こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2016.02.01 桃の滴
記念館のカフェ・タンポポは、企画展示室を出てすぐ右手にございます。
展示をご覧になった後に一息ついていただける入館者様専用のスペースで、伊丹さんがお好きだったお酒も召し上がっていただけます。
その中の一つに、日本酒『桃の滴』があります。酒どころとして知られる京都・伏見の銘酒です。
展示の余韻に浸りながらゆっくり召し上がっていただきたいと存じておりますので、アルコール類はすべてお一人様一杯までとさせていただいております。そのため、『桃の滴』も可愛らしい180mlボトルでご用意しております。
そのボトルのラベルにご注目ください。中央には、大きな桃が描かれているのですが、その左横に大黒さまがいて、なにやら文字を掲げています。その文字は――
「わが衣に ふしみの桃の 雫せよ」
――松尾芭蕉の俳句です。
芭蕉が、伏見にある西岸寺に任口上人を訪ねた際に詠んだものだそうで、当時、桃が伏見の名物であったことをふまえて、「上人の徳にあやかりたい」という心を詠んでいるのだとか。この句をもとに、『桃の滴』と名付けられたお酒なのですね。
お客様からは、「ほのかな香りが良い」といったご感想を伺います。伊丹さんは、このお酒をどんな風に感じていらっしゃったのでしょうか。そんなことを想像しながら味わうのも、楽しいかもしれません。
「運転しないし、お酒も大丈夫」というお客様は、ぜひどうぞ。カフェからは中庭もご覧いただけますので、きっとおいしく召し上がっていただけることと存じます。
スタッフ:淺野
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