記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2017.10.23 「伊丹十三 訳」

夏場であれば、閉館時間の午後6時といえばまだまだ太陽が照っていて明るい時間帯でしたが、同じ時刻、今はもうすっかり太陽が沈んでしまい真っ暗です。
朝晩の冷え込みだけでなく日の短さからも季節の移り変わりを感じる今日この頃ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

さて記念館ショップでは、伊丹さんの著書、伊丹さんや記念館に関する書籍を多数取り扱っていますが、その中に、目にしたお客様がちょっと驚きながら手に取る――そんな本があります。
『主夫と生活』(アノニマスタジオ)と『ポテト・ブック』(河出書房新社)という、「伊丹十三 訳」の本です。

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伊丹さんは、翻訳家としての"顔"も持っていました。
ここ記念館で初めてその"顔"を知り、「伊丹さんは翻訳もされていたんですね!びっくりです!」と、店頭に並んだ翻訳本を、新たな興味をもってご覧になるお客様は決して少なくありません。
長らく絶版になっていたこの2冊の翻訳本は、平成26年11月のほぼ同じ時期に復刊されました。
どんな内容か、ちょっとご紹介しますね。

『主夫と生活』は、アメリカの新聞社で売れっ子コラムニストとして活躍していたマイク・マグレディ氏が、仕事を辞め、1年間「主夫」として家事や育児に奮闘した様子をつづった体験記(『My Life as a Househusband』)です。アメリカで大きな反響を呼んでベストセラーとなり、日本では1983年に『主夫と生活』というタイトルで学陽書房から出版されました。料理、掃除、洗濯、家計のやりくり、子供の歯医者の送り迎えや担任の先生との懇談会――そんな日々のあれこれに悪戦苦闘する氏の姿がユーモラスに描かれています。そしてこの復刊本には、第3回伊丹十三賞を受賞された内田樹氏の解説も新たに掲載されています。

IMG_6556 (300x200).jpg『主夫と生活』(アノニマスタジオ)

そしてもう1冊の『ポテト・ブック』は、『主夫と生活』と同じくアメリカのベストセラーで、日本では1976年にブックマン社から出版されました。"幻の料理本"と帯に書かれているとおりポテトを使った料理やお菓子のレシピが盛りだくさんに載っているこの本は、それだけにとどまらず、ポテトの歴史に始まり、貯蔵法やポテトを使った工芸、ゲーム、美容法まで、ポテトに関するさまざまなことをぎゅぎゅっと詰めこんだ1冊になっています。ユーモラスなイラストレーションも楽しめます。

IMG_6557 (300x200).jpg『ポテトブック』(河出書房新社)

読書の秋です。暑さも和らぎ過ごしやすくなった夜長に、伊丹さんの訳文に触れてみるのはいかがでしょうか?記念館では店頭のみの取扱いとなっておりますので、お越しの際はぜひお手に取ってみてくださいね。

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【お知らせ】

宮本信子館長が記念館へ出勤いたします!

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日時:11月9日(木)11時頃~13時頃

当日の状況により、滞在時間は変更になることがありますのでご了承ください。
スタッフ一同、皆様のご来館を楽しみにお待ちしております。

スタッフ:山岡