こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2019.10.14 伊丹十三の住まい
雑誌『メンズプレシャス』2019秋号で、またまた伊丹十三をご紹介いただいています。
ファッション&ライフスタイル特集「紳士の食卓または食いしん坊の美学」のインタビューに宮本館長が登場して、伊丹さんの食の選び方を振り返っているのですが、「食べ物の話なのに、住まいや庭へのこだわりぶりにも話題が広がるところが伊丹さんらしいなあ」と面白く読みました。館長、貴重なお話ありがとうございました!
皆様も、書店で見かけたらぜひお手に取ってみてくださいね。
「で、伊丹さんはどんな家に住んでたの? 知りたいな見てみたいな~」という方もいらっしゃることでしょう。そんな方には、まず、監督デビュー作の『お葬式』(1984年)をご覧いただくことをお勧めいたします。
湯河原の家が撮影のメイン・ロケーションになっていますから、映画の中に伊丹十三が暮らした空間がたっぷり収められています。
(※来月の「十三日の十三時」は『お葬式』でございます。11月13日(水)13時、お待ちしております!)
それから、記念館にお越しいただきました際には、展示しているCM映像もよーーくご覧ください。伊丹十三が手がけたテレビコマーシャルには、湯河原の家で撮影されたものが実はたくさんあるのです。
現在の企画展でご紹介している一六タルトCM(字幕付き)からいくつか例を挙げますと――
成績篇(書斎)
手洗い篇(書斎)
※成績篇と逆のアングルですね
「タルトひと切れ」(2階の一室)
「どないしたんぞ」(庭)
――というように、伊丹十三は、自身の作品、表現活動のために自邸をたびたび使っているわけですが、ひっくり返して考えてみると、自分の好きな物に囲まれる空間を築いてそこに身を置くこと、そういう人物でいること自体が、伊丹さんにとっては表現だったのでしょう。
西友、ナショナル冷蔵庫、味の素マヨネーズのCMにも湯河原の家で撮影されたものが数々ありまして、記念館限定販売のDVD『13の顔を持つ男』でもご覧いただけます。
住まいの様子がここまで多くの映像で残っている人って、他にはなかなかいない気がします。そんなところも含めて、記念館と伊丹十三の作品いろいろ、お楽しみくださいませ!
学芸員:中野
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