こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2018.05.21 開館11周年記念イベント・収蔵庫ツアー
伊丹十三85回目の誕生日、とてもよいお天気だった5月15日。記念館は開館11周年を迎えました。
日差し、風、緑の色に、爽やかな勢いを感じる季節ですね。
記念イベントといたしまして、ささやかではございましたが、5月11日(金)から15日(火)までの5日間、収蔵庫ツアーを開催いたしました。
記念館の収蔵庫の2階は、伊丹十三の愛用品や衣類、蔵書などを"展示風" に収蔵し、自宅の一室の"再現"コーナーもある、ちょっと変わったスペースなのです。
そんな収蔵庫をご見学いただくイベントなのですが、ご覧いただくだけではなくて、
「原稿用紙の使い方には独特のきまりがあったんです」
「この愛用品についてエッセイでこんなふうに書いています」
「こちらは家族からのプレゼントだったそうです」
「あれは実は伊丹映画に映ってるんですよ」
――――などなど、エピソードをご紹介しながら、「ものを通して伊丹十三を見る」というのでしょうか、ものを見ながら伊丹さんについてお客様とおしゃべりをする催しです。
『お葬式』の一場面と収蔵庫の"再現"コーナーです。
本日の記念館便りは、頂戴したご感想をもとに、収蔵庫ツアーのレポートをいたします。
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とても丁寧な説明で、伊丹さんを身近に感じる事ができました。映画に使われていた物がたくさん収蔵されていて、「また映画を見よう!!」と思いました。
学生時代の友人の父親(宝田明さん)が伊丹作品に出演したことを機に伊丹作品は全て観ました。ツアーでは、料理好きであったこと、物を大切にされていたこと、精神分析に関心があったこと等、伊丹さんの意外な一面に触れることができました。しかしよく考えると、それらのエッセンスは伊丹作品の中に散りばめられていた気がします。とても興味深く、ワクワクするようなツアーでした。
ディープなところを見せてもらって有難うございました。所蔵のギターの演奏会があれば(ぜひ荘村さんにもう一度)伺いたいと思います。身につけるものがいいものばかりのようでいいものを長く着つづけることをまねしたいと思いました。もっと長く生きていたなら何をしているだろうと想像します。内田樹さんが講演で伊丹さんを評価していて、今回のツアーに応募することになりました。伊丹さんに続く次世代の才能を期待します。
貴重なものが見れてよかったです。あまり伊丹さんのことは知らなかったのですが、才能豊かな方ですごいなあと感心しました。このようなツアーに参加できてとてもよかったです。
5/13(日)、友人と何回目かの伊丹十三記念館へ行きました。もちろん、収蔵庫ツアーは、初めてでした。不思議な空間でした。高校時代から、伊丹さんのエッセイを読んで、大学時代、「もう頰づえをつかない」の映画で髪結いの亭主役の伊丹さんが、桃井かおりさんにタオルの干し方を教えた場面等、頭の中でいろいろなことが駆け巡りながら、係の方の説明や質問の答えを聞いて、見ていました。好きなものに囲まれた暮らしから、それを映画の中にも、使ったとか。もう一度、「お葬式」「タンポポ」と、丁寧に見ていきたいなあと思いました。
貴重な私物をたくさん見ることができてとてもよかったです。また来ます。
「また、来てしまいました。」伊丹さんが「やあ、いらっしゃい」と笑って出迎えてくれるパネルを見ながら心の中で答えました。伊丹さんとの出合いは、19才頃手にとった『再び女たちよ!』でした。以後、全部出版物は手に入れました。伊丹さんの文章が大好きです。今も時々読み返しますが、全然色褪せない。いろいろなモノ、コトを教えてもらいました。生き方、美意識、価値観・・・・私にとって伊丹さんは何でも知っている、特別すごいカッコイイ"伯父"さんです。ツアーから帰って、中村好文さんの本を図書館で借りました。その中に「収蔵庫2階は、いずれガイドツアーできるようにする」とありました。そのツアーに参加でき(当選を知り小躍りしました)ほんとうに嬉しく思います。ありがとうございました。大変満足です!!
一番興味深かった事は、フランス製の同じ靴が二足、新品のまま置いてあるという事です。私もアメリカ製の同じスニーカーを新品のまま何足か集めていますが、伊丹十三氏の気持ちがほんの少しでも分かった気がします。すべての物や事に対してのこだわりようがハンパなく、私生活において宮本信子さんの御苦労が目にうかんできます。
記念館へは5、6回来たことがありますが、収蔵庫ツアーのことは今年初めて知り、参加を申し込みました。今まで知らなかったこと、初めて目にするものがたくさんあり、とても興味深かったです。伊丹さんのことを、より身近に感じられたように思います。ご説明も丁寧でわかりやすかったです。この記念館の雰囲気がとても好きです。また遊びに来たいと思います。
前々からこだわりのある方だとは思っていましたが、お皿やハンカチ洋服と、個性のかたまりでした。
「男のクロワッサン」に載っているページが楽しくて、ほしかった。「フランス料理を私と」の本も手に入らないのがざんねん。ネコの絵がすばらしい。
精神分析、音楽、料理......いろいろなものに興味をもっていて素晴らしい人です。
人間の本質を追究していたのかなあ~~
とってもおしゃれでご自身のスタイルを確立されていて、見学できてよかったです。
やっと念願叶って当選、収蔵庫ツアーに参加できました。(展示室の)子供の頃の揚羽(アゲハ)の絵と観察日記など、すでに天才だったのか、DNAなのか!? 戦前の生まれなので文章が旧かななのも不思議ですが、いつまでたっても少年の心を持って、二歩も三歩も先をいっていたステキなおじさま!! 今ならどんな映画を作っていたんでしょう...残念(泣...)
長年憧れていた収蔵庫ツアーにやっと参加できて、嬉しさもひとしおです。まるで伊丹家にお邪魔させていただいたような気分です。これだけのものを大事に取っておかれた御苦労と、それを松山のこの記念館に収蔵していただいた事、感謝申しあげます。逸話等の説明も丁寧で分かり易かったですよ。大満足でした。
念願の収蔵庫拝見出来、とてもとても満足でございます。才能とセンスのよさの詰った空間を間近に見て、またこれを伝えていかれる大変な作業に、本当の"愛"を感じます。
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ご応募・ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
(たくさんのご応募をいただきましたので、残念ながらご落選となってしまった方もいらっしゃいました。まことに申し訳ありません。またぜひご応募にトライしてください!)
先日もこの記念館便りに書きましたが、伊丹さんが亡くなって、2017年の暮れで20年が経ちました。記念館ができたのは、亡くなって10年の2007年でした。
開館からこれまでの11年間は、伊丹十三の人物像や作品をご存知の方々に、懐かしさを楽しんでいただこう、とか、知らなかった一面に驚いていただこう、とか、そういうことを意識していたように思います。
いわば、皆さんの「記憶の中の伊丹十三」を利用させていただいていたのですね。お客様から教えていただくことがたくさんあって、いろいろと勉強させていただいてきました。
そんなここまでを第1幕として、これからは第2幕......11周年を迎えて、伊丹十三を知らない世代に出会いの楽しさを知っていただく活動にも、力を入れてまいりたいと考えております。
今後ともよろしくお願い申しあげます!
学芸員:中野
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