記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2021.08.16 展示コーナーまるごとお楽しみください

すでにご存じの方も多いと思いますが、ここ伊丹十三記念館の常設展示室では、俳優、エッセイスト、イラストレーターなど「十三」のコーナーに分かれた展示で、多方面で活躍し深い見識を持っていた伊丹さん足跡をたどることができます。

※それぞれのコーナーのご紹介はコチラ

さて、この「十三」のコーナー。
一つ一つの趣が違うのはもちろんなのですが、よくよく見ると、展示品そのものだけでなく展示台のしつらえや仕上げにも、コーナーのテーマに沿った遊び心やユーモアがちりばめられているんです。

たとえば「十一 精神分析啓蒙家」コーナー。

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「十一 精神分析啓蒙家」のコーナー

雑誌「mononcle」やその手書き原稿などが展示されているのですが、上の写真でご覧いただけるように、コーナーの背景には大理石が使われています。
記念館の設計だけでなく展示にも携わった中村好文先生によると、大理石の模様は左右対称にしていて、これがロールシャッハテストになっているのだとか。ロールシャッハテストとは、左右対称のインクのしみが何に見えるかをという答えから性格や心理を分析する診断法なのだそうです。「精神分析啓蒙家」のコーナーならではの背景ですね!記念館にお越しの際は近くでご覧になってみてください。

他にも、「五 エッセイスト」コーナーの展示台の背景は拡大した伊丹さんの原稿だったり、「八 乗り物マニア」にある赤い曲面は
かつて伊丹さんの愛車だった赤のロータス・エランをイメージさせる車体塗装だったりします。展示をご覧になったことのある皆さまはお気づきになられたでしょうか。

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「八 乗り物マニア」のコーナー」

こんなふうに、さりげなく潜んでいる遊び心やユーモアを感じていただけたら、もっともっと伊丹十三記念館をお楽しみいただけることと思います。

展示をご覧になるときは、展示品以外のところも、気にして見てみてくださいね。

スタッフ:山岡