

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観客の方々とのQ&A

 

 

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映画祭会場にて

また、同じくこの映画祭で、芦田愛菜さん・宮本信子館長出演の映画『メタモルフォーゼの縁側』が上映されました。11月11日には台湾での劇場公開もスタートしたそうです。

※『メタモルフォーゼの縁側』は、第14回TAMA映画賞・特別賞を受賞されました。
 ご出演の皆さま、スタッフ・関係者の皆さま、本当におめでとうございます。

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『メタモルフォーゼの縁側』ポスターパネルと

今回上映された伊丹監督作品の4Kデジタルリマスター版は、日本映画専門チャンネル、日本映画+時代劇 4Kで2023年1月より放送が予定されているそうです。ご興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね。

 

※ 今回の記念館便りの写真はすべて、玉置泰館長代行より提供していただきました!

 

スタッフ:山岡