記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2013.11.04 「企画展」残すところあとわずか

2010年12月の展示開始から好評をいただいております現在の企画展「父と子 ― 伊丹十三が語る父・伊丹万作の人と芸術 ―」も、残すところあとわずか(2013年12月9日まで)となりました。

生前の伊丹十三は、父万作の遺品を大切に保管し、万作の記念館を設立したいという構想を持っていました(当館はその予定地だった場所にあります)。そんな伊丹十三の意志を実現したとも言える現企画展、まだご覧になられていない方には、是非お越しいただきたいと思っております。

企画展入口で皆様を待っているのは、「伊丹万作」を語る「伊丹十三」の言葉。

フランスのラカンという人によれば
父親の役割は何かというと
父の父の言葉を、子供に伝える "中間"
であるということらしいのね
ボクは、その父の父の言葉をですね
子に伝える役割を持っているわけ 


それでまあ、簡単にお話しますが...

伊丹万作は
自分に誠実な人であった
自分に非常に厳しい人であった
自分に嘘のつけない人であった


(1995年、伊丹万作の50回忌に十三が息子たちへ語った言葉より抜粋)

curtain.JPG【企画展示室入口カーテン】  

 
これらの言葉が映し出されたカーテンをくぐって、企画展示室内にお入りいただきます。実際のスピーチ音声も室内に流しておりますが、「自分に誠実な人であった 自分に非常に厳しい人であった 自分に嘘のつけない人であった」の部分の語り口はとても印象深く、文字だけでは伝わらない趣があります。是非聞いていただきたいなぁと思います。

こういった展示方法からもお分かりいただけますように、「伊丹十三を通した伊丹万作」に触れることのできるこの企画、当館でなければできないものだと私は感じています。

伊丹十三のルーツを知ることもできますし、伊丹万作の才能・仕事を知ることもできる、けれどもそれだけに止まらない、不思議な広がりを感じる展示です。合わせ鏡をそっと覗いている様な感覚になります。ぐぐっと展示に見入っているお客様のお姿を、日々お見かけしております。

kodomono.JPG【万作が息子(伊丹十三)の誕生日に、息子に向けて綴った言葉もご覧いただけす】

movie.JPG【もちろん「映画の人」としての万作もお楽しみいただけます


一部展示品を入れ替えながら展示を続けて参りましたので、何度も足をお運びくださったお客様もいらっしゃいました。ありがとうございました。

現在の企画展は残すところあとわずか、引き続き皆様のご来館をお待ちしております。

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記念館からのお知らせ

【展示替え】

企画展示終了に伴う展示替え作業のため、12月11日(水)~19日(木)は企画展示室を閉室する予定です。
この期間中は、入館料大人500円/高・大学生300円で、常設展示室のみのご鑑賞となります。何卒ご了承くださいませ。※10日(火)・17日(火)は休館日です。 

新・企画展につきましても、どうぞご期待ください。

【年末年始】

12月28日(土)~1月1日(水)は休館させていただきます。
1月2日(木)、3日(金)は開館時間を10時~17時(最終入館16時30分)とさせていただきます。


スタッフ:淺野