こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2013.04.08 収蔵庫ツアー
これまで、学生時代の一人暮らしにはじまり何度か居を移してきた私ですが、その都度必ず引っ越しの荷物に忍ばせて、生活を共にしてきた大切な品があります。
私が9歳の時に亡くなった祖父が愛用していた鳥打帽です。
おじいちゃんっ子だった私は、単純に祖父が身に着けていたものがそばにある事が嬉しかったんですね。大人になった今でも自室にあります。
子供の頃には気付かなかったのですが、鳥打帽の内側、丁度つばの後ろ辺りのくぼみには、丁寧に詰め物がしてあります。あきらかに祖父自身の手によるものです。型崩れを防ぐためなのか、サイズ調整のためなのか......随分傷んできた帽子を手にしながら、あれこれと考えてしまいます。目的は何にせよ、一つの物をとても大切にする人だったのかな、ということは伝わってきます。
愛用品には、持ち主の ひととなりが滲み出てくるものですよね。
――と、ここまでは私事なのですが、今回みなさまにぜひご紹介させて頂きたいのは、伊丹十三の愛用品をご覧頂ける貴重なイベント、その名も「収蔵庫ツアー」でございます。
当館2階の収蔵庫には、映画制作資料や直筆原稿、イラスト原画、蔵書などと共に、伊丹十三愛用の品々も大切に所蔵されています。それらは「展示風」に収められており、毎年恒例の開館記念イベント「収蔵庫ツアー」としてみなさまにご覧いただいております。
本年も6周年を記念し、5月15日(水)~19日(日)にて開催する運びとなりました。
(詳細はこちらからご覧ください)。
このツアーの大きなポイントは、学芸員が直接ご案内をさせていただくというところでして、例年お客様との会話が弾んでいるようです。
各日6名様の定員を設けておりますので、お早目にご応募下さいませ(応募が定員を超えた場合は、抽選とさせていただきます)。
みなさまにお会いできますことを、スタッフ一同楽しみにお待ちしております。
スタッフ:淺野
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