こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2015.12.14 みかんの季節
みかんの季節になりました!
今や様々な品種があるみかんは1年を通じて食べることができますが、それでもやはりみかんというと、寒い時にあたたかい部屋で食べるというイメージが強いのではないでしょうか。
ありがたいことに、この時期になると我が家は愛媛在住の親戚や知り合い、ご近所の方などからたくさんのみかんを頂きます。また、お店でおいしそうなみかんを見るとつい買ってしまうので、家にみかんがない日がほとんどありません。テレビを見ながら、また風呂上りや食後につい手がのびてしまう、寒い時期の定番デザートになっています。
さてこのみかん、皆さまは食べる時皮をどのようにむいていますでしょうか。
私や家族はヘタの反対側の柔かいところから皮をむいていくのですが、以前一緒にみかんを食べた知り合いは皮ごと4等分にしたり(手が汚れなくていいらしいです)、みかんの周囲に切り込みを入れて皮が器のように上下に開くようにしてみたりしていました。他にむき方があるのかな?とインターネット上で検索してみると、スタンダードなものから面白おかしなものまで多種多様なむき方が紹介されていてびっくりしたものです。中には非常に凝っていて、アートの域に達しているのでは...というものも。興味を持ったものを試してみるのも面白いかもしれませんね。
そして伊丹さんの著書『日本世間噺大系』にも、みかん作りの名人が教えるみかんのむき方が紹介されていますので、以下に少し引用します。
(前略)
タレント ちょっと、このミカン一個貰っていいですか?
名人 ハイ。これうまいですよ、これはうまい。新しい品種「オキツ」です。農林省で造った品種です、食べますか?
タレント ハイ。
名人 どうぞむいてみてください。
タレント (ミカンをむきかける)
名人 あア、そちらからむくんじゃない、センセイ。
タレント こっちですか?
名人 こちらからむいてね――ミカンはこういうふうにむくの。こういうふうにむいて、うしろ側から出すと綺麗にはがれる......ネ?
タレント ア、そうか――ちょっと、カメラ見えるかな?ええと――この緑色のポッチがありますね、これのない方、柔かい方ね、に親指 を入れて、まず――どうするんです?割るんですか?
名人 割るんです。三つにね、三つに割って、で、袋を、置くの方から手前にはがす。
タレント ハハア......
名人 うしろ側から、こうして離してくればです、袋をとるに白いスジがキワメテよくとれる。判りますか?
タレント なんでも正しいやり方ってのがあるんだな(笑い)
名人 あるんです。これがミカンの食べ方。(後略)
(『日本世間噺体系』(新潮文庫)「蜜柑」)
イラスト付きで紹介されていますので、こちらもご興味ある方は試してみてください!
『日本世間噺大系』は味わい深いエッセイをはじめ、上記のような臨場感あふれるインタビュー形式や座談会形式で書かれた「世間噺」が31篇納められています。
読み応え満点ですので、ぜひ読んでみてくださいね。(記念館オンラインショップからもお求めいただけます)
【日本世間噺体系(新潮文庫)。上はミカンのむき方を紹介したページ】
スタッフ:山岡
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