記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2016.11.14 お気に入りの一冊

記念館便りをご覧の皆さま、こんにちは。
寒くなってきましたね!一気に冬を迎えてしまったような今日この頃ですが、体調など崩されていませんでしょうか。

さて先日、ご来館にあたって伊丹さんの著書『問いつめられたパパとママの本』を実際に持ってらっしゃったご夫婦がいらっしゃいました。2歳の息子さんとご一緒で、「この子が生まれる前に一度記念館に来て、その時に買いました」とのこと。以来愛読してくださっていて、ご夫婦で何度も読み返してらっしゃるそうです。今回記念館に行こうということになり懐かしくて持ってきました、とお話しくださいました。

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【問いつめられたパパとママの本(中公文庫)】
大人がうまく答えられなかったり、あいまいに答えてしまったりする
子供の素朴な疑問を、やさしく解明してくれています。
親御さんに限らずおすすめです!

実はこのご夫婦のように、ご来館のお客様が、伊丹さんの著書を持ってらっしゃることがあります。初版本、文庫本などお持ちの本は様々ですが、「記念館に行くから」ということで持ってこられ、カフェ・タンポポのドリンクを飲みながら読まれる方、「空いた時間に読みたくて旅行中はいつも持ち歩いています」という方、「引越しで荷物を減らしたい時も、これは手放せませんでした。何度も何度も読み返してぼろぼろになんですけど」と仰って実物を見せてくださった方もいらっしゃいました。

皆さま総じて「お気に入り」の一冊として大切にしてくださっているとのこと。伊丹さんの著書、中には記念館でお買い上げくださった本を気に入って長年大切にしてくださっているのを実際に見ると、嬉しいものですね。もちろん、書籍をお持ちでなくても、伊丹さんの著書を「お気に入り」とお話しくださるお客様はたくさんいらっしゃいます。

残念ながら絶版になっているものもありますが、記念館ショップ・オンラインショップでも伊丹さんの著書や関連本を取り扱っています。夜が長くなるこれからの季節、ご興味がある方は伊丹さんの著書にぜひトライしてみてください。長く読み続ける、お気に入りの一冊になるかもしれません!

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最後に、上述のご夫婦がお持ちだった『問いつめられたパパとママの本』から、この時期にぴったりの「冬ニナルトドウシテイキガ白クナルノ?」というエッセイをご紹介します。

(前略)空気は、無制限に水蒸気を含むことはできない。おのずから限度というものがある。そうして、空気が、この限度ぎりぎりいっぱいまで水蒸気を含んだ状態を「飽和状態」というのですね。 

(中略) 

 こういうふうに、飽和状態の空気の温度が下がって、はみだした水蒸気が水滴になることを「凝結」というのです。

 

 さて、ここまでくれば、冬、なぜ息が白く見えるか、もうみなさんおわかりになったことと思います。
 つまり、われわれの吐く息は、体内でとらえた水蒸気を多分に含んでいるのでありまして、この水蒸気が冷たい空気に触れて、一時的に凝結する。そうして、この凝結によって作られた水滴が、日光を散乱させて白く見える、ということなのですね。
 立ちのぼる湯気、曇った窓ガラス、「汗をかいた」ビール瓶など、すべてこの凝結によって説明できる現象です。
 では、しばし、熱いお茶でも飲みながら、立ちのぼる湯気に思いをこらしてくださいまし。


スタッフ:山岡

・・・・・・・・・・・・<年末年始の開館・休館のご案内>・・・・・・・・・・・・

12月27日(火)~1月1日(日)は休館とさせていただきます。
1月2日(月)、3日(火)は開館時間を10時~17時(最終入館16時30分)とさせていただきます。

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