記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2013.11.17 「伊丹十三記念館ができるまで」

先月から、記念館の裏手で工事が行われています。来年6月オープン予定の医療施設の新築工事だそうです。

今は基礎工事の真っ最中。突如としてサイロのような巨大な円筒形の何かや電柱らしきものが出現する毎日、物珍しさで何かと目を見張ってしまいます。現場の横を通るたびにブルドーザーの見事な働きぶりはもちろん凝視......子供みたいですね。


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 「サイロのような巨大円筒形の何か」は、おそらく、
コンクリートに関係する何かではないかと思います......



建て物部分の工事に入れば、ひとつの建築物が日に日に「育っていく」かのような様子が楽しめるに違いありません。

そんな期待とともに、「この記念館ができていく様子もこの目で見てみたかったなあ! 絶対に面白かったに決まってる!」という思いが日に日に強くなっていきます。開館8ヵ月半後に勤め始めるまで他県に住んでいた私は、噂に聞くことはあっても見ることはできませんでしたから。

伊丹さんの記念館を松山に作る! と宮本館長が決意したのが2004年8月。翌2005年3月に中村好文さんに設計を依頼して、ミーティングを重ね、「伊丹十三記念館」設立を発表したのがその年の12月27日。着工が2006年4月、竣工・開館が2007年5月――


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玉置館長代行提供!
開館の約1年前、2006年5月31日

当館敷地の基礎工事の様子。


作ると決めてから完成まで2年10ヵ月、工期は11ヵ月。猛スピードで記念館ができていくあいだの時間の密度、濃度はすさまじいものだったはず。
想像するだけで軽くめまいがいたしますが、そのめくるめく"メイキング・オブ・記念館"の記録映像をご覧いただけるって、ご存知でした? 当館限定で販売しているDVD『13の顔を持つ男』に、特典映像「伊丹十三記念館ができるまで」として収録されているのです......!!


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本編142分のDVDソフトで、特典映像の
「伊丹十三記念館ができるまで」はど~んと30分!
税込3,360円、これはお得です!



来年5月15日には開館7周年を迎える当館を「もの」として見ると、確かに古くなりつつはあります。気がつけば、どこもかしこも新品まっさら! 木の匂いがする! というふうではなくなりました。
古くはなってもイイ味が出てくるように、そして中身も衰えないように、育ち続けられる記念館でありたいと思います。

※「お隣さん」の医療施設の工期は5月31日までだそうです。ご来館の際には何卒ご了承くださいますよう、お願い申しあげます。

学芸員:中野