こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2017.09.25 旅のお供に
記念館便りをご覧の皆さま、こんにちは。
朝晩に肌寒さを感じ、木の葉も少しずつ色づいてきて、秋の気配を感じるようになりました。気温も落ち着いて過ごしやすくはありますが、体調を崩される方が多い時期ですので、くれぐれもご自愛くださいね。
さて、先月記念館にお越しくださったお客様で、伊丹さんの著書『ヨーロッパ退屈日記』を持って来館された方がいらっしゃいました。
ご存知の方も多いと思いますが、『ヨーロッパ退屈日記』は、エッセイストとしての「顔」を持つ伊丹さんの初のエッセイ集です。俳優としてヨーロッパに長期滞在した時の体験等をもとに綴ったエッセイがまとめられ、1965年の刊行以来、50年以上経った今も世代を問わず読まれ続けている本です。
そのお客様は「文庫サイズ(現在は新潮文庫で読むことができます)で持ち歩きしやすいので、旅行に行くときには必ず持っていくんですよ」と仰って、読み込まれているのがひと目でわかる『ヨーロッパ退屈日記』を見せてくださいました。
『ヨーロッパ退屈日記』(新潮文庫)
旅行に本を持って行く、という方はたくさんいらっしゃるようですね。初めての本はもちろん、読んだことのある本でも、旅先ではまた違った雰囲気で読むことができて楽しめるのだとか。移動の間やちょっとした待ち時間などに読める短編小説やエッセイ集を持ち歩く方が多いそうです。
ご来館のお客様にお話をうかがうと、伊丹さんの文庫本を旅行に持っていくという方は少なからずいらっしゃって、上述のように受付などで実際に本を見せていただいたり、お気に入りのエッセイについて感想をうかがったりすることがあります(ちなみに、このお客様の『ヨーロッパ退屈日記』にあるお気に入りエッセイは、スパゲッティのゆで方や食べ方が書かれた「スパゲッティの正しい調理法」「スパゲッティの食べ方」でした。書かれたとおりに試してみてすっかりスパゲッティ好きになったそうです!)。
伊丹さんの著書は残念ながら絶版となっているものもありますが、記念館ショップでは『ヨーロッパ退屈日記』『女たちよ!』『再び女たちよ!』『日本世間噺大系』(以上、新潮文庫)、『問 いつめられたパパとママの本』(中公文庫)、『哺育器の中の大人[精神分析講義]』(ちくま文庫)などの文庫を取り扱っています。
文庫のサイズは持ち歩きもしやすいですので、展示を見てエッセイストとしての伊丹さんの「顔」にご興味が湧いた方は、ぜひご旅行の空き時間に読んでみてください!
暑さも和らいで外出しやすい時期となり、行楽シーズンに向けてご旅行の計画を立てている方もいらっしゃるかと思います。
次回の旅のお供に、伊丹さんの本はいかがでしょうか。
スタッフ:山岡
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