記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2016.07.18 「十三日十三時」企画・第2回を開催いたしました!

7月13日(水)、「毎月十三日の十三時は記念館で伊丹十三の映画を観よう!」の第2回、『タンポポ』(1985年)の上映を開催いたしました。

当日の朝は「お出かけやーめた!」となりそうなほどの土砂降りで心配しましたが、徐々にお天気が回復して、昼前ごろからお集まりくださったお客様方と約2時間――

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私はすこし離れた後ろのほうにいましたのでお客様の表情は見えなかったのですが、ところどころでみなさんの頬っぺたがキュッと上がるのを拝見して、よきかなよきかな、と嬉しく思っておりました。『タンポポ』、楽しかったですね。

0713tampopo_sign.jpg0713tampopo_illust.jpgその他、館内にある"タンポポ"ゆかりのアレコレも
お楽しみいただけましたでしょうか~?

 

「好きな伊丹映画」として『タンポポ』を挙げてくださる方が特に多いのは、観客を強く惹きつけつつ、作者である伊丹十三自身が自由に創造できるように、テーマ設定(食べ物)・モチーフ選択(ラーメン)・シナリオの構成(西部劇を転用)のバランスが上手く練られているところにポイントがあるようです。

しっかりとした土台の上に、ラーメンをはじめとする食べ物、国内外の食文化、食と性、頑張る女と見守る男の恋物語、さまざまな要素が見事に"盛り付け"られていて、豪華でバラエティにとんだ配役も魅力的。まことにいろんな観方、楽しみ方のできる作品です。

「この映画を観たあとは、印象に残ったシーンやエピソードについて語り合ったら、誰とでも、いつまででも、話し続けられそうだなぁ」と改めて思いました。

さて、次回は1987年公開の『マルサの女』。8月13日(土)13時からです。

0813marusa.jpg金銭を通して日本人を描いた
女査察官と脱税者の物語です

 

9月14日(水)の『マルサの女2』(1988年)と併せて、スケジュール帳にぜひお控えください!

※この催しは、13日が休館日の火曜日にあたる場合には、翌日14日に振替開催となります。

学芸員:中野