記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2017.09.04 伊丹さんの目撃情報

記念館で働いていると「生前の伊丹さんに会ったことがある」とか「見かけたことがある」とお話し下さるお客様が多くいらっしゃいます。やはり「有名人」ですから、いろいろなところで目撃されていたようです。

本日は数々の伊丹さんの目撃情報の中から特に印象に残っている話を二つご紹介致します。


【エピソード① 事務所に突撃したお客様の話】

そのお客様が十代であった数十年前、雑誌に当時ファンだった伊丹さんの事務所(兼自宅?)の住所が載っており(今では考えられませんね。)お住まいの高知県からお友達とはるばる尋ねて行かれたそうです。

玄関のチャイムを鳴らすと、伊丹さん自身が出てきたそうで「ファンです!四国から会いに来ました!」と伝えると、「今来客中だから、もう少し時間が経ってからおいで」と言われ、高知からお土産に持って行った饅頭を渡して帰ったそうです。
(その後、近所で時間を潰していたそうですが「もう会えたしいいか」ということになり、そのまま別の場所に観光に行ったとおっしゃっていました。お客様曰く「まだ若かったからね」とのことです。)

「嫌な顔一つせず普通に対応してくれたし、後から知ったけどその頃の伊丹さんは食べる物にこだわっていて、甘いものには否定的だったみたいだけど、饅頭も普通に受け取ってくれたよ~」とのことでした。


玄関に突撃されても普通に対応する、器の大きさを感じます。


【エピソード②蕎麦屋で突然伊丹さんに話しかけられたお客様の話】

そのお客様が二十代の頃、行きつけの蕎麦屋さんで、普段から他のお客さんが徳利に残したお酒を店主に頼んで譲ってもらい、飲んでいたそうですが、その日もテーブルに飲み残しの入った徳利をたくさん並べていたところ、来店した伊丹さんに「君は昼間からこれを全部飲んだの?」と突然話しかけられたそうです。

「いや、店主にお客さんの飲み残しをもらって飲んでいます」とお答えすると「君、面白いことするねえ」と感心されたそうです。


気になることがあったら、知らない人にも突然話しかける、好奇心がスゴイです。


以上、印象的なものをご紹介いたしました。なんだかほほえましいですよね。

生前の伊丹さんに会ったことのない自分としましては、このようなエピソードをお伺いすると、伊丹さんと親しい方からお伺いするのとはまた違う側面から伊丹さんの「人となり」が感じられるようで、なんだかとても得をした気分になります。

ちなみにですが、伊丹さんの目撃情報を教えて下さる方々から、否定的な意見は聞いたことが有りません。特別愛想が良かったというよりは、ごく自然に対等に周りに接していたのかな?と想像しています。


最後になりましたが、伊丹さんの目撃情報をお持ちの方は、ご来館の際には是非スタッフに教えて下さいませ。お待ちしています!

kesa.JPG【画像:今朝の記念館。本日の松山は曇空です。】

スタッフ:川又