こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2022.11.07 両方合わせてお楽しみください
記念館便りをご覧の皆さま、こんにちは。
すっかり秋めいてきましたね。ここ記念館では、桂の木や山桜に続いて、ヤマボウシも色づいてきました。
さて、「もっといろいろな伊丹さんについて知りたい」という方に特にご好評をいただいているショップの人気商品に、書籍『伊丹十三記念館ガイドブック』とDVD『13の顔を持つ男-伊丹十三の肖像』があります。
書籍とDVDという違いはあるものの、どちらも伊丹さんが持っていた「13の顔」が紹介されています。記念館便りをご覧の皆さまの中にも、読んだり視聴したりしてくださった方がいらっしゃるかもしれませんね。
DVD『13の顔を持つ男-伊丹十三の肖像』(税込3,300円)
この2つの商品は、どちらかだけでもじゅうぶんに楽しんでいただけますが――実は、同じ「13の顔」でもそれぞれで違う視点や表現で紹介されているので、両方をいっしょに読んだり観たりしていただくのも大変おすすめなのです!
例えば「イラストレーターの顔」。
DVDでは、『漫画讀本』のポスターに描かれたイラストなど、個性的なイラストが何点も映し出されます。そして、旅先でよくスケッチをしていたという伊丹さんが、絵を描くことの効用をこんなふうに語っている印象深い映像をご覧いただけます。
"スケッチをする何よりの効用は、否応なく、ものをはっきりと見定めなければならぬ、というところにある。漫然と眺めているとき、我々はいかに多くのことを見逃していることか。絵を描くのは、この際、言わばものをみる手段である。絵の出来不出来なんぞは初めから問題外である"
「遠くへ行きたい 明解・古座川図鑑」(1975年)ナレーションより
ガイドブックでは、そんな伊丹さんの緻密なデッサンやエッセイに添えられたユーモラスな線画などさまざまなイラストが掲載されています。
伊丹十三記念館ガイドブック
「六 イラストレーター」より
ちなみに、一番多く描かれていたのは飼われていた猫だったそうです。
上述のとおり、猫たちをよーく見ていたから、伊丹さんはあんなにもいきいきとした猫たちが描けたのだなぁと納得してしまいました。
もう一つ例を挙げると、「料理通の顔」として、ガイドブックでは、伊丹さんがこだわって選び、使っていた調理器具や食器、食にちなんだエッセイや書籍が紹介されています。
そして、伊丹さんの手料理を食べた方々が綴ったエピソードなどを読むと、料理通としての伊丹さん像が浮かび上がってきます。
DVDでは、そんな伊丹さんの料理人ぶりが記録されたCMが収録されていますので、観るとよりイメージが広がるのではないでしょうか。味の素マヨネーズの「チーズオムレツ編」と「タタミポテト編」(ともに1984年)では、手際よく調理する伊丹さんの姿がご覧いただけます(できた料理も大変美味しそうです!)。
味の素マヨネーズ「タタミポテト編」(1984年)
DVD『13の顔を持つ男-伊丹十三の肖像』より
ご興味のある方はぜひ、ガイドブックとDVD両方で、伊丹さんという人物により深く触れてみてください。どちらもオンラインショップで取り扱い中です!
スタッフ:山岡
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