記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2012.07.16 「天皇の世紀」が放送されます!

何の因果か、今年も海の日に「記念館便り」の当番が廻ってまいりました、中野です。
(ちなみに、去年の海の日のエントリーはコチラです...)

「海の日」が祝日になったのは1996年。私はすでに高校を卒業していましたから、何だか馴染みの薄い祝日なのですが(あ、大切な日だとは思っていますよ!)、「国民の祝日に関する法律」というものがございまして、何のための祝日なのか、ちゃーんと法律で定められているのです。ただ単に海で遊ぶ日ではないのです。ご存知でした?

「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う。」

前半は何となく分かっていましたし、誰にとっても理解しやすいと思うのですが、後半が難しいですねぇ。「国の繁栄」を「願う」...今の日本ではどういう状態を「繁栄」と見做し目標とするのか、そこからして難しいような気がしますね...ともかくまぁ、それを「願う」...具体的に何をすればよいのでしょうか...

さて、答えの出ぬまま表題の件に移りますが...

なななんと、あの「天皇の世紀」が放送されます! しかも本日スタートです!

「天皇の世紀」は、朝日新聞に連載されていた大佛次郎(おさらぎ・じろう)氏の長編史伝で、幕末・明治維の日本を舞台としています。

天皇の世紀_文春文庫.jpg
(原作は文春文庫から復刊されています)

これを原作としたテレビドラマが連載中の1971年秋に放送されました。残念ながら連載中の1973年4月に大佛さんが亡くなられたため原作は未完となりましたが、その年の秋から翌年の春にかけてドキュメンタリー版が放送されました。

伊丹十三は、ドラマ版・ドキュメンタリー版の両方に出演しています。
ドラマ版では岩倉具視役、ドキュメンタリー版では時代の波に揺れる日本各地で起きた数々の事件について解説・案内する「ホスト役」としての出演でした。

番組ホームページの熱い解説(日本映画衛星放送様、ありがとうございます!)でお分かりいただけると思いますが、ドラマ版もドキュメンタリー版も、スタッフといいキャストといい趣向といい、トンでもなく贅沢で斬新で重厚な番組でございます。テーマにおいてもスタイルにおいても、「日本人とは何者か」、「テレビとは何か」という問いに満ちた作品です。

もうすぐロンドンオリンピックが始まります。テレビをつけて日本代表選手の競技する様に熱中すれば、平和の貴さやスポーツの面白さとはまた別に、否応なく、あるいはたやすく、自分が日本人であることを感じることもできますが、その一方で、というか延長線上でというか、「じゃあ日本って、日本人って何?」と大の大人が頭をひねってウンウン考える夏にするのもよいのではないか、と。その貴重な機会として、この番組をぜひぜひご覧いただきたく思います。
まずはドラマ版、本日7月16日スタート!!

<「天皇の世紀」放送予定>

●ドラマ版(全13回)...時代劇専門チャンネル
 7月16日(月祝)より 毎週月~金、22時~

●ドキュメンタリー版(全26回)...日本映画専門チャンネル
 8月13日(月)より 連日12時~

番組ホームページはコチラです!


長引いた梅雨のせいか、体調を崩していらっしゃる方が多いようです。
皆様、くれぐれもご自愛くださいませ。
学芸員:中野

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もひとつ告知です!

NHK松山放送局「いよ×イチ」HPの動画コーナーで宮本館長のインタビュー動画を公開していただいています。5月23日に愛媛県内で放送された番組ですので、見逃した方、他県にお住まいの方、ぜひコチラをご覧くださいませ! 5周年ライブの様子もご覧いただけますヨ。