記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2015.11.09 秋におススメのカフェメニューと本

すっかり秋ですね。
温かい飲み物が恋しい季節となってきました。
伊丹十三記念館のカフェでは生姜シロップを使ったホットドリンク「しょうが湯と十三饅頭」「しょうが紅茶」「ソイ・ジンジャー」などが人気です。
生姜シロップは記念館で作っています。スライスした生姜をお砂糖で煮つけて、仕上げにレモン汁を入れます。レモン汁を入ると、生姜シロップの色がパッと鮮やかなピンク色に変わります。

IMG_2049 (2).JPG【画像:レモン汁を入れる前】

IMG_2053.JPG【画像:レモン汁を入れた後】

紅茶やらジャムやらにレモン汁を入れると「レモンの酸で色が変わる」と言うのはよく知られていることですが、実はこのような現象すら伊丹さんに係るとそんな簡単な説明では終わりません!

「紅茶の、あの冴えた赤い色、ほのかな渋みは、タンニンという物質によって作られる。
~略~
さてこのタンニンは、水に溶けるものと、溶けぬもの、というふうにも分けることができる。
~略~
紅茶にレモンを入れるとどうなるか。レモンの酸によって、水溶性のタンニンが、水に溶けない、不溶性のタンニンに変わってしまうのであります。
~略~
つまり、水溶性のタンニンが、不溶性のタンニンの粒子となって水に溶けなくなる。したがって水の中に拡散されている量が減って、色が薄くなる、ということでしょう。」
問いつめられたパパとママの本」『レモンヲ入レルトナゼ紅茶ノ色ガウスクナルノ?』より

と、言うことらしいです。「問いつめられたパパとママの本」の前書きに「この本を、生まれつき非科学的な人、つまりあなたのために書いた」とありますが、その通りで、この本は全編にわたって難しいことを大変わかりやすく説明してくれています。

というわけで、この秋は記念館カフェで温かいしょうがメニューでもお召し上がりになりながら、読書なんていかがですか。非科学的な人にもそうでない人にも「問いつめられたパパとママの本」をおススメいたします。

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【画像:問いつめられたパパとママの本」】


スタッフ:川又