こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2016.04.04 新年度
みなさま、"新年度"明けましておめでとうございます。
あちこちでお花が開いて景色が色とりどりになっていく様は、目にも心にも楽しいものです。やはり、新年度・新学期というものは、自然の勢い感じながら、春に迎えるのがいいような気がします。
とはいえ、風情に疎い私ですから、お花の名前もよく知らず「何かいいなぁ」とウキウキしているだけなのですが、先日、近所を歩いていて、それと分かる植物に出くわしました。これは大変に珍しいことです。
「あのツル、あの白いお花! 知ってる、エンドウマメよ!」と歓喜の叫びを発しましたね、心の中で。
なぜそれに目が留まり、エンドウマメだと気付いたのか、なぜやけに嬉しいのか、自分でも不思議......
そうか、常設展示室「池内岳彦」のコーナーにある、これのおかげなのでした。
『豌豆の観察』(1944-1945)
小学5年生の秋から6年生の春まで、少年時代の伊丹十三がつけたエンドウ豆の観察記録です。なんと全長76cm!
発芽から実りにいたる各段階の詳細なスケッチに、具体的な解説が添えられています。
「茎は丸味を帯びた四角」
「こんな形の葉の外側へ出た茎はつるになり、内側から出た茎にはつぼみが出来る」
「花は孔雀型」
子供ってよく見てるんだなぁ、と感心することは多々ありますけれど、いつの間にか、70年前の少年にエンドウマメのあれこれを教わっていたみたいです。
ものを見ることや記録することに好きなだけ時間をかけられるなんて、子供時代はすばらしい、と最近つくづく思います。
新一年生のみなさんおめでとう、学校でもお家でも、お勉強をタップリ楽しんでくださいね。
※常設展示室では、この観察日記のほか、野菜の絵、夏休みの日記、昆虫観察ノートなどもご覧いただけます。さらに多数の絵や日記帳を掲載しているガイドブックも、ぜひ店頭でお手に取ってみてください。(オンラインショップでの取扱いはコチラです。)
学芸員:中野
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