記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2022.07.18 第14回 伊丹十三賞 受賞者決定のお知らせ


この度、第14回伊丹十三賞の受賞者が決定いたしました。

第14回の伊丹十三賞は・・・

クリエイティブ・ディレクターの 小池 一子 (こいけ かずこ)さんがご受賞くださいました。



0718-1.jpg撮影:藤塚光政


小池一子さん プロフィール
1936 年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒業。クリエイティブ・ディレクター。1980 年「無印良品」創設に携わり、以来アドバイザリーボードを務める。1983 年にオルタナティブ・スペース「佐賀町エキジビット・スペース」を創設・主宰し、多くの現代美術家を国内外に紹介(~2000 年)。2022 年には初の個展となる「オルタナティブ!小池一子展アートとデザインの やわらかな運動」を3331 Arts Chiyoda にて開催。近著に『小池一子 はじまりの種をみつける』(2021 年、平凡社)。令和 2 年度文化庁長官表彰。武蔵野美術大学名誉教授。



「ファッション、広告、デザイン、アートなど多岐にわたる領域で、半世紀以上、最前線に立ちつづけ、今もなお多くの才能を送り出すクリエイティブ・ディレクターとしての活動に。」対してお贈りいたしました。


この度のご受賞にあたり、小池一子さんよりコメントをいただきましたのでご紹介いたします。


「伊丹十三さんに憧れていた私です。このような賞を頂くなど思ってもいませんでしたので、ただ感謝、感激です。そういえば伊丹さんは私の仕事の一つ、キュレーターの役割にいち早く興味をもってくださったのでした。

小池 一子」




こんなに喜んでいただけるなんて、こちらこそ、感謝、感激です。



さて、いただいたプロフィールにもあります通り、小池一子さんは、『無印良品』の創設に携われた方です。
わたくしは小池一子さんの肩書の「クリエイティブ・ディレクター」という職業にはあまり馴染みが無かったのですが、『無印良品』と言われると、自宅でも記念館でもありとあらゆる商品を愛用させていただいており、距離がぐっと縮まる気持ちがいたしました。
同じように感じられた方も多いのではないでしょうか。


さて、話は少し変わりますが、伊丹十三の初監督作品の『お葬式』(1984年)のプログラムには広告が3つ入っています。
その3つの広告のうちの1つが『無印良品』の広告です。


こちらが『お葬式』のプログラム。

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いわゆる「表3」に載っている広告が『無印良品』の広告です。


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この『無印良品』の広告のキャッチコピー「色のまんま。」は小池一子さんが手がけられたものだそうです。
ご縁を感じずにはいられませんね。
『お葬式』の公開は今から38年前です。そんなに前から実はこんなに近くにいらした方に伊丹十三賞をご受賞いただけるということで、改めて大変嬉しく存じます。



さて、ここでそもそも「伊丹十三賞」って何??という方に、伊丹十三賞についてご説明いたします。

伊丹十三賞とは伊丹十三記念館の運営母体である「公益財団法人ITM伊丹記念財団」から、毎年" あらゆる文化活動に興味を持ちつづけ、新しい才能にも敏感であった伊丹十三が、「これはネ、たいしたもんだと唸りましたね」と呟きながら膝を叩いたであろう人と作品 " に贈らせていただいている賞です。


第13回の伊丹十三賞の贈呈式において選考委員の周防正行監督が祝賀スピーチの中で
「今までの受賞者の方を見て、伊丹十三賞っていうのはどういうものかっていうのが、もしかしたらわかってくるんじゃないか。」
とお話しくださいました。

今回、第14回を小池一子さんにご受賞いただいたことで、「伊丹十三賞」の輪郭がより一層はっきりしてきたのではないでしょうか。

よろしければ歴代の受賞者や特設ページもこの機会に是非ご覧ください。


※伊丹十三賞概要や歴代の受賞者はこちらから↓
 https://itami-kinenkan.jp/award/index.html

※特設ページも是非ご覧ください。↓
 https://itami-kinenkan.jp/award/award14.html


0718-4.JPG
無印良品の書籍「MUJI BOOKS」からも
「人と物 8 伊丹十三」定価500円(税抜き)が出版されています。
(全国の「MUJI BOOKS」と伊丹十三記念館ショップにて販売中)






スタッフ:川又