記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2015.05.18 開館8周年記念イベントのご報告:「収蔵庫ツアー」編

5月15日は伊丹十三の誕生日にして開館年記念日。私たちにとって特別な日です。
今年は、伊丹十三82回目の誕生日で、開館8周年を迎えた日でした。

今年の記念イベントは「無料開館」(4/5)、「収蔵庫ツアー」(5/9~5/11)、そして、今年は特別に「荘村清志・宮本信子ジョイントライブ」(5/15)を開催させていただきました。
ご参加くださった皆様の楽しそうなご様子をどのイベントでも拝見でき、お祝いしていただいているような気持ちでとっても嬉しかったです。ありがとうございました。

本日は、5月9日(土)から5月11日(月)の3日間各日2回、計6回行いました収蔵庫ツアーについてご報告させていただきます。

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「収蔵庫ツアー」とは何か。それをご説明するには、当館の収蔵庫がどんな風であるかをご説明しなくてはなりません。普通の収蔵庫とはチョット違うのです。
伊丹十三は、俳優・映画監督・エッセイスト・テレビマン・商業デザイナーなど、さまざまの仕事に携わりました。多岐にわたる仕事のそれぞれで書いた(描いた)もの使ったもの、それから日々の愛用品の数々が、「展示風」に収められているコーナーが当館収蔵庫の2階に作られているのです。

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「展示風」とは言っても、テーマ立てのある展示室でのご鑑賞とはまた異なった趣きで、お客様の見方・視点やお好みによって、より自由に立体的に伊丹十三を感じていただけるスペースとイベントだと思います。

その収蔵庫では、たとえば......

こんなものや――

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こんなものですとか――

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こんなもの――

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を、「ものと伊丹さんとのエピソード」に関するご説明とともにご覧いただきます。

調子よくしゃべりたおしていると、博物館施設にお勤めの方や、映像制作のプロの方や、伊丹さんの高校の同期生の方がいらしていることが分かってヒヤヒヤの汗を流すことになったりもしますが、いつもお客様と楽しい時間をご一緒させていただいています。

今回は27名のお客様にお越しいただきました。ツアー終了後にいただいたご感想、ご紹介させていただきますね。

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記念館には、開館当初に2回と今回、来る度に伊丹氏の才能に舌をまきます。「女たちよ!」を雑誌に書いていられた頃から、内容にも興味があった。『お葬式』、『あげまん』など映画を始められ、更なる才能の開花を喜んだものだった。

伊丹十三(私たちにとっては池内)が使い・作った品々を目近く見ることができて、胸が熱くなりました。<※松山東高の同期生でいらっしゃるそうです>

一般展示では見られないものを見ることができた。何をするにも、深いこだわりがある伊丹十三の性格がよくわかった。才能があるということは、「変っている」という側面もあるのかなと思った。

伊丹さんをとても近くに感じることができました。いつも思うのですが、こちらの記念館は別荘のように落ちつける場所で、今回3回目ですが、毎回機会を作って訪れるのがとても楽しみです。初代Best Father賞受賞されていたのですね。書ききれないので今回はこのへんで、すみません。

伊丹十三記念館には、2010年に初めて足を運んで以来、今回で5回目となります。今日やっと念願の収蔵庫ツアーに参加することができ、感無量でした。伊丹さんのモノへのこだわりや、蔵書の量に圧倒されるとともに、記念館の形としてアーカイヴを見せる形を備えていることが大変すばらしいことだと思いました。DVD『13の顔を持つ男』に記念館のなりたちが映されていて<※特典映像の「伊丹十三記念館ができるまで」>、ここはぜひ観てみたいな、とずっと思っておりましたので、今日は本当に嬉しかったです。

念願の収蔵庫ツアーに参加できてうれしく思います。本棚をもっと目近かで見ることができればもっとよかったです。伊丹十三さんとの距離が少し縮まった気がします。

原稿や原画は別の機会に拝見したことがありましたが、衣裳や私物を間近で見ることができてとても面白かったです。映画を見返して確認しようと思います。オーデコロンいい香りでした。<※ツアー後に伊丹十三愛用のオーデコロンと同じものをお試しいただけます。>

映画を見返すときの楽しみが増えました。衣裳や小物などの私物を見ていると、なんとなく伊丹十三のモノの考え方が伝わってきて、ついニヤニヤしてしまいます。

宮本様 神奈川県から来ました。湯河原へも行きたいです。十三様のバイオリン、ギターの音源があれば聴かせていただきたいです。

夢の収蔵庫ツアーに参加出来、とても幸せでした! 伊丹さんの私物などとても興味深いものがたくさん見れて、ますます伊丹さんを大好きになりました。楽器を奏でている伊丹さんサイコーです!! ぜひ音色を聞きたいと思いました!! レアー映像があればお願いします!!!

面白い人、何でもできるマルチな才能を持った稀有な人材としか思っていませんでした。今回、収蔵庫を見せて頂いて、ますますの不思議感がつのりました。世の中にこんな人が存在したのだということが驚きです。それが才能のみでなく、不断な努力に根ざしているのだということに納得しました。ほんっとにすごい人です。同郷の人間として誇りに思います。面白かったです。

好きな子の実家に行って、お茶を取りに彼女が行っている間に、その子の部屋をジロジロ見る感じ。何でも見れて少しドギマギする。

今日は楽しい時間をありがとうございました。普段見ることの出来ない貴重な品々に興奮してしまいました。本当にこだわりの人なんだなと実感し、余りにも早すぎた死が残念でなりません。特に、十三さんから信子さんに宛てたカタカナ書きの手紙が私は好きです。(ここには、本当の十三さんが見てとれると思うからです。)よくぞ捨てないでくれたと思います。<※この「手紙」は収蔵庫ツアーではご案内しておりませんが、新潮社『伊丹十三の本』に掲載されているものについてご感想をお聞かせくださいました。>

初めての伊丹十三記念館、そして収蔵庫ツアーの参加でした。前々から伊丹十三ファンでしたが、ツアー中、沢山のことを説明していただき、より一層、伊丹十三のことを理解し、好きになることができました。これを機会に時々、記念館を訪れたいと思います。

あまり意識していませんでしたが、自分の若かりし頃に大切にしていた時間が伊丹さんとつながっていたのだなあと楽しく過ごさせていただきました。

伊丹十三さんと宮本信子さんの生活が目に浮かぶようですごく心地よい気分になりました。説明を聞いた後、又、常設展示も改めて時間を取って観させてもらいたいと思います。気遅れする所があって来ること自体も迷っていたのですが、参加させていただいて本当に良かったです。

愛用品の食器などは、使い勝手の良さそうな器ばかりだなあと感じました。再現のブースの湯河原の家は、間取りとかがあればわかりやすいかなと思いました。収蔵庫にはまだまだたくさんの資料があるようですので、今後の企画展示が楽しみになりました。

今回、バックヤードツアーがあるということで初めて来館しました。愛用品や蔵書をみせてもらってよかったです。ちゃんと作った民芸品がいっぱいあって、それらを選んでいたのだとかんじました。選ぶの・みつけるのも楽しかったのでしょうね。写真ではわからない本人の想いに少しふれられて、来てよかったです。大切に残してください。

 

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収蔵庫ツアーは、開館1周年記念のときに初めて開催して以来、毎年続けているイベントですので、もう8回目になるのですね......と感慨深くも自分の成長ののろさに驚いてしまいます。
亀の歩みながら「年中行事として担当してきたことで、『その1年間で伊丹十三について自分はどういうことを考えてきたのか』をまとめるいい機会になっているな」と気付きましたし、今回もまた、お客様方とご一緒させていただくうちに、さまざまの「伊丹十三像」を勉強させていただきました。ありがとうございました!

itami_signature.jpg伊丹さんのサイン本をご持参くださった
お客様もいらっしゃいました!
わ、あのサインと同じフレーズですね!!

8周年ともなりますと、「10」の区切りが非常に現実的なものとして視野に入ってきてつい興奮してしまいますが、この記念館に足を運んでくださるお客様と収蔵品を日々大切にして、いい日を重ねていけるように過ごしたいと思います。

これからも伊丹十三と伊丹十三記念館をどうぞよろしくお願いいたします。


※収蔵庫ツアーは毎年3月下旬から4月下旬にかけて参加者を募集しています。
 ご興味おありの方は、来年の春にぜひこのホームページを覗きにいらしてくださいませ。

学芸員:中野